【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.20】 エアコンを本格的に使用する時期を控え、「エアコンクリーニング」を依頼する顧客も増えている。今回は、顧客視点に立った各家電量販が提供しているエアコンクリーニングについて考えてみたい。

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 一般的にエアコンクリーニングは、(1)冷房効果の改善、(2)消臭効果、(3)省エネ効果、という三つが期待できるため、年数の経ったエアコンを使用している顧客や、ペットを飼ってる顧客、小さな子どもがいる顧客に“オススメ”のサービスである。

 また、サービス担当者が訪問時に、買い替え時期のエアコンだと判断すると、クリーニング費用が無駄にならないよう買い替えを勧めてくれるため(実施していない企業は仕組みとしてつくるべきだろう)、店舗からすれば「見込み客の発見」にもつながるサービスとなっている。

 しかし、現状は店舗での案内があまり積極的に行われていない。エアコン販売時は、今回の買い替え対象以外の部屋で使っているエアコンのクリーニングを勧めるのはもちろんのこと、最盛期直前の6月であれば他の商品購入時に一声掛けると、必ずと言っていいほど最盛期の販売台数にプラスαの売り上げが積める。

 ただ、エアコンクリーニングは家電量販によって「値付け」がさまざまであるため、エアコン購入やクリーニングを検討している顧客側で価格を比較することを勧めたい。

 例えば、自動お掃除機能搭載のエアコンなら「通常料金に+5000円から1万9800円、さらに見積り対応」というように数千円単位の価格差が出ているのが分かる。

 今夏のエアコンの買い替えとクリーニングを予定している方がいるならば、自宅にあるエアコンの機種とクリーニング実施台数をもとに費用を比較すれば、自宅の条件にベストな家電量販を選ぶことができるだろう。

 家電量販側からすれば、自社のサービス内容なら、どういった顧客がベストな条件になるのかということを明示すれば、売上拡大につながるということである。

 商品や設置工事までの日数だけでなく、サービス料金にも敏感になり、夏商戦の成功を果たしてもらえればと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。

エアコンクリーニングが気になる季節になってきた