新緑の香りが心地よい5月。地方により多少の違いはあれど、日本では昔から田植えの時期といわれてきた。田んぼでは、水が張られ、苗の鮮やかな緑が人の目を楽しませていることだろう。そんな日本人にとって欠かせない主食は、何といっても白米だ。ただ最近は、ダイエット目的や健康志向の高まりから、白いご飯を含めた炭水化物の摂取を控える傾向にある。「教えて!goo」にも「炭水化物を抜くと痩せる、と言われておりますが……」といった質問が投稿されている。そこで今回は、糖質ダイエットやおいしく栄養的にもバランスのよいご飯の友について、栄養士の大柳さんに話を聞いてみた。

■ダイエットする時は白米を控えたほうがよいの?

白米にはビタミンや食物繊維も含まれていることから、過剰に避けるのは誤りという声もあるようだが……。ダイエット時でも白米は摂取したほうがよいのでは。

「すでに肥満であり体脂肪を減らしたい期間は、白米であれパンであれ、主食(炭水化物)を控えるほうが体脂肪の燃焼には効果的です。ビタミンや食物繊維は、白米より魚介や海藻に豊富です」(大柳さん)

やはり体脂肪を減らしたい場合は、白米に限らず主食を減らすことが有効だ。

「肥満が解消し、エネルギーを糖質から摂取するなら、パンより白米のほうがアレルギーのリスクも少なく、油脂も含まれずオススメです」(大柳さん)

ダイエットのフェーズやその人の体質によっては、白米の接種もよいとのこと。

■ご飯を食べる時に一緒に食べるとよい組み合わせには何がある?

糖質とはいえ、やはり食べたい白米。そんなご飯のお供として栄養的にも優れた食べ物には何があるのか聞いた。

「納豆や卵など、タンパク質の多い食品は好相性です。卵かけごはんなどにして、油脂をまとわせない食べ方がよいでしょう」(大柳さん)

ご飯と納豆、卵の組み合わせは多くの人になじみがあるはず。油脂を使わない食べ方がよいのはなぜだろうか。

「タンパク質は血糖値の上昇を穏やかにするはたらきがありますが、油脂はインスリンの効きを悪くするはたらきがあり、糖質と脂質の組み合わせは相性が悪いといえます。毎日食べるご飯のおかずには、栄養学的にはタンパク質と食物繊維を添えるべきで、液体の油脂はハレの日のご馳走的な相性になります」(大柳さん)

ご馳走を毎日食べていたのでは、ダイエットにならないのは理解できる。その他、ご飯に合う食べ物には何があるのだろうか。

めかぶ、アカモクなど、ぬめりのある海藻は、ごはんに含まれる糖質の吸収を緩やかにして食後高血糖を防いでくれます」(大柳さん)

めかぶもネバネバしているが、アカモク(別名ぎばさ)は、それに輪をかけた強力な粘り気が特徴だ。かきまぜると納豆のように糸を引き食欲をそそる。この二品は酢や醤油をかけて食べると抜群においしく、ご飯にもよく合う。さらに、食後の高血糖を防ぐということなので、主食のお供にもってこいなのだ。

ダイエット時はともかく、普段は、白米で糖質を取ることはそう悪くないことが分かった。インスリンの働きも理解することで、日本人にとって欠かせない主食とうまくつきあっていきたい。

●専門家プロフィール:大柳珠美
管理栄養士。糖質制限、栄養療法を専門とし、都内のクリニックで、糖尿病、肥満など生活習慣病を対象に、糖質の過剰摂取の見直しを勧める。タンパク質、ビタミン、ミネラルなど栄養の不足を解消する指導を行い、投薬に頼り過ぎない治療をサポート。「糖質制限その食べ方ではヤセません」(青春出版社)など著書多数。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

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