大会屈指のU-20メキシコ代表FWライネスをどう止めるかが最大のミッション

 影山雅永監督率いるU-20日本代表は26日、U-20ワールドカップ第2戦でU-20メキシコ代表と対戦する。初戦を引き分けた日本としては、黒星スタートとなったメキシコとの対峙はグループステージ突破に向けて大きな意味を持つ。勝ち点獲得のために重要なポイントとなるのが、大会屈指のタレントであるFWディエゴライネスをどう止めるか。チーム全体でのエース封じがミッションとなる。

 初戦のエクアドル戦を1-1のドローで終えた日本に対して、イタリアに敗れたメキシコは負けられない状況にある。「良いチーム。核になる選手もいる。彼らは初戦で負けてしまったので、明日の試合は負けられないという気持ちでくる。我々は初戦の前半のようにならず、後半の勇気と戦う姿勢を持ってメキシコを上回らないといけない」とは影山監督の言葉。運動量や球際といったところで相手を下回ればメキシコの思う壺。粘り強く対応しながらハードワークを続けていくことが勝利への近道になる。

 そして「うちのテクニカルスタッフに彼の映像を含めて選手に渡して対策を考えておけと伝えた」と影山監督が言うように、チームとして警戒を示しているのがメキシコの新星・ライネスだ。昨夏にA代表デビューを果たした18歳は、今年の1月にスペインのベティスへ移籍。すでにリーガで得点も挙げている逸材である。

「4-4-2」の右サイドに入ると予想されるライネスに対して、日本が誰を対面に置くかは一つのポイント。サイドバックにはDF鈴木冬一(湘南ベルマーレ)の起用が考えられ、一つ前のポジションもMF山田康太(横浜FM)ではなくMF中村敬斗ガンバ大阪)や斉藤光毅(横浜FC)といった選手を置く可能性がある。17歳の時に対峙した経験を持つ中村はエース封じのイメージを明かした。

「どっからでも仕掛けてくる。結構、自陣からも縦に仕掛けてくるような選手で、なかなかボールを取れないし、懐に入ってくる持ち方なのでなかなか取れない。大人でも取れないような感じなので、粘り強く守備をしたい」

イタリアはDF2人を前に置く形で対応、日本はボランチと連動して止められるか

 初戦では、イタリアライネスの前に2人のDFを置く形で対策を取り、激しい寄せを続けることで簡単にスピードに乗せなかった。日本も前と後ろでしっかり相手を挟み込みカットインしてきた場合は「左利きの選手なのでカットインするスペースを効果的に消せれば怖さは減ると思う」とMF伊藤洋輝が説明するように、ボランチと連動して対応することがエース封じのポイントとなる。

「ボールは必然的にそこに集まると思う。簡単ではないと思うけど、なんとか食い止めればチャンスは生まれてくると思う」(中村)

 チームのやるべきことを完遂したうえで、エースを抑えて勝利に近づく。決勝トーナメント進出を懸けた重要な一戦が幕を開ける。(林 遼平 / Ryohei Hayashi

ディエゴ・ライネス、中村敬斗【写真:Getty Images 林遼平】