特定非営利活動法人東京学芸大こども未来研究所(所在地:東京都小金井市、理事長:鉄矢悦朗※)と株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ(本社:東京都港区、代表取締役:長谷川仁、以下SCP)は、2018年6月15日より、SCPマスターライセンスを持つ「きかんしゃトーマス」の教育的効果を検討するための共同研究プロジェクトを推進してきました。以下、この研究から見えてきた「きかんしゃトーマス」が持つ子どもの非認知的能力の育ちへの影響可能性について紹介していきます。

※「鉄矢悦朗」の「鉄」は正しくは金(かねへん)に矢表記となります。

「きかんしゃトーマス」

きかんしゃトーマス

0.世界が着目している「きかんしゃトーマス」の教育的効果!

イギリスの国立自閉症協会(The National Autistic Society)は、「きかんしゃトーマス」が社会性および情緒的な発達に貢献したという自閉症児の保護者の声をもとに、2001年(参加保護者81名)、2007年(参加保護者748名)に調査を実施、またオーストラリア自閉症スペクトラム(ASPECT)もこれに続き、2009年に調査を実施しました。これらの調査報告では、自閉症児が「きかんしゃトーマス」を好みやすいことに着目し、なぜ自閉症児は「きかんしゃトーマス」を好む傾向があるのか、そして「きかんしゃトーマス」の持つ特徴および教育的効果が整理して示されました。

アニメーションは、その多くが悪い方向に物語が進み解決する、というシンプルな構造を持っていること、背景や音楽が落ち着いておりお話のメッセージに集中しやすくなっていること等が特徴として挙げられており、キャラクターについては、はっきりとした色合いのボディや、精密な見た目、分かりやすい表情等が特徴として指摘されています。そして、スケジュール通りに運行し、決まったレールを走るという<列車>としての存在が最も大きな特徴であることも言及されています。

このような特徴を持つ「きかんしゃトーマス」は、自閉症児にとってのセキュリティ・ブランケット*となることや、友達としての機能を果たす他、正しさの価値観、数、言葉、色、表情、感情の理解を助け、社会性の発達、他者の行動を理解したり推測したりする心の理論の土台構築への貢献が期待されています。また、「きかんしゃトーマス」から得た経験を子育てに活用していくことの有用性も示唆されています。

(文責=小田)

* security blanketは移行対象とも呼ばれており、母親の代理として機能することで乳幼児の不安やストレスを軽減し、落ち着かせるものを指します。

1.非認知能力は生涯にわたって学びを支える力となる!

先に挙げたイギリスおよびオーストラリアでの調査報告のうち、数、言葉、色の理解は認知能力と呼ばれるもので、非認知能力は「『認知能力』ではない能力」を指しています。例えば、物事に集中して取り組むことや、難題に立ち向かうこと、主体性、自己肯定感を持つこと等が非認知能力と呼ばれ、これらは、従来「性格」や「個性」として捉えられていたものをイメージすると理解しやすくなるかもしれません。

この非認知能力に世界的注目が集まった1つのきっかけは、2000年にノーベル経済学賞を受賞したJ. ヘックマン(1944年~)が示した、非認知能力と将来のライフスタイルとの関係に関する報告でした。ヘックマンが実施した研究は、乳幼児期での非認知能力向上に関する介入が、将来の給料や家の所有率の上昇、犯罪率の低下、また生活の満足感へポジティブな影響を与えることを示しています。

いま非認知能力が注目されている大きな理由は、非認知能力の育ちが認知能力の育ちへと良い影響を与える、ということでしょう。新しい単語を覚え、計算式を覚え、学習が高度化する中で、その学びを支えているのは最後まであきらめない等の非認知能力です。非認知能力が認知能力を支える一方、その逆は言えない、という研究結果も出ており、幼児期に非認知能力への投資を行うことの重要性も指摘されています。

幼児期の子どもたちに人気の「きかんしゃトーマス」は非認知能力の育ちへどのような影響をもたらす可能性があるのか、それを検証することが本研究の目的です。

(小田)

2.社会を理解し、関わっていくための豊富な内容性を持っているからこそ

  トーマスのアニメ視聴は非認知能力向上への期待ができる!

