Gizmodoの製品比較企画「Battlemodo」、今回のテーマは「フィットネス視点でのベストなスマートウォッチ」です。 米GizmodoのVictoria Song による、体を張ったレポートをどうぞ。

本腰を入れて運動する習慣を始めたり維持したりするなら、ビギナーにとってもベテランアスリートにとってもフィットネストラッカーやスマートウォッチは進捗をトラッキングしてモチベーションを保つすばらしいアイテムです。ですが、異なる機能や強みなど数え切れないほどの選択肢がある場合、どの機種を選べばいいのでしょうか?

たった100ドルのFitbit Inspire HRのようなシンプルなトラッカーはお財布に優しいチョイスですが、たいていはモノクロの小さな画面を採用しているがためにひと目で見られる情報量は限られていて、日光の下では読みにくいもの。スマートウォッチの方が大きくて見やすいディスプレイなので、運動中でも数値が読みやすく屋外でのフィットネスのお供としては優れています。

フィットネス志向のスマートウォッチはこの数年で大きな発展を遂げました。そのほとんどが心拍計と内蔵GPS(屋外でのアクティビティをトラッキングする上でのもっとも重要な2つの要素)を備えている一方、さらに高性能な機種には音楽を保存できるストレージ、NFC決済、自動アクティティトラッキング、そしてストレス計測といった実験的な機能が搭載されています。機能が多ければ多いほど、ウォッチの値段もつり上がります。

値段といえば、良いフィットネス用のスマートウォッチの価格帯は200~800ドルほど。安価な方でも、なかなかの金額です。コストパフォーマンスの良い製品を明らかにするべく、この分野における大手メーカーからの5種を比較してみました。今回エントリーしたのは、Samsungサムスン)のGalaxy Watch Active(200ドル、2万4300円)、Apple Watch Series 4 (400ドル~、4万5800円~)、Fitbit IonicのAdidas エディション260ドル、3万7220円)、Polar(ポラール) Vantage M (280ドル、3万7800円)そしてGarmin(ガーミン)Fenix 5S Plus (650ドル、8万9800円)です。

今回の「Battlemodo」ではこの5機種を連携したスマホなしでのGPSの精度、自動トラッキング、そして計測の正確さの3点で比べてみました。

スマホなしでのGPSの精度が良いウォッチは?

外でのランニングやサイクリングとなれば、スマホをどこに入れておくかが悩みの種になります。走りながらアームバンドを調節するのは気が散ってしまうし、景色を楽しもうとしている時にスマホを落として(そしておそらく画面を割って)しまうんじゃないかと心配するのでは楽しめません。

廉価なトラッカーやスマートウォッチが屋外アクティビティのお供として適さないのは、それらが距離のトラッキングスマホGPSを頼るから。今回比較した5製品はいずれもGPS内蔵モデル、つまり心置きなく自宅にスマホを置いていけるということ。そうは言っても、GPSの精度と信号はデバイスによって大きく変わります。雨や高層ビル、さらには公園の茂った木々さえも、良い信号を得ようとするデバイスに干渉してしまうかもしれません。

これはスタンダードLonic。Adidas Editionはほぼ同じ見た目ですが、穴あきストラップとランニングに特化した機能、そしてAdidas専用のクロックフェイスが搭載されています。 Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

製品たちのGPS精度を試すため、ブルックリンにあるマッカレン公園の陸上トラックを回ってみました。陸上トラックラップ4周がおよそ1マイル(約1.6km)と適度な距離です。そのため、私たちはスマートウォッチを着けたままラップを4周走ってから、結果を比べました。

全部のスマートウォッチが距離を過大計測していました。その中でいちばん正確だったのは 、1.03マイルを記録したFitbit IonicのAdidas エディション。2位がPolar Vantage Mで1.06マイルSamsungGalaxy Watch ActiveとGarmin Fenix 5S Plusは1.07マイルでした。最下位はApple Watchで1.1マイルを計測したのです。0.1マイルなんて大した差のようには見えませんが、もっと長距離を走った場合には結構な数字になります。

もっと長めの軽い屋外ランでの精度を確かめるため、数週間にわたって5つのウォッチを個別でも試すことに。この中で優れていたのはまたもやFitbit Ionic、Vantage M、そしてFenix 5S Plusでした。PolarとGarminの半透過型ディスプレイデータを見やすかったです。さらにGarminGPSマップを表示する機能がありましたが、実用的だと思えず、ボタンでのナビは走っている最中に使うにはちょっとわかりづらかったです。

とは言え、Fitbit Ionic Adidas エディションは音楽をたくさん保存でき、赤信号では自動的にワークアウトを一時停止してくれました。Apple WatchSamsung Galaxy Watch Activeメディアを保存できます。ですが、Ionicの良心的な価格と優れた精度を考慮すると、手ぶらランニングにおいての圧倒的な勝者だと言えるでしょう。

勝者:Fitbit IonicのAdidas エディション

自動フィットネストラッキングの性能が一番よいウォッチは?

