2019JリーグYBCルヴァンカップのグループステージ最終節が22日に各地で開催された。

▽5/22(水)
グループA】浦和戦の再現ならず…前大会王者湘南がGSで散る…
Shonan BMWスタジアム平塚で行われた3位の湘南ベルマーレ(勝ち点6)と、首位の北海道コンサドーレ札幌(勝ち点8)の一戦は、2-2のドローに終わった。直近のリーグ戦では大誤審を乗り越えて浦和レッズ相手に劇的逆転勝利を掴んだ昨季ルヴァンカップ王者の湘南だが、立ち上がりからボールを握られる展開に。それでも、20分には秋野が強烈なシュートでGK菅野の好守を強いるなど反撃に転じる。その後は一進一退の攻防となったが、前半終了間際の39分には相手陣内でドリブルを仕掛けたルーカスフェルナンデスがボックス付近で巧みなステップワークでDFを振り切ってGKと一対一となり、左足のシュートを流し込んで先制に成功した。

迎えた後半、互いに2枚ずつ交代カードを切った中、48分に札幌に追加点。ボックス中央でパスを受けた金子がスムースなフィニッシュワークで冷静にゴールに流し込む。これで厳しくなった湘南は54分にPKを獲得。しかし、キッカーの杉岡が大きくふかしてしまい痛恨の失敗。それでも、諦めないホームチームは71分に菊地のゴールで反撃の狼煙を上げると、猛攻を仕掛けた後半アディショナルタイムに野田のゴールで追いつく。だが、浦和戦のような劇的3点目を奪う時間は残されておらず、2-2のままタイムアップ。この結果、札幌の首位通過及び前大会王者である湘南の最下位での敗退が決定した。

また、トランスコスモススタジアム長崎で行われた最下位のV・ファーレン長崎(勝ち点5)と、同率首位の横浜F・マリノス(勝ち点8)の一戦は、ホームの長崎が3-1で勝利した。この結果、両チームは勝ち点8で並ぶも当該成績で上回る長崎の2位通過が決定した。前半7分に吉岡のゴールで先手を奪った長崎は前半を1点リードで終えると、後半の60分には長谷川が追加点。その後、天野の見事な直接FKで横浜FMが点差を詰めると、試合最終盤には劇的過ぎるドラマが待っていた。90分、横浜FMのセットプレーの流れからイッペイ・シノヅカがボックス内で倒されてPKを獲得。これを決めれば、横浜FMの突破が決定するPKとなったが、キッカーの李が放ったシュートはGK富澤が見事なセーブで阻む。すると、93分には空中戦の小競り合いから素早くリスタートを見せた中、大本が決定的な3点目を奪い、長崎がJ2勢として唯一の突破を決めた。

湘南ベルマーレ 2-2 北海道コンサドーレ札幌
V・ファーレン長崎 3-1 横浜F・マリノス



グループBリーグ首位FC東京が鳥栖撃破で2位通過
駅前不動産スタジアムで行われた3位のサガン鳥栖(勝ち点5)と、2位のFC東京(勝ち点7)の一戦は、アウェイのFC東京が1-0で勝利した。2位通過を懸けたリーグ下位の鳥栖と、無敗で首位に立つFC東京による試合は予想に反してホームチームが攻勢に出る。立ち上がりに安在の直接FKで相手ゴールに迫ると、直後にもゴール前の混戦から安庸佑に続けてシュートチャンスも枠に飛ばせない。すると、相手の球際の勝負に苦戦を強いられてなかなかチャンスを作れなかったFC東京だが、前半終了間際にワンチャンスを生かす。45分、右サイド高い位置で相手のミスパスを拾った中村のミドルシュートをGK高丘が前にこぼすと、これに詰めたユ・インスが押し込んだ。

アウェイのFC東京の1点リードで折り返した試合は、後半も拮抗した展開に。なかなかチャンスを作れない鳥栖はイサッククエンカや金崎ら攻撃的なカードを切っていく。その後、75分過ぎにはセットプレーのポジション争いでチャン・ヒョンスから意図的な裏拳のような形で顔面を殴打された原川が口から流血し、激昂する原川とチャン・ヒョンスを中心に試合は荒れ模様の展開に。だが、試合巧者のFC東京はこのまま1-0のスコアで試合をクローズ。2位通過を懸けた直接対決を見事に制した。