今回の研究では、現在、多くの子どもたちが触れていると思われるCG版のアニメーション計204話(第13シリーズ~第21シリーズ)を対象に、各お話の中で描かれている主題をナレーションやキャラクターのセリフ等から抽出し、分析しました。

主題を分析した結果「きかんしゃトーマス」は、お話の中心を担うキャラクターが自分自身や他者、場、役割について理解を深めていくようなお話と(私・他者・場の【理解】)、他者や場(役割を含む)へ自身がどのように関わっていくか(他者・場への私の【関わり方】)というお話の2つの大分類に加え、それぞれに4つの小分類があると整理されました。(図1)

抽出された主題は非認知能力に関するものも多くみられる他、例えば「それぞれの役割を理解し、尊重する」(他者理解)、「役に立つことと役割を果たすことの違い」(役割理解)、「友達に指摘することは友達を傷つけることではない」(他者への向き合い方)、「困難な状況であっても仕事を達成することの大切さ」(役割との向き合い方)等、社会と関わり合って生きていくための豊富な内容性を持っており、またそれらがイギリスに端を発していることから、西洋的な価値観を有する点も特徴として挙げられます。

各お話へ視点を向けると、お話の中で取り上げられる主題は、その回で中心を担うキャラクターの特性と密接に関係していることに気づきます。「パーシーパーシー」(第14シリーズ)というお話の中では、ゴードンのようになりたいと思うあまり「いつも通りの自分で良いということ」を前向きに捉えられなかったパーシーでしたが、トップハム・ハット卿からの言葉で自分の良さを再認識でき、自分らしくありたいと思え(したい)、そうあるべきだと感じ(ニーズ)、自分を保つこと(スキル)ができるよう変容していく姿が描かれています。このようにゴードントップハム・ハット卿との関わりによって自身の在り方を考え直すパーシーの姿からは、単に周囲に溶け込み、同化していくという個の在り方ではなく、自分らしさをもった存在として社会に参加し、関わり合っていくことの大切さも示唆されています。(図2)

今回の分析を通して「きかんしゃトーマス」のアニメーションは、非認知能力に関する主題が多く描かれていること、また社会を理解し関わっていくための豊富な内容性を含んでおり、社会に参加していくうえでの“私”の在り方が精巧に描かれていると整理されました。ゆえに、「きかんしゃトーマス」のアニメーションを好んで視聴する子どもたちは非認知能力の自然な発達が期待できると考えられます。

(小田)

3.「きかんしゃトーマス」に夢中になって関わる子どもは

  認知能力と非認知能力のバランスの取れた土台形成が期待できる!

2019年1月28日から2月15日の間に、「きかんしゃトーマス」に興味のある子どもの保護者を対象に、インターネットを利用した(Google form)質問紙調査を行いました。202名からの回答があり、回答者の平均年齢は37.2歳(保護者の年齢)となりました。質問の内容は、子どもの非認知能力に関すること、保護者の養育態度に関すること、「きかんしゃトーマス」のアニメやおもちゃに関すること、が主な内容です。回答者が回答対象とした子どもの平均年齢は、4歳1ヶ月でした。

質問紙 1位 トーマス

質問紙 2位 パーシー

質問紙 3位 ゴードン

質問紙 4位 ヒロ

質問紙 5位 ジェームス

回答者の子どもが特に好きな「きかんしゃトーマス」のキャラクターとして、1位トーマス、2位パーシー、3位ゴードン、4位ヒロ、5位ジェームス、が挙げられました。好きになるキャラクターと子どもの非認知能力の程度には特に関係はなく、「このキャラクターを好きになる子どもが特に非認知能力が高い」ということは、言えないことが明らかになりました。また、キャラクターとして「トーマス」が特に好きでも、そうでなくても、「きかんしゃトーマス」自体への関心の差はなく、同じように「きかんしゃトーマス」のアニメやおもちゃが好きな子どもたちが多いことがわかりました。

子どもの非認知能力として、遊びに集中して取り組んだり、遊びや生活の中で自発的な姿がみられる程度が高い結果となりました。また、友達と一緒に協力したり、友達の気持ちに共感できる子どもは、友達と折り合いをつけることができる力も高い傾向が見られました。友達と折り合いをつけることが出来る子どもは、必要な時には我慢をする力が高いことも分かりました。

保護者の養育態度の影響を調べた結果、子どもを中心に考えて一緒に過ごそうとする度合いが高いと、子どもの非認知能力も高くなる傾向が示されました。また、子どものしつけに関してルーズにならず一貫性があると、子どもの認知能力は高くなる傾向がありました。

きかんしゃトーマス」の子どもたちへの影響として、認知能力とされる文字や言葉の理解、数字の理解、音楽や色への興味などが、保護者から挙げられました。また、非認知能力の中でも特に、社会のルールへの理解や人の役に立つこと、思いやりや協力などの概念が挙げられたことは、「きかんしゃトーマス」の世界観の影響を受けていることの特徴であると考えられます。

(森尻)

*質問紙作成にあたっては、以下の論文を参照しています。

鈴木眞雄・松田惺・永田忠夫・植村勝彦(1985)「子どものパーソナリティ発達に影響を及ぼす養育態度・家族環境・社会的ストレスに関する測定尺度構成」『愛知教育大学研究報告(教育科学編)』第34号 pp.139-152.

