米国と中国の貿易戦争が世界的な注目を集めるなか、米トランプ大統領は中国からの輸入品に対する関税引き上げを打ち出し、中国も徹底抗戦の構えを見せている。中国メディアの今日頭条はこのほど、米国が関税を引き上げるとした中国製品には「レアアースは含まれていない」と伝えつつ、それだけレアアースが重要な戦略資源であることを示していると強調する記事を掲載した。

 中国国内では「中東に石油があるならば、中国にはレアアースがある」という言葉が広く知られており、これは中国が「レアアースは石油と同等の価値」と認識していることを示しているが、記事は「レアアースは軍事を含め、ハイテク製品にとって必要不可欠な資源」であると指摘し、「石油が工業の血液ならば、レアアースは工業のビタミンに相当する」と主張した。

 続けて、世界のレアアース埋蔵量は約1億4000万トンと推定されており、うち39%が中国に存在すると指摘し、中国はこれまで世界のレアアース生産と輸出を担う存在であったと主張。一方、米国政府の報告書では「もし中国がレアアースを禁輸すれば、中国国内における自動車やスマートフォン、コンピューター、航空機などの生産は大きな打撃を受け、米国の軍備生産も混乱する恐れがある」と分析していたことを伝え、それだけレアアースは重要な資源なのだと強調した。

 さらに、中国のレアアース産業にとって米国こそが主要な市場であり、米国にとっても中国産レアアースは重要な資源だとし、それは米国が関税を引き上げるとしている中国製品のリストにレアアースが含まれていないことからも明らかであると主張。レアアースは短期的に見れば代替品のない資源であり、もし、米国が中国産レアアースに対する関税を引き上げれば、「痛い目を見るのは米国」という指摘もあることを伝えた。

 また記事は、中国は世界のレアアース市場で大きな発言権を持っていると強調、中国のレアアース政策が世界に与える影響も非常に大きいと伝えつつ、米中の貿易戦争においてレアアースが切り札になる可能性について言及した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

加熱する米中貿易戦争、中国の切り札はやっぱりレアアース? =中国メディア