保育園に通わせてよかったことは?

日々のニュースから聞こえてくる、保育園・保育士さんに対する様々なイメージ。昨今、政治の世界や事故にまつわる報道などで焦点が当てられていることと、実際に我が子を保育園に通わせている親として感じていることのギャップが大きくなってきている気がします。

そこで今回は、実際に保育園に子どもを通わせている/いた母親たちに聞き取り調査。そこからは、リアルな保育園の様子や保育士さんの姿が浮かび上がってきました。

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教育面・生活面における「学び」の場所

保育園というと、「働いている親が子どもを預ける場所」とざっくり思っている人が多いかもしれません。筆者も子どもを生む前は、そうでした。

もちろんそこが大前提ではありますが、今、保育園はそれ以上に様々な工夫をこらして、子どもに経験や学びを身につけてくれる場所となっているのです。2018年に「保育所保育指針」が改訂され、保育所が「幼児教育施設」と位置付けられた影響も大きいでしょう。実際にこんな声があります。

「ただ面倒を見るのではなく、お散歩でいろいろな公園や社会科見学(消防署や交番など)に連れて行ってくれたり、リトミックや英語、美術製作などのプログラムをやってくれる」

より教育の色が強い事柄に関しては、保育園によって様々ですが、お散歩は多くの保育園で行われていると思います。子どもの体力を付ける、好奇心を育てる、交通ルールを学ぶなど、多くのものを得ることができるお散歩。話を聞いた母親はみなさん、たくさんの小さな子どもを連れて園外に出る手間を惜しまず、お散歩をしてくれる保育園に感謝していました。

そして、筆者が聞き取り調査をした母親は、みなさん0歳~1歳から子どもを保育園に預けていたため、生活する上で大切なことを教えてもらった感謝も大きいようです。

スプーン・フォーク・おはしの使い方、コップでの水の飲み方、トイトレなど、生活面でも全て保育園で教えてもらっており、全面的に助けてもらっている」

「保育園で規則正しい生活リズムを体になじませてもらった。午前中にお散歩をすることや、午後におやつを食べること、全て心と体の成長に必要なこととして、毎日繰り返す。その中にある少しずつの成長を見守ることが大事なんですと教えてもらいました」

子ども自身だけではなく、親の心も守ってくれる場所

核家族どころかワンオペという状況下で子育てしている親が多く、しかも仕事と両立させるために余裕もなかなかない中で、「我が子をともに育ててくれる」保育園の存在。それは、親の精神的な支えにもなっています。

「初めての子育てで分からないことだらけの中、偏食やイヤイヤ期など、どう対応したらいいか相談すると、的確なアドバイスをくれ、こちらの気持ちに余裕ができた。保育園に通っていない0歳の頃は孤独に悩みすぎてノイローゼ気味だったが、通い始めた1歳からは母親の私が元気になれた」

「離乳食の品目の増やし方やタイミングなども細かく教えてもらい、その通りに与えていたので不安がなくなった。保育士さんと一緒に子育てをしているという感覚は新米ママにとって、とても心強かった」

「子どもに対してはもちろんのこと、働く親にまで気遣いをしてくれて、ありがたかった。子どもが1~2歳の頃、育児で戸惑うことが多かったが、そんな時にいろいろアドバイスしてもらってとても救われたし、元気をもらった」

子どもの心身を安全に見守るというだけでも大変なことなのに、楽しい学びに誘ってくれ、親への気遣いもしてくれる保育士さん。いくつものスキルを駆使するスペシャリストな仕事ぶりは、尊敬の一言に尽きます。

もちろん、こういう保育園ばかりではないのかもしれませんし、いい保育園だからといって甘えすぎるというのも違うでしょう。ただ、保育士さんとは子ども=未来を育てる素晴らしい仕事であるということ。そして、親子ともに安心して楽しく通える保育園がたくさんあるということ。それは、我が子が保育園に通っている「現場の人間」として、声を大にして伝えたいと思います。