21日、ミスタードーナツ店舗の厨房に入り、不適切な行為をする様子を動画配信した男性に対し、運営するダスキンが法的措置を検討していることが判明。さらに、「止められなかった理由」も明らかになり、怒りの声が広がっている。

 問題の動画は、「ひでママ」と呼ばれる50代と思われる動画配信者が、約30年前にアルバイトをしていたというミスタードーナツ門司駅前店を訪れ、厨房に入り込むなどした上、不適切な行為に及んだもの。

 店長とされる男性とは一緒に働いた過去があり、先輩後輩の関係だった様子。顔を見るなり、「ちょっと中に入れて。中入りたくない?」と笑う。女性の止める声が入るが、ひでママは店長に「中入っていい?」と話すと、店長は「どうぞどうぞ」と認めてしまう。

 そして、厨房に入ると施設の説明を始める。さらに、冷蔵庫からクリームなどを取り出して見せた上、「懐かしい・懐かしい」と言いながら闊歩する。また、その途中、ドーナツ用のチョコレートに触れたような場面もあった。

 そんな様子に、飛んできた店長は「どこに配信してるんですか? 配信して大丈夫なんですか?」と止めに入り、「静かに」と諭すが、配信者はそれでも配信を止めず、「懐かしい、懐かしい」と言いながら、事務所などに入り込んだ。

 この様子に、ネットユーザーが激怒。騒動に発展した21日、店舗を運営する株式会社ダスキンは公式サイトで謝罪文を掲載し、「部外者の入室ルールの徹底、従業の再教育と管理体制の強化を行う」と宣言した。そして、同社はひでママに対し法的手段も検討する模様だ。

 なお、門司駅前店は19日に営業を一時中止し、店内を清掃。また、男が触ったチョコは廃棄処分しており、顧客に提供していないという。

 なぜ、このひでママという男が入り込むことができたのか。店長は社内調査に対し、「先輩だったので止められなかった」と話しているという。本来なら断固として断るべきところだけに店長への批判も。一方で、ひでママはかなり威圧的に「ズケズケ」と入りこんできた上、店長が忙しく顧客対応をしていたことから、「責めるのは酷ではないか」という声もあった。

 元バイトの動画配信者による不適切動画。これもYouTuber同様、炎上で注目を集めようという心理によるものだと思われるが、適切でないことは明らかだ。

 動画配信者やYouTuberによる不祥事が相次ぐ昨今。このような動画を投稿した者については、被害者の法的手段はもちろんだが、動画配信サービス運営者もアカウントの永久停止や収益化無効などの措置を取るべきだろう。

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