愛敬のあるキャラクターと伸びやかな声で歌を届ける、横浜市出身のシンガーソングライター・関取 花(せきとり・はな)。CMへの楽曲提供、地上波バラエティ番組への出演、大型音楽フェスティバルへの出演など、注目を集めていた彼女が、ミニアルバム「逆上がりの向こうがわ」でいよいよメジャーデビュー

5月8日にメジャーデビューし、現在、全国ツアー中。関東公演は7月18日(木)東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて、バンドセットで実施

——メジャーデビューミニアルバム「逆上がりの向こうがわ」のお話の続きを。「太陽の君に」とはまた違って、「僕のフリージア」では関取さんのルーツが垣間みられる曲ですね。

関取 私、70年代頭の洋楽のシンガーソングライターものが一番好きなんですが、そういう、おばあちゃんになっても続けていきたいルーツミュージックですね。サポートメンバーの方たちは、そこが「花ちゃんの本当の姿」「核となるところはここ」とわかってくださっているんです。そうやってインディーズ時代から信頼関係を築けているので、いつでも帰ることができる場所を作れたから、メジャーの世界に飛び込めたのかもしれないですね。

——アルバムラスト曲「嫁に行きます」にもつながりますね。

関取 そうですね。この曲は、今まで応援してくれた方たちに「(メジャーレーベルへ)行って来ます」というつもりで、「今までありがとうございました。じゃあね」ではなく「帰る場所があるから行ける」と伝えたくて、歌詞の最初の2行に思いが詰まっています。これまで応援してくれたことを、「胸を張って、間違いじゃなかった”と言わせるからね!」という思いがあるんです。それを、そのままを表現するのはひとりよがりなので、今の自分と同じ28歳で結婚した母を思い浮かべたり、結婚していく友だちが増えていることなど、いろいろと重ねて書いています。

——アルバム全体で言えることですが、いろんなことが交差して、今しかない感じが出ていますね。「カメラを止めろ!」いう時代を感じさせる曲もあったりして。

関取 「カメラを止めろ!」はライブで盛り上がる曲を作りたいなと思って作ったんですが、これまで自分の中で「時代に寄り添いすぎるのはどうだろう」と思っていたところがあって避けてきたんですよね。「改札」とか「恋」とか、この先もあるものや普遍的なテーマを歌ってきて、「ケータイ」なんかも避けていた。でも、今回はタイトルもそうですし、内容もSNS文化のこと。そうやって避けてきたことをやってみようと思えたのも、メジャーという大義をもらって、それが後押ししてくれたからだと思います。

——さまざまな感情を経てのアルバムタイトルの「逆上がりの向こうがわ」なんですね。

関取 そうですね。横浜の小学校に通っていたころ、鉄棒で逆上がりした時の記憶を思い出しました。逆さまにぐるんと回った瞬間に「太陽が超きれい!」と感じて。今まで見ていた同じ景色が、全く別もののように、すごく綺麗に見えた。見方や気持ちを変えるだけで、ものすごく広がるし、その向こう側を見てみたいなって。あとは、まあ、シビアな世界ですからね、鉄棒から降りないで、しがみついていたいと言いますか、だいたいのインタビューの締めはこうなっちゃうんですけど契約を切られないように頑張ります(笑)

——最後に、神奈川のおすすめスポットなど教えていただけますか。

関取 前回は、野毛やみなとみらいでしたよね……鎌倉にはよく行きます! 初詣も、毎年鎌倉なんです。今年は、母が新年だからと、リサイクルショップ500円で買った新品のムートンブーツを履いてきていて。どれだけネタを被せるんだって感じなんですが(笑)、さらに「建長寺」まで行く徒歩5分のところで、そのムートンブーツソールが剥がれてしまったという。鎌倉を訪れると、いつも笑える出来事が起きます。帰りに、行列ができているカレーの有名店「キャラウェイ」に寄るのも恒例になっています。すごくどろっと濃いルーなんですよ!

関取 花

1990年横浜市出身。2018年6月アルバム「ただの思い出にならないように」を発表し、ホールワンマンを含む全国ツアーが全会場チケット完売。18年4〜7月NHKみんなのうた」に楽曲提供した「親知らず」は、同番組にて19年2〜3月異例の再放送に。5/8メジャーデビューし、現在、全国ツアー中。関東公演は7/18(木)東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて、バンドセットで実施。

【構成・取材・文=古城久美子/撮影=山本佳代子】(横浜ウォーカー・横浜ウォーカー編集部)

new album「逆上がりの向こうがわ」 発売中/(CD+DVD)2,500円(税別)、(CD)1,800円(税別)/UNIVERSAL SIGMA