西坂小百合・岩立京子・松井智子(2017)「幼児の非認知能力と認知能力、家庭でのかかわりの関係」『共立女子大学家政学部紀要』第63号 pp.135-142.

4.プラレールおよび木製レールは、子どもたちに多様な遊び体験を提供し、

  キャラクターの存在が子どもの非認知能力を引き出し、高めていく可能性が示唆された!

2018年9月~2019年2月の間、計9回にわたって、3歳~5歳の子どもを持つ一般親子計20組を対象としたアニメ鑑賞教室(於:東京学芸大学)を実施しました。会場内にはプラレールトーマスシリーズ(以下 プラレール)、木製レールシリーズ(以下 木製レール)、「きかんしゃトーマス」の図鑑を用意し、各回は、子どもが会場内で自由に遊ぶ時間を約20分、「きかんしゃトーマス」のアニメーション視聴を約20分、再び自由に遊ぶ時間を約20分という計1時間ほどの活動を行いました。そのうち、以下、プラレールおよび木製レールでの遊びに関する分析結果を紹介します *1。

Kくん(3歳)

子どもたちの遊び事例を整理することで、今回は「感覚遊び」「受容遊び」「構成遊び」「ごっこ遊び」「ルール遊び」と、大きく5つの分類を行いました *2。プラレールや木製レールを通した感覚遊びは、3歳児に多く見られ、4、5歳児ではあまり見られず、一方、ごっこ遊びやルール遊びは3歳児には見られず、4、5歳児に見られました。また、3歳~5歳のほぼ全ての子どもたちに共通して見られた遊びは構成遊びでした。このことからプラレールや木製レールは、発達に応じた幅広い遊びを許容する玩具であるとともに、レールや駅、トンネル等を組み合わせることで独自のイメージを実体化したり、再現する楽しさを多くの子どもたちに提供している、と考えられます。

さらに、子どもたちの遊びをプラレールと木製レールに分けてみていくと、プラレールでは受容遊び、木製レールではごっこ遊びが誘発されやすいことも示唆されました。同じレール玩具だとしてもこの2つの方向に分かれていく1つの要因として、今回は“電池”のもたらす遊びの中での意味に着目しました。

ごっこ遊びとは、何かモノを特定の何かに見立てたり、自分自身が普段とは違う何かに変身することを楽しむ遊びであり、また、参加する1人1人が自由にルールを決めることができるため、他者との関わりの中で成立する遊びともいえます。関わりの中で展開されるごっこ遊びは、自分の意思が遊びに反映されることだけでなく、他者からの意見も取り入れることで、みんなでその世界を支え、創造しあうことが楽しいのですが、電池の力で自動で動くキャラクターは、一緒に遊ぶ子どもの要求に関係なくレールの上を走り続けるため、世界を一緒に支えあうという関係性が成立しません。それゆえ、木製レールで遊ぶ子どもたちは自然にごっこ遊びへと展開していくのですが、プラレールで遊ぶ子どもたちのうちごっこ遊びをし始める子は、電池を切り、手でキャラクターを押しながら遊ぶ様子が見られました。

Tちゃん(5歳)とお母さん

上述のように、ごっこ遊びには馴染みにくい電池の存在ですが、自動でキャラクターが走るからこそ楽しめる遊びとして受容遊びが挙げられます。自分で組み立てたレールの上をキャラクターが走り抜けていく興奮、カーブを曲がるときに脱線しないかどうか見守るどきどき、遠くから自分に向かってキャラクターが近づいてくるわくわくなど、子どもたちはキャラクターが自動で走るという特性を活用し、受容遊びの多様さを味わっていました。プラレールは、電池のオン・オフによってその機能の切り替えができるため、遊びの選択肢の幅が与えられていると言うこともできますが、今回のアニメ鑑賞教室の中では多くの子どもたちが受容遊びを楽しんでおり、これは、電池の存在が受容遊びへの求心力を生み、それが遊び方へ直接影響していると推測されます。

