東中野在住&通勤通学、またはかつて東中野に縁があった人にとって、ソウルフードといえば、駅からすぐの場所にある『大盛軒』の「鉄板飯」。1982年のオープンから30年以上、ずっと愛され続けているローカルフードです。

 そんなスタンダードな「鉄板麺」でもゴハンは丼サイズでボリュームがあるのに、その上をいく「ビッグ鉄板麺」があると聞き、早速調査開始。“大盛”軒の“ビッグ”鉄板麺、いやがおうにも期待が高まります。

 でもその前に、そもそも「鉄板麺」って何? 鉄板で焼いた麺? 丼ゴハンがあるってことは焼きそば定食? よくわからないまま総武線に乗って東中野駅へと向かいます。

メニュー。「鉄板麺」の魅力、オーダー解説、食べ方などが紹介されている
メニュー。「鉄板麺」の魅力、オーダー解説、食べ方などが紹介されている

 駅の階段を降りて約10歩? の場所にある『大盛軒』。店内に入り、メニューを見ると、そこには「鉄板麺」のわかりやすい解説が。「鉄板麺」とは、鉄板焼き+半ラーメンのこと。もし半ラーメンをつけない場合は「○○○鉄板焼きライス」と注文すること。つまり「鉄板麺」と頼んだら、もれなく半ラーメンがついてきます。

 そしてバリエーションもいろいろあり、スタンダードの「鉄板麺」(900円)のほか、ヘルシーバージョンの「野菜鉄板麺」(900円)や牛肉バージョンの「ビーフ鉄板麺」(950円)など全6種。その中で一番ボリュームがあるのが、肉、ライス、麺すべて大盛の「ビッグ鉄板麺」(1,420円)です。

「ビッグ鉄板麺」1,420円。鉄板焼きに半ラーメン、丼ゴハン、生卵、ニンニクチップ、お新香がセット
ビッグ鉄板麺」1,420円。鉄板焼きに半ラーメン、丼ゴハン、生卵、ニンニクチップ、お新香がセット

 待つこと数分。出てきた「ビッグ鉄板麺」は、一見1人前に見えないボリューム。まるでカップルで来たうちの、1人がラーメン、もう1人が炒め物とゴハン頼んだ? みたいな量。丼ゴハンは高さ12cm、重さは506g、ラーメンは743g、鉄板焼き363g(すべて器の重さを除く)。ということで、トータル1,612g。重さを測っている間も鉄板からはジュージュー焼ける音と香ばしい香りが漂います。早く食べなくちゃ焦げる~麺伸びる~。慌てて計測するものの、鉄板が熱いっ!

 ちなみに、メニューには食べ方も紹介されています。1・鍋(鉄板)の中央にくぼみをつける。2・生卵を割りいれる。3・カリカリニンニクタバスコをどばーっとかける。4・素早くかき混ぜる。とのこと。なるほど~。だから別添えの小皿に生卵とニンニクチップがあるんですね。

鉄板の直径は約18cm。はみださんばかりのキャベツと豚肉! オレンジ色に見えるのは秘伝のタレ
鉄板の直径は約18cm。はみださんばかりのキャベツと豚肉! オレンジ色に見えるのは秘伝のタレ

 ちなみに鉄板焼きの味付けは醤油ベースの秘伝のタレ。創業当時から通い続ける常連さんも多く、リピーター率も高いとのこと。一度食べたらクセになるおいしさ、なんですね。

 店長の村上茂さんおすすめの食べ方を聞くと「みんな自分の好きなように食べていますね。卵を入れないって人もいれば、タバスコをいれないって人もいるし。まずはそのままで食べて、その後、卵やニンニクチップタバスコで味の変化を楽しむといいと思いますよ」。なるほど。メニューに書かれている食べ方を一気に行うのではなく、途中の段階も味わって楽しむってことですね。

最初はアツアツ・ハフハフ。ゴハンにワンバウンドしていただきます!
最初はアツアツ・ハフハフ。ゴハンにワンバウンドしていただきます!

