ハブベアリングの世界シェア第1位、ドライブシャフトの世界シェアは第2位のNTNが、2018年に発表した「sHUB」をアップデートしていた。 TEXT:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro

 2018年5月にNTNは、ハブベアリングにタイヤの転舵角度を調整する機構を組み合わせ、業界で初めて前輪に搭載可能としたステアリング補助機能付ハブベアリング「sHUB」を開発したと発表した。世界シェアNo.1を誇る同社のハブベアリングで培った設計・製造技術に、モータおよびその制御技術を組み合わせたものである。

「sHUB」とは、ハブベアリングにタイヤの転舵角度を補助する機構を組み合わせたステアリング補助機能付ハブベアリングの。左右各輪の転舵角度を最適に補正することで、車両のコーナリング性能や高速直進時の安定性が向上するとともに、スリップなど非常時の車両姿勢の安定や燃費改善に貢献する。

 前回発表時の「sHUB」は左右同方向の制御であったが、今回は新たに、左右独立の制御が追加された。これにより定常旋回時における操作性の向上を実現する。本技術は、神奈川工科大学の山門・狩野研究室と安部名誉教授と共同開発中である。