また、三協フロンテア柏スタジアムで行われた最下位の柏レイソル(勝ち点4)と、首位のベガルタ仙台(勝ち点11)の一戦は、1-1のドローに終わった。すでに敗退が決まった柏と、首位通過が決定している仙台の試合は前半の26分に瀬川のゴールで柏が先制。しかし、グループステージ無敗を目指す仙台は79分に田中渉のゴールで追いつき試合は1-1のドローで終了した。

サガン鳥栖 0-1 FC東京
柏レイソル 1-1 ベガルタ仙台

グループC】ソウザ圧巻2発でC大阪が首位通過! 名古屋が逆転で2位に
ヤンマースタジアム長居で行われた首位のセレッソ大阪(勝ち点8)と、2位の大分トリニータ(勝ち点7)の一戦は、ホームのC大阪が2-0で勝利した。グループステージ突破を懸けた首位と2位のチーム同士の対戦は早い時間帯にスコアが動く。6分、ボックス手前中央で得たFKをソウザが強烈なシュートでねじ込んでホームチームが先制に成功した。その後はややクローズな展開の中、26分には相手最終ライン裏に抜け出した田中に絶好機もGKとの一対一を決め切れず、試合はC大阪の1点リードで後半へと折り返す。

迎えた後半もC大阪ペースが進むも高木や柿谷らが個人技で得た決定機を決め切れず。それでも、71分にはソウザが再び試合を動かす。相手陣内ハーフウェイライン付近の右サイドでボールを受けたソウザがGKのポジションを見極めて意表を突くロングシュートを放つと、これがゴール右上隅を射抜いた。その後、持ち味の堅守で大分の反撃を無失点で凌いだC大阪がグループ首位通過を決めた。

また、ノエビアスタジアム神戸で行われた最下位のヴィッセル神戸(勝ち点5)と、3位の名古屋グランパス(勝ち点6)の一戦は、アウェイの名古屋が3-1で勝利した。この試合の勝利で自力での突破が決まる名古屋は前半序盤にエースのジョーが負傷交代するアクシデントに見舞われ、再三の決定機を作りながらもゴールレスで試合を折り返す。後半立ち上がりにはセットプレーの二次攻撃から赤崎のゴールで先制に成功も、その直後にウェリントンにゴールを決められてしまう。それでも、ジョーに代わって投入されていたガブリエルシャビエルの正確なプレースキックを起点に71分には長谷川、81分には再び赤崎がゴールを奪い、一気に神戸を突き放した。そして、敵地で快勝の名古屋がグループ2位通過を決定。一方、敗れた神戸は泥沼の公式戦9連敗となった。

セレッソ大阪 2-0 大分トリニータ
ヴィッセル神戸 1-3 名古屋グランパス

【グループD】清水が今季静岡ダービー3連勝! G大阪が首位通過
サンプロ アルウィンで行われた最下位の松本山雅FC(勝ち点4)と、首位のガンバ大阪(勝ち点10)の一戦は、0-0のドローに終わった。すでに敗退が決定している松本に対して、勝てば自力で首位通過を決められるG大阪だったが、立ち上がりに永井のヘディングシュートで決定機を許すなど、やや押し込まれる入りに。それでも、集中した守備で無失点を続けるG大阪は後半に入って食野の個人技で幾度か相手ゴールを脅かすも、こちらも決め手を欠きゴールレスドローに終わった。

また、ヤマハスタジアムで行われたジュビロ磐田(勝ち点9)と3位の清水エスパルス(勝ち点5)の一戦は、アウェイの清水が2-0で勝利した。前節、グループステージ突破を決めている磐田だが、今季2度の静岡ダービーで敗れていることもあり、負けられない一戦となった。しかし、0-0で折り返した後半の62分に髙橋大悟のゴールで先制を許すと、77分にはオウンゴールで2点目を献上。その後、反撃を試みたもののホームで0-2の敗戦となり、屈辱のダービー3連敗に。この結果、グループDはG大阪が首位通過、磐田が2位通過となった。
松本山雅FC 0-0 ガンバ大阪
ジュビロ磐田 0-2 清水エスパルス