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このほどアメリカから、亡くなった者とその家族を冒涜するような行為をした不届き者の一報が届いた。がんのため9歳で亡くなった男児の追悼記念碑に放尿したうえ、その様子を撮影してSNSに投稿したという。亡くなった男児の父親の嘆きを『New York Post』『CNN』などが伝えている。

ニュージャージー州に住むマーク・クロップさん(Mark Clopp)には、愛する息子クリスチャン君(Christian)がいた。しかしクリスチャン君は2012年、9歳という若さで脳腫瘍のためこの世を去った。家族はクリスチャン君へ哀悼の意を込めて、子供達がよく遊びに来る同州メイズランディングのアンダーヒル公園の一角に追悼記念碑を建てた。

しかしマークさんは、無慈悲な2人の男によって心が砕ける思いをすることになる。今月19日に友人からスナップチャットに投稿されている動画を見せられたのだが、そこには2人の男が笑いながらクリスチャン君の記念碑に放尿している姿が捉えられていた。

記念碑には当時9歳だったクリスチャン君の顔写真がはめ込まれているが、男達はそんなこともお構いなしで放尿している。たとえ写真であろうと幼い息子が顔に放尿を受けているのを目の当たりにしたマークさんの心境は、他人には計り知れないものがあったことだろう。

しかし元警察官だったマークさんは泣き寝入りすることなく、翌20日にはこの男達の動画を警察に通報するとともに捜査を依頼した。そしてマークさんは、自身のFacebookにこの動画を投稿して情報提供を呼びかけた。後にこの動画はFacebookの規約違反のため削除されてしまったが、警察は通報を受けた同日の遅い時間にエッグ・ハーバー・シティ在住のブライアン・べラス(Bryan Bellace、23)とハモントン在住のダニエル・フリッペン(Daniel Flippen、23)の2人を拘束した。

『New York Post』によると、当時の2人は公園でアルコールを飲んでおり、記念碑に放尿をしたのがブライアン・べラスで笑いながら動画を撮影していたのがダニエル・フリッペンとのことだ。ブライアンは猥褻な行為による公共の秩序を乱したことと迷惑行為による罪で、ダニエルは公園で飲酒をしたことの罪で両者とも逮捕された。

息子の仇を討つことができたマークさんだが、心境は複雑なままでこのように吐露している。

「彼らは明らかに何かが間違っている。彼らは誰かが大事にしている物に対して、まったく無関心で感情の無い生活を送っているのでしょう。しかし最終的に私は、彼らが周りの援助により更生する姿を見てみたいと思っています。」

「彼らは笑いながら『記念碑にやってやったぜ』と冗談めいたことを言っていました。彼らはお酒を飲み過ぎてやってしまったようです。本当のところはわかりませんが、私はそう解釈することにしました。」

「時に人は、世の中の物に対して無関心になることがあります。私達は周りに対して気持ちを汲むとともに、他人が大事にしている物を尊重する必要があるのです。軽はずみに何かしようとする前に一度考えることが大事です。」

酷く傷ついたであろうマークさんだが、逮捕された男達のことを「2人の人生を台無しするつもりはない」と明かし、一方では彼らが問題を起こした場所が子供達の遊び場のすぐ近くだったことが気がかりだったようで「そこは安全な場所でなければならない。そしてこんなことは起こってはならない」と付け加えている。

なお放尿されたクリスチャン君の記念碑はマークさんが動画を発見した当日にすぐ綺麗に清掃したそうだが、この時に親類、友人、また彼の知らない人達までが手伝ってくれたという。

画像は『New York Post 2019年5月20日付「Two charged after video shows man urinating on memorial for boy who died from cancer」(Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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