株式会社偕成社(出版社 本社:東京都新宿区 代表取締役社長:今村正樹)は、ナマコ研究40年以上の生物学者・本川達雄さんによる絵本『ナマコ天国』(こしだミカ 絵)を2019年5月に刊行しました。
ナマコ研究40年以上の生物学者・本川達雄さんが、ナマコのふしぎな生態を解き明かす絵本『ナマコ天国』。本川氏は動物のサイズによる時間の流れ方の違いを説いた生物学入門書のベストセラー『ゾウの時間ネズミの時間』(中公新書)の著者。専門のナマコについての絵本を刊行するのは、これが初となります。

ナマコは棘皮(きょくひ)動物のなかまで、皮のかたさが変化するのが特徴です。やさしくつつくとやわらかく、ギュッとにぎればかたくなり、ゴシゴシこすれば、なんとドロドロに溶けてしまいます。でも、大丈夫。数週間たてば、もとどおりに・・・!
そんなナマコには、目や鼻、耳がありません。心臓、脳もありません。体の半分以上が皮で、呼吸するのはおしり。ゆっくりとなら歩くことができますが、人間がじっと見ていても、逃げもせず、かくれもしません。いったいこれでどうやって、きびしい自然界の中を生きているのでしょうか?
動物たちはふつう、食べる心配と食べられる心配をかかえて生きています。ところがナマコは、みんなとまるでちがう道を選ぶことにより、この2つの心配をみごとにクリアしたのです。それを楽しく、わかりやすく解説したのが本書の山場であり、最後まで読むと『ナマコ天国』というタイトルの意味がよく腑に落ちます。
  • 別名「歌う生物学者」の異名をもつ本川達雄による「ナマコ天国」「超人!? ナ・マーコ」の楽譜付
本川達雄氏は「歌う生物学者」として知られ、自身の研究テーマをさまざまな自作の歌にして披露しています。この絵本では、「ナマコ天国」と「超人!? ナ・マーコ」の2曲の楽譜をつけました。歌えばナマコの特徴をすぐにつかむことができる歌詞で、学びも詰まっています。
  • 本川達雄氏インタビュー公開中
偕成社のウェブマガジンKaisei webでは、刊行に際して、本川達雄氏のインタビューを公開しました。
https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/ath/ath1905/

ナマコ研究の出発点の話から、いま子どもたちに伝えたいことまで、ナマコに学ぶ生きるためのヒントも満載のインタビューです。ぜひ合わせてご覧下さい。
  • 書籍詳細

作:本川達雄
1948年、仙台に生まれる。71年、東京大学理学部生物学科(動物学)卒業。東京大学助手、琉球大学助教授(86年から88年までデューク大学客員助教授)、東京工業大学大学院生命理工学研究科教授を歴任、東京工業大学名誉教授。理学博士。専攻、動物生理学。著書に『ゾウの時間 ネズミの時間』『生物多様性』『ウニはすごい バッタもすごい』(以上、中公新書)、『歌う生物学 必修編』『ナマコガイドブック』『世界平和ナマコとともに』(以上、CCCメディアハウス)、『生物学的文明論』(新潮新書)、『人間にとって寿命とはなにか』(角川新書)、『生きものとは何か』(ちくまプリマー新書)など多数。子どもむけの絵本に『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』『絵とき 生きものは円柱形』(ともに福音館書店)、『生きものいっぱい ゆたかなちきゅう』(そうえん社)がある。

絵:こしだミカ
1962年、大阪に生まれる。絵本作家、立体造形作家。絵本に『アリのさんぽ』『ねぬ』(ともに架空社)、『ほなまた』(農文協)、『くものもいち』『いたちのてがみ』(ともに福音館書店・こどのもとも)、『でんきのビリビリ』(そうえん社)、『カイロ団長』(宮沢賢治・作 ミキハウス)、『ドンのくち』(校正出版社)、『ひげじまん』(小学館)などがある。2010年~2016年に放送された子ども番組「できた できた できた」(NHKEテレ)の背景画とオブジェ制作を担当。また、海洋生物学者に贈られる「神戸賞」の受賞トロフィや絵を制作。

【書籍詳細】

書名:ナマコ天国
作:本川達雄

絵:こしだミカ
定価:1600円+ 税
対象:6歳から
サイズ:28cm×22cm
ページ数:44ページ
ISBN コード:978-4-03-437270-8
発売日:2019年5月20日
偕成社HP書誌情報:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784034372708

配信元企業:株式会社 偕成社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