プラレールおよび木製レールでの遊びについて、電池の有無を1つの視点として考察しましたが、その両者に共通し、遊びの根底を支えるものとして、アニメーションでの体験を実践する場としての機能が挙げられます。子どもたちはキャラクターの背景を活用しながら独自のごっこ遊びを展開し、ゴードンのあとをスペンサーが追いかけていくのを見守るなどの受容遊びを行うとき、キャラクターとの世界に溶け込み、「助けてあげなきゃ!」「こうしたらスペンサーは速く走るよ」など、他者の尊重、協力すること、責任感、集中力等の非認知能力の自然な活用をしていきます。キャラクターの存在は子どもたちを遊びの世界へと誘う要因となるとともに、多様な非認知能力を引き出すきっかけとして機能していると考えられます。

以上のことから、本研究では、プラレールおよび木製レールが多様な遊び体験をもたらすことができること、子どもたちはその特徴の違いを活用した遊び体験を行っていること、そして、キャラクターと関わり合い、一緒に遊ぶ体験の中で非認知能力が引き出され、高められていく可能性があることが示唆されました。

(小田)

Hくん(3歳)とお母さん

*1. 図鑑については十分な事例の抽出ができなかったため、分析を行いませんでした。また、本研究は断定的な結論を提示するものではなく、いくつかの事例を踏まえた中で見えてきた示唆を示すものです。

*2. あそびの分類はC. ビューラー、J. ピアジェ等を参考し、本研究では5つの分類としました。なお、1つの遊びは複数のカテゴリーが相互に影響しあっていることが多いため、カテゴリーはあくまでも遊びの主軸を想定するものとしました。各カテゴリーの内容例は以下の通りです。「感覚遊び」…手で触った時の感覚や機関車を落とした時の音の面白さ/「受容遊び」…走っている機関車を眺めていることの面白さ/「構成遊び」…レールやトンネル、駅等を組み合わせることの面白さ/「ごっこ遊び」…モノをなにか別のものに見立てたり、登場人物になりきることの面白さ/「ルール遊び」…機関車を同時に走らせ競わせる面白さ

【研究メンバーの紹介】

正木賢一/東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系准教授

[専門] グラフィックデザイン、情報デザイン、メディア表現教育

トーマスのアニメーションを食い入るように鑑賞し、プラレールのごっこ遊びに没頭する子どもたちの姿に遭遇して、本研究の意義をあらためて実感しているところです。子どもは日常生活とファンタジーの世界とを行き来しながら想像的体験を積み重ねて周囲との関係を築いていきます。そのプロセスや環境に着眼し考察することで、子どもの中に芽生えた小さな社会性がトーマスの世界を通じて大きく育まれる、そんな可能性を明らかにしたいと考えています。

南浦涼介/東京学芸大学 人文社会科学系准教授

[専門] 日本語教育、社会科教育、教師教育、市民性教育

きかんしゃトーマス」は僕の2歳の息子も大好き。彼は物語から色々なことを学んでいます。一緒に見ている中で気づくのは、「トーマス」たちをめぐる物語の中に込められた登場人(?)物の関係性とテーマ性。日本のアニメとは一味違う「社会と人と役割」の哲学を学ぶしくみが、たくさんあることに気づかされます。

森尻有貴/東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系講師

[専門] 音楽教育学、音楽心理学

イギリスに住んでいた頃、地下鉄やカフェで子どもたちがトーマスのおもちゃで遊んでいる姿をよく目にしていました。トーマスの世界は、社会の中で1人の人として生きていく上で大切にすべきことが描かれていると思います。大人になってからも必要な社会性の関係性を、より現実的なものとして捉えることが出来るのではないでしょうか。

小田直弥/東京学芸大こども未来研究所 専門研究員

[専門] 音楽教育学

トーマスを通した子育てを経験されている方は、トーマスへの興味が乗り物への関心だけでなく、社会への関心へと拡がっていく子どもの姿に覚えがあるのではないでしょうか。今回のプロジェクトではトーマスの持つ教育的効果を検証しましたが、これは、トーマスには子育てのヒントが詰まっていることも同時に示してくれました。「トーマス流でいこう!」トーマスを通した子育ては先輩が繋いでくれた1つの子育てスタイルなのかもしれません。

