JR四国の新型観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」。その列車名や客室内イメージがみえてきた。

列車名は、下り 高知発 窪川行きが「立志の抄」(りっしのしょう)。坂本龍馬が脱藩したといわれる道と並行する区間があることから、龍馬が志をもって旅立つようすをイメージ。

上り 窪川発 高知行きが「開花の抄」(かいかのしょう)。時代の夜明け「文明開化」と、下り便の「立志」に対して偉業を成し遂げ凱旋するようす、夢を成し遂げた誉れとして「開花」に。

インテリアデザインは〈文明開化ロマンティシズム〉がテーマ。

蒸気機関ロケットエンジンデザインのダイナミズムを、新たな旅への高揚感のモチーフとして、明治期の装飾表現と融合させた「空」想ファンタジーデザインに。

連立する照明ポールや可変テーブル支柱を、張り巡らされた機械配管の疑似デザインとして表現。機械美に幻想性を重ねあわせたインテリアデザインに仕立てた。

1号車は「KUROFUNE」

1号車「KUROFUNE」は、果て無き青空のもと、仲間達と新たな時代への「志」を語りながら大海をゆく蒸気船をモチーフに、文明開化期から萌芽する19世紀末芸術を想起させるデザインに。

1号車全体を「おきゃく」(土佐弁で「宴会」をしめす言葉)をイメージした対面の座席レイアウトに。

出入り口側にはテーブルを囲みながら誰とでも交流することのできる「高知家の団らんシート」を12席。運転席側の4名席4か所は、3名以上のグループで利用できるシートに。

運転席の後方に地元ガイド等が沿線ガイドを行う地域ガイドスタッフエリアを設置。ガイドのようすや列車先頭展望はライブカメラを通じて各車両へ転送する。

2号車は「SORAFUNE」

2号車「SORAFUNE」は、大空のその先、大気圏を突き抜けた宇宙空間までにもつながる未来への「夢」をコンセプトに、レトロSF小説で描かれる空想科学上の宇宙船をイメージ。

全体を窓向きの座席レイアウトとし、角度の異なる座席を用意。これまでのものがたり列車でも利用の多い1名、2名が利用できるシートスタイルに。

またービスカウンターを設置し、飲食物、土産などの車内販売を実施。車いす席や、多目的トイレ、女性専用トイレも設置する。

運行開始は2020年春。