動いた分のワークアウトデータが失われるなんて事態は避けたいはず。息を上げながら3マイルを走ってスマートウォッチを見てみると…おっと、記録するのを忘れていた。でも記録ボタンを絶対に押していたはずなのに…なんて悲劇を想像してみてください。

自動トラッキング機能は多くのフィットネス向けスマートウォッチに内蔵されているものですが、その性能はどこか不安定です。1時間半ぶっ通しで踊ったとしても、ウォッチを見るとノーカウントだったことや、活発なウォーキングとしてカウントされてしまっていたなんてことも。

今回の企画ではどのウォッチアクティビティを通知してくれるかを調べるために、5つのウォッチ全部を着けて早足でのウォーキングに出かけました。それはつまり、心拍数を安静時の60回/分よりはるかに高い110回/分まであげるということ。

Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

私が何かしらのアクティビティの最中だと認識するのにApple Watchが要した時間はたった10分で、屋外での散歩を記録したいですか?という通知が届きました。他の機種はというと、それから5分ほど歩き続けましたが、通知は来ませんでした。

けれども、動いた分は当然カウントされます。個別に使ってみたところ、Galaxy Watch Activeは通常、12~13分以上のウォーキングをトラッキングしたようでした。Ionicはその日の後ほどアプリと同期してから前述の15分間ウォーキングをトラッキングデバイス上の通知はありませんでした。さらに、あえて手動で記録ボタンを押さなかった時にはランニングを認識してくれていました。それでも、開始時間が数分ずれることがよくあって、イライラしました(走った5分間分もちゃんと記録して欲しかったです)。

一方で、Apple Watchは散歩もランニングもムラなく自動的にトラッキングできたものの、エアロビクスやダンスといった型にはまらないエクササイズにはちょっと苦労したのでした。

勝者:Apple Watch

データが正確で、活動量計として実用的なウォッチは?

フィットネス用のスマートウォッチは歩数や距離、高度、消費カロリーなどたくさんの数値をトラッキングします。しかし、本格的なアスリートにとって歩数は有用な数値ではありません。重要なのは正確な心拍計のあるウォッチで、メーカーは睡眠の質や回復時間といった数値を計算する別のアルゴリズムに組み入れています。

この勝負では、比較のために胸に取り付ける心拍数モニターPolar H10を着用して、手首には製品を1つだけ着けました。Polar H10は電気信号を使って心拍数を測定するので、光学式センサーを採用しているスマートウォッチの心拍計よりも高精度です。

Screenshot: Victoria Song (Gizmodo)

5つの製品すべてが、良いパフォーマンスでした。ウォッチの数値がチェストトラップより1分あたり5~10回もずれません。最大心拍数に安静時心拍数、そして平均値もすべて一致していました。

しかし、重要なのはデバイスデータをどれほど正確に記録しているかという点ではありません。数値を活用することです。残念ながら、Apple WatchFitbit Ionic、Samsung Watch ActiveにGarminでは運動中の心拍数を見るのは簡単ではありませんでした。一方、Polarは非常に見やすく、走った後には心拍ゾーンごとの運動時間をウォッチ上で確認できました。

Polar Flowアプリは情報の見せ方も優れていて、ケイデンスとランニングインデックスといった数値と全体的な進捗との関係が分かりやすかったです。他のスマートウォッチもある中で、Garminだけが似たようなレベルの詳細なデータを備えていましたが、進捗を理解しにくかったです。

勝者: Polar Vantage M

結局、フィットネス視点ならどのスマートウォッチを買えばいいの?

勝負ごとに勝者が異なるのは、スマートウォッチがそれほど進化して競合しているということです。人それぞれのニーズに応じて、各対決で勝者となったスマートウォッチが役に立つでしょう。

ですが今回のBattlemodoにおいて、優勝となるのは1つの機種のみです。その栄冠に輝いたのはPolar Vantage M。進捗のトラッキングと心拍数の対決における圧倒的な勝者で、GPSの対決では僅差の2位でした。NFC決済や音楽データのストレージのような派手な機能には欠けますが、代わりに見やすいディスプレイに長いバッテリー寿命(1回の充電で朝から晩まで着けて1週間以上も持ちました)、良心的な価格、そして長期的な進捗を見るための計測データがあります。

音楽や決済機能が必要であれば、Apple WatchFitbit Ionicが似たような価格で確かな選択肢となります。ですが、数週間使ってみたところ、私はそういった機能が必要だと思いませんでしたし、自分の進捗状況を見ることにもっと集中していました。屋外で運動したい人にとって、Polar Vantage Mはスマートさと価格のバランスが取れたスマートウォッチです。

総合勝者:Polar Vantage M

POLAR VANTAGE M

36,741円