ゴーン事件の余波が続く日産自動車が経営陣を一新させる。17日に発表したのが、6月下旬の定時株主総会に諮る新たな役員体制だ。


 取締役は現在より3人多い11人に増員。西川広人社長兼CEOは続投し、16日付でCOO(最高執行責任者)に就いた山内康裕氏が新たに取締役に選出。7人を占める社外取締役については、レーサーの井原慶子氏と経済産業省出身の豊田正和氏が留任。日本ミシュランタイヤ会長のベルナール・デルマス氏、JXTGホールディングス相談役の木村康氏、日産常勤監査役(元みずほ信託銀行副社長)の永井素夫氏、ソニー・インタラクティブエンタテインメントLLC元会長のアンドリューハウス氏、アシュリオンジャパンホールディングス合同会社ゼネラル・カウンセル(アジア地域)のジェニファー・ロジャーズ氏の5人を新たに迎えるという。筆頭株主の仏ルノーからジャンドミニク・スナール会長と、ティエリー・ボロレCEOが経営陣に加わる。15日の臨時取締役会で全会一致で決めた。

 西川社長が続投する新体制のもと、ボロボロの日産の立て直しが進むのか。2019年3月期決算は、売上高が前年比3・2%減の11兆5742億円。本業のもうけを示す営業利益は44・6%減の3182億円、純利益は57・3%減の3191億円とメタメタ。2020年3月期の業績予想は、売上高が前年比2・4%減の11兆3000億円、本業のもうけを示す営業利益は27・7%減の2300億円、純利益は46・7%減の1700億円だという。売上高は2年連続、営業利益は4年連続の減少となる見込みだ。

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 14日に会見した西川社長は「ゴーン前会長の事件やルノーの関係で事業に集中できなかった」と釈明し、「相当無理な拡大をしてきた」とカルロス・ゴーン前会長が進めた拡販戦略を批判。世界販売の3割を占める米国で値引き販売に依存した結果、利益率は1・2%まで落ち込んだが、「いまが底。今後2、3年で元の日産の軌道に戻す」とV字回復を宣言した。

「まるで他人事のような西川社長の発言に、日産社内はア然としています。西川は社長は『ゴーン・チルドレン』のひとりで、2005年取締役副社長に就き、2011年には代表取締役2017年4月から社長兼CEOを務めています。ゴーン体制をド真ん中で支えた当事者です。ゴーン事件発覚当初は事態収束後に退任をにおわせていたにもかかわらず、妙にやる気満々な態度に社内の反発が強まっています。西川社長続投の唯一のメリットがあるとしたら、ルノーが強行に進める経営統合の阻止だけという意見が大半です」(自動車業界関係者)

 西川社長はゴーン前会長を追放した『主犯』との見方は消えない。ルノーとの経営統合が現実になれば、今度は西川社長が引きずり降ろされることになるのか。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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