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 セルビア南部のニシュ市にある「チェレ・クラ」は世界でもまれなモニュメントの一つだ。

 この建物は200年ほど前に作られた石造りの塔で、オスマン帝国との戦いに敗れたセルビア兵の頭部が埋め込まれている。

 反逆者への見せしめにと、帝国の残虐な司令官が作らせた不気味な塔。これに使用された頭部は952個にのぼる。

 その痕跡が今もなお、世界中の観光客にただならぬ恐怖を伝えている。

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Ćele kula u Nišu (Wall made of human skulls in Niš, Serbia)

ニシュ解放の戦いで自決したセルビア兵

 頭蓋骨の塔、チェレ・クラは、第一次セルビア蜂起(1804-1813)の頃、鎮圧に向かったオスマン帝国軍が見せしめのために作ったものだ。

 400年以上にわたりオスマン帝国に支配されていたセルビア人は、1809年に拠点都市ニシュを取り戻すべく帝国軍と激しい戦いを繰り広げた。

 その最中にニシュから6kmの塹壕に潜んでいたセルビアの司令官スティーブン・シンデリックが、自軍の火薬樽を爆破。急接近した帝国部隊を巻き添えにする集団自決を行った。

 それは捕虜となって受けるであろう拷問から仲間と自身を救うためだった。

帝国による残忍な見せしめ

 これに激高した帝国軍のフルシド・パシャ司令官は、セルビア軍を打ち負かしニシュ解放を阻んだだけでは満足できず、残忍な見せしめを計画した。

 フルシドは、遺体となった反逆者シンデリックと彼の兵全員の首を切り、頭部をニシュまで運ばせると、現地の毛皮職人を招集して脅迫し、皮を剥いで詰め物を施すよう命じた。

 わらの詰め物をされ剥製になった頭部をコンスタンチノープル(現トルコイスタンブール)に送り付けたフルシドは、震え上がった配下のトルコ人たちに身の毛もよだつ塔の建設を命じた。

 その計画は四角柱の形をした塔の四方の壁それぞれに、皮を剥がれたセルビア兵の頭を17個×14列埋めるというものだった。

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952個の頭を埋めた塔


 以後、帝国軍に殺されたセルビア人の頭が次々と加工されて埋め込まれ、952個のさらし首が整然と並ぶ異様な塔が出来上がった。

 フルシドはこの塔の建設にかなり執着していたらしく、途中で頭が足らなくなるとセルビア人捕虜の殺害を命じた。

 塔のために無慈悲に殺された捕虜30人の頭は皮を剥がれることなく空いている壁に埋められた。

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独立の歴史と戦争の野蛮さを伝える塔


 死人の頭を並べたおぞましい塔は高さ4.6メートルもあり、反抗したセルビア人への明確な警告になった。

 だがセルビア軍は戦意を鼓舞して戦いを繰り返し、1878年にオスマン帝国からの独立を果たした。

 その間にも塔は少しずつ崩れ始め、いくつかの頭が転がり落ちたが、1892年にセルビア軍の戦没慰霊碑として周囲に礼拝堂が建てられ、戦争の野蛮さを伝える象徴にもなった。


Ćele Kula, Niš - Aleksandra Stanojević i Kristina Dinčić

セルビアを代表する史跡

 その後も塔の崩壊は進んだが、2014年の時点で58個が塔の壁に残っている。壁から外れたシンデリックの頭部も保存されており、2013年ガラス張りで公開された。

 現在のチェレ・クラはセルビア人の巡礼地であり、毎年3~5万人もの観光客が訪れる有名な史跡にもなっている。

References:listverse / visitnisなど /written by D/ edited by parumo

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http://karapaia.com/archives/52274839.html
 

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