イギリスのロックバンド、Oasisを脱退後、Noel Gallagher’s High Flying Birdsとして活動しているノエルギャラガーが、約4年ぶりとなる日本でのツアーを実施。初日となる15日には幕張メッセでパフォーマンスした。

 何の因果か、直前の12日にはノエルの愛するクラブであるマンチェスター・Cプレミアリーグ連覇を決めた。優勝を決めたスタジアムにもノエルの姿はあり、その後すぐ、日本にやってきたというわけだ。

ノエルギャラガーマンチェスター・C」の図式は、日本でもすっかりおなじみ。ここ数年、日本でパフォーマンスする際、筆者も毎回会場に行っているが、回を追うごとに“水色率”が増加している印象だ。

 この日も会場にはヴァンサン・コンパニセルヒオ・アグエロなど、現在の中心選手のネーム入りや、2000年代初期のユニフォームを着るファンや、水色のジャージやタオルマフラーを巻くファン。オフィシャルグッズも水色メインだから、それもそのはず。日本のマンチェスター・Cファンが一堂に会する、一番の場所なのではないかなと思ってしまうほど。

 開演となる19時30分、『Fort Knox』でライブがスタートすると、『Holy Mountain』をはじめとしたダンサブルなナンバーで会場を盛り上げていく。ステージ上には、いつも通りマンチェスター・Cフラッグが飾られている。

 配信が始まったばかりの新曲『Black Star Dancing』を披露しつつ、『The Importance Of Being Idle』や『Little By Little』といったOasisの楽曲もプレイ。

 ノエルプレミアリーグ優勝直後のロッカールームで選手・スタッフとともにOasisの名曲『Wonderwall』を大合唱した様子がSNS上で拡散。喜びの直後だけあって、この日もプレイするのでは?と思っていたオーディエンスの期待に応えるかのように、印象的なイントロが響くと、大歓声に会場が包まれる。

 喜びの気持ちを込めて歌い上げると、客席からは「カンピオーネ!カンピオーネ!」と祝福の声が挙がり、ノエルも笑顔とともに手を振って応えた。

 アンコール開始時にはMCで「マンチェスター・シティのサポーターのみんなに捧げる」と言って、『AKA… What A Life!』へ。まさに「なんという人生なんだ!」というフレーズにふさわしい、フットボールライフへの賛歌とした。

 東名阪ツアーを3日間で駆け抜けたノエル。「また、そのうち会おう」を残して会場を後にしたが、次回はさらに水色の波が観客席に広がっているかもしれない。

取材・文=小松春生

幕張でのライブフォト [写真]=Mitch Ikeda