山東に先制許すも2分間で2ゴールを奪い逆転勝利 E組2位通過、16強で広島と“日本勢対決”

 鹿島アントラーズのFW伊藤翔は、22日にホームで行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ最終節の山東魯能(中国)戦で、途中出場から2ゴール。チームを2-1の逆転勝利とグループステージ突破に導いた。

 すでにグループEの1位通過を決めている山東に対し、鹿島は前半にセットプレーから先制点を与えてしまった。引き分け以上で自力突破ながら、敗れれば他会場の結果次第で敗退となる鹿島は、ボール保持率を上げながらも追いつけないまま後半に突入。1点が欲しいなか、大岩剛監督は後半18分にストライカーの伊藤を投入することを決断した。

 すると、ピッチに登場してから5分後だった。鹿島は左コーナーキックを得るとゴール前に低いボールを供給。ニアサイドでコースを変えたボールはゴール前にこぼれたが、いち早く反応した伊藤が体を回転させながら右足で押し込み、これが貴重な同点ゴールとなった。

 さらに伊藤はその2分後、チームが速攻のシチュエーションを作るとMFレオ・シルバのラストパスを受けると、GKとの1対1の場面で右足アウトサイドテクニカルなシュートを決め、あっという間の2ゴール。一気の逆転劇で2-1とリードを奪い、逆転勝利に導いた。

 伊藤は試合後、「ビハインドで点を取らなければいけない状況だったので、その仕事ができたのは良かったですけど、まだグループステージを突破しただけなので次です」と冷静なコメント。さらに、突破を目前にした第4節と第5節を連敗したことを踏まえて、「ここまで来たのも自分たちが蒔いた種でもあるので、自分たちを戒めて向かっていきたい」という言葉を残している。

 昨季に悲願のアジア制覇を果たし2連覇を狙う鹿島は、2位通過となったことでラウンド16ではF組を1位通過したサンフレッチェ広島との日本勢対決に臨むことになった。伊藤は「今日もそうですし、次も通過点のつもりで戦います」と、あくまでも頂点を見据えていた。(Football ZONE web編集部)

鹿島アントラーズFW伊藤翔【写真:Getty Images】