 ということで、まずはそのままの鉄板焼きを一口! そして山盛りゴハンを追っかけで一口! 鉄板で熱々なのに、キャベツはシャキシャキ、豚肉とタレの旨味が一気に口の中に広がります。

 何度かそのままで味わい、鉄板焼きの山がやや平らになったところで、メニューに書かれていた食べ方の1番目と2番目、中央にくぼみをつけて生卵投入! まだ鉄板が熱々なので、混ぜるうちに半熟卵となって豚肉とキャベツにからみます。すると、まろやか、かつコクのあるおいしさに進化。

 さらにニンニクチップ投入。すると香りがガーッとたち、食欲をそそる香りにさらにワンランクアップ。カリカリ感もたまらない~! 鉄板焼き⇒ゴハン⇒鉄板焼き⇒ゴハンを進めていくうちにハッと気づく。ラ、ラーメンの麺が伸びるっ!

直径約21cmの器に盛られたラーメン。スープも含め重さ743g(器の重さを除く)
直径約21cmの器に盛られたラーメン。スープも含め重さ743g(器の重さを除く)

 一旦ゴハンと鉄板焼きから離れ、今度はラーメンに。ノリとネギ、シンプルな醤油味のラーメンは、中ぐらいの太さのちぢれ麺。昔懐かしい支那そばのようなおいしさです。まずは麺を先に食べて、後半はラーメンのスープを汁もの代わりにするっ! と決めて、麺をガーッとすすり始めます。その横でジュージュー音を立て続ける鉄板。麺を食べつつも、鉄板炒めの誘惑がスゴイ! さっきいれたばかりのニンニクチップの香りもグイグイきます。

半ラーメンの大盛なので、ほぼ1人前の量。いや、ほぼではなく1人前の量
半ラーメンの大盛なので、ほぼ1人前の量。いや、ほぼではなく1人前の量

 ラーメンの麺をほぼ食べきったところで、再度ゴハンと鉄板炒めに戻ります。今度は食べ方3のタバスコ投入! するとホット&スパイシー感がアップして、さらにゴハンとの相性が良くなりました。すごい。味変によってどんどん進化していく鉄板炒め。ゴハンが丼サイズでよかった。タバスコのきいた味になってからは、さらにゴハンがすすみます。

 後半に加速する食欲&食べるスピード。最初の方が熱くてスピードが出せなかったせい? ほどよく冷めてきた後半の方が、ガンガン食べるスピードがあがります。

店頭にある看板。人気があるのがわかる証拠がこんなところにも
店頭にある看板。人気があるのがわかる証拠がこんなところにも

 ちなみにランチタイムや週末には20人ほどの行列ができることもありますが「回転が速いので、並んでも15~20分程度で入れますよ」と村上さん。おすすめの時間帯は平日の14時~18時だそうです。

 鉄板麺以外のメニューもあり、「棒々鶏麺」(950円)や「カルビ麺」(950円)、「焼肉麺」(900円)などがあります。鉄板麺同様、メインのおかずプラス麺、そしてゴハンの組み合わせです。
 店長の村上さんが、鉄板麺の次におすすめなのが「餃子」(500円)。野菜と肉が半々で包まれた手作り餃子で、「餃子麺」(750円)というメニューもあります。

 地元在住・在勤の人はもちろん、場所柄、芸人さんもよく食べにくるという『大盛軒』。リピーターの中には、子供の頃から食べ続け、大人になった今、自分の子供を連れて食べに来るという人も。東中野で30年以上愛され続けているソウルフードは、パワフルかつクセになるおいしさ間違いなし! でした。

(取材・文◎石澤理香子

●SHOP INFO

大盛軒 外観

店名:大盛軒

住:東京都中野区東中野1-51-1 村上ビル 1F
TEL:03-3371-5743
営:11:00~22:00LO
休:なし(年末年始のみ)

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