我妻優美(東京学芸大こども未来研究所/専門研究員)も知見提供を行いました。

【研究協力学生※研究実施時の所属】

田中嵐

東京学芸大学大学院教育学研究科保健体育専攻体育科教育コース1年

長澤佳奈子

東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻音楽科教育コース1年

高野雄生

東京学芸大学教育学部中等教育教員養成課程美術専攻4年

ソニー・クリエイティブプロダクツからのコメント】

2018年6月に、今回の共同研究プロジェクトを発足して以来、研究結果を非常に楽しみに待っていました。長年トーマスのビジネスを手掛けてきた立場としては、トーマスの映像視聴やトイで遊ぶことが、こどもたちの成長によい影響を与える可能性があると実証されたことは嬉しい限りです。特に、今後ますます注目される非認知能力の向上が期待できることは、未就学児童の親世代へのポジティブなメッセージとして積極的に発信していく予定です。

【実施した調査一覧】

※調査一覧に付した番号は本報告書の番号に倣っています。

0.1.先行研究調査

きかんしゃトーマス」を扱った先行研究として、主に参考したものは以下の3件である。

・“Do children with autism spectrum disorders have a special relationship with Thomas the Tank Engine and, if so, why?”(2002, The National Autistic Society)

・“Using The Transporters DVD as a Learning Tool for Children with Autism Spectrum Disorders(ASD)”(2012, Robyn L. Young usw., J Autism Dev Disord 42:984-991, Original)

・“Thomas and Friends: Implications for the Design of Social Robots and their Role as Social Story Telling Agents for Children with Autism”(2015, Hifza Javed, Olcay Bilge Connor and John-John Cabibihan, Conference Paper of IEEE)

非認知能力の研究動向について、主に参考したものは以下の2件である。

・「幼児期の非認知的な能力の発達をとらえる研究―感性・表現の視点から―」(2016国立大学法人お茶の水女子大学文部科学省著作権保有)

・『社会情動的スキル-学びに向かう力』(2018, 経済協力開発機構編著)

2.「きかんしゃトーマス」のアニメーション分析

現代の子どもたちの多くが触れていると思われるCG版のトーマス(第13シリーズ~第21シリーズ)を分析対象とし、計204話の分析を行った。

3.インターネットを利用した(Google form)質問紙調査

きかんしゃトーマス」に関心のある子どもを持つ保護者を対象として、インターネットを利用した質問紙調査を行った。回答期間は2019年1月28日2月15日、回答数は202であった。

4.未就学児を対象としたアニメ鑑賞教室における非参与観察調査

きかんしゃトーマス」のアニメ鑑賞およびレールあそびのできる環境を設定し、3~5歳の子どもを持つ親子計20組を対象に実施した。期間は2018年9月~11月(計5回)、2018年12月~2019年2月(計4回)の2つに分け、公募は弊所Facebook等オンライン媒体を活用した。

【その他の調査】

アニメ鑑賞教室協力家族への追加インタビュー:上記4の参加協力家族に任意での追加インタビューを依頼し、2018年12月~2019年2月の間に計9組に追加インタビューを実施した。

トーマスランドでの観察調査:2018年8月にトーマスランド(山梨県)内全体の観察調査を実施した。

【特定非営利活動東京学芸大こども未来研究所について】

日本における教員養成の基幹大学である東京学芸大学が持つ「知」を、社会に発信していくことを目的として設立。子どもを取り巻く「ひと(人材育成)」「モノ・コト(開発・調査)」、「コミュニケーション(伝達支援)」を軸に事業を展開。東京学芸大学内に実践研究の場として「こどモードハウス」をつくり、遊び、玩具、地域教育に関する研究開発、調査を行っている。

公式サイト: http://codomode.org/

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株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツについて】

キャラクターを中心とした国内外の著作物・商標などの知的財産を開発・使用し、さまざまなマーチャンダイジングやサービス分野へのトータルマーケティングを行うプロパティビジネスを展開しています。

マーチャンダイジングの分野では、ビデオ・書籍・衣料・玩具・雑貨等、サービス分野では、放上映・イベント・アミューズメント・情報通信・セールスプロモーション・流通等でのプロパティ総合的展開をはかっています。

公式サイト: http://www.scp.co.jp/

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【「きかんしゃトーマス」について】

きかんしゃトーマスは2020年に原作出版75周年を迎える、未就学児に大人気のクラシックキャラクターです。イギリスの牧師、ウィルバート・オードリーが描いた「汽車のえほん」シリーズに登場すると「きかんしゃトーマス」は人気キャラクターになり、その後、イギリスの映像プロデューサー、ブリット・オールクロフトにより1984年に映像化されました。現在世界で55の言語で160以上のエリアで放送されています。日本でも、絵本出版から45年以上、テレビ放送から30年近くの歴史があり、現在はNHK Eテレで毎週日曜日に放送されています。

きかんしゃトーマス」公式サイト: http://www.thomasandfriends.jp/

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