オリヴェイラ監督、0-4完敗の広島戦後に悔恨 「消耗の度合いを評価しきれなかった」

 浦和レッズオズワルド・オリヴェイラ監督は、26日にホームで行われたJ1リーグ第13節サンフレッチェ広島戦に0-4で大敗した後の記者会見で、「我々にとって、悲惨な午後」と完敗を認めた。そして「火曜日の試合の消耗の度合いを評価しきれなかった」と、メンバー選考の部分での失敗だったと語った。

 浦和は21日のナイトゲームでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ最終節、ホームの北京国安(中国)戦に臨み3-0と快勝した。両者が突破の可能性を残す直接対決だっただけに、かなり高いテンションで“決戦ムード”も色濃いゲームだった。そこでは、今季ベストとも言える内容で勝利を収めベスト16進出を果たしたが、同時にチーム内にすべてを出し尽くしたような達成感があったのも事実だった。

 北京国安戦から中4日で迎えた広島戦で、オリヴェイラ監督はスタメン10人が同じというメンバーを送り込んだ。残りの1人も、MF柏木陽介の負傷により前半13分からプレーしていたMF長澤和輝だっただけに、“全く同じメンバーで臨んだ”という表現も当てはまる顔ぶれと言えた。

 一方の広島は、22日にACLの敵地メルボルン・ビクトリー戦(3-1)に臨んだが、ベンチ入り4人と人数を絞ったうえに、浦和戦と連続スタメンだったのは2選手のみ。残りの9人はオーストラリア遠征を回避して調整し、この浦和戦に臨んだという点で大きな差があったのは事実だ。

 オリヴェイラ監督は「前の試合でかかった負荷、その影響が大きかったと思います。火曜日の試合の消耗の度合いを評価しきれなかったのかなと思っています。間の日数が4日間でしたので、選手たちが十分回復できているという見込みで、本日のメンバーを編成しました。しかし不運なことに、そうではなかったということがあったと思います。また、急激な気温の変化も、そこで悪影響を与えた可能性もあります」と、メンバー選考の部分についての質問を受けるまでもなく、自ら話している。

 現在のサッカー界では、様々な器具を使用しながら科学的に疲労の具合をチェックするのは一般的になっている。一方で、その達成感などに起因する精神的な疲労度を測るのは非常に難しい。そうした意味で、最終的なパフォーマンスに影響を及ぼした可能性は高いのだろう。

スタメン変更の可能性も示唆 「メンバーが代わっても私は安心して戦える」

 浦和のDF槙野智章は、この会見でのオリヴェイラ監督の言葉を伝え聞くと「選手の立場でコメントは難しい」としたうえで、「トータルで見れば、浦和はすごく良いゲームをした次にすごく悪いゲームをしてしまっていると思う。北京戦に3-0で勝ったけど、消耗はあった。良いリカバリーをしたつもりでいても、この結果とパフォーマンスを見ればそう言われてしまっても仕方がない」と、反省の弁が口を突いた。

 広島戦の2日前に実施された記者会見でオリヴェイラ監督は、出場機会が少ないメンバーについて「非常に状態の良い選手たちもいます。メンバーが代わったとしても私は安心して戦えます。そしてまだそこまで行き着いていない選手も、大きな努力をしながらその状態を目指しています。選手たちの多数がスタメンでプレーしてもおかしくない状況ができた時、浦和は安定してしっかり戦えると思います」と話しているが、この広島戦は北京戦に出場したメンバーに任せた形だった。

 浦和は、その北京戦で負傷交代した柏木が右膝関節軟骨損傷により24日に手術を実施したことを発表。全治は約4週間とされている。そして、今後は気候的にも夏を迎え、天皇杯も始まる過密日程は避けられない。果たして、オリヴェイラ監督はどのような形で戦力を活用してチームに良いサイクルを与えられるのか。

 リーグ成績が5勝2分6敗と黒星が先行し、次節は川崎フロンターレとのアウェーゲームを迎える。その後にインターナショナル・マッチウィークの中断期間を挟むだけに、川崎戦へのアプローチはチームの今後を大きく左右するものとなるはずだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

サンフレッチェ広島に敗れ、リーグ戦4連敗となった浦和レッズ【写真:Getty Images】