世界で初めて全編を劇画とアニメーションを融合させた“ゲキメーション”という様式で作り上げられた野心作『バイオレンス・ボイジャー』(5月24日公開)の先行上映舞台挨拶が21日、シネ・リーブル池袋にて開催。主人公ボビーの父親ジョージ役の声を担当したココリコの田中直樹と、監督・脚本など6役をこなした新進気鋭クリエイターの宇治茶監督、そして安斎レオプロデューサーが登壇した。

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本作は日本の山奥の村に住むアメリカ人少年のボビーが、友人のあっくん飼い猫のデレクとともに娯楽施設“バイオレンス・ボイジャー”に足を踏み入れることから始まる恐ろしい体験を描いた物語。ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭で審査員特別賞を受賞したことを皮切りに、国内外20を超える映画祭に出品。驚異的な技巧とオリジナリティあふれた映像世界に絶賛の声が相次いでいる。

国内では昨年の京都国際映画祭と今年の沖縄国際映画祭で上映された本作が、東京でお披露目されるのはこの日が初めて。「2年前の沖縄国際映画祭でまもなく完成しますって言ってから2年。きっとこの作品は公開しないんだろうなとずっと思ってましたので、今日という日を迎えられて嬉しいです」と笑顔を見せた田中は「脚本から撮影、編集まで全部監督がひとりでやられているので、こんなに想いの詰まった作品はないんじゃないかと思います。ほかの作品とは違ううれしさがありますね」と万感の思いを語る。

さらに4月の沖縄国際映画祭の際に「劇場の周りに子どもたちがいっぱいいて、『観ないの?』って聞いたら『最初観てたけど怖くて出てきちゃった』って言ってた」というエピソードを明かした田中は「子どもたちにはちょっと怖いシーンがあるかもしれないですけど、その奥には仲間を想う気持ちや家族の絆がある。この映画を観終わった時に強く成長できる気がします」とアピール

それには宇治茶監督も本作がPG12作品(12歳未満の年少者の観覧には、親または保護者の助言・指導が必要)であることに触れながらも「僕は子どもの時にホラー映画を観たトラウマが残ってて、いまになって考えるとそういう体験もよかったなと思うことがあるので、子どもさんたちにも観てもらいたいですね」と本作に込めた強い想いを明かした。

そんななか、今年の7月にハリウッドのビバリーヒルズにある老舗映画館で本作が上映されることが発表。ハリウッド版の予告編が上映されると田中は「雰囲気変わりますね〜」と感激の様子。現地の担当者から「宇治茶監督は日本が生んだ稀有な芸術家。アメリカで発見されるべき逸材」と期待のコメントが届けられると宇治茶監督は「こんなに嬉しいことはありませんね」と満面の笑み。ハリウッドでの上映はすべて英語吹替えされているとのことで、宇治茶監督から「田中さんの出番は…」と言われた田中は「私にとってのハリウッドはすごく遠いところにあります…」とせつなそうなコメントで笑いを誘った。(Movie Walker・取材・文/久保田 和馬)

世界初の全編“ゲキメーション”作品『バイオレンス・ボイジャー』の先行上映が開催!