ソン・フンミン、堅守リバプールを相手に孤軍奮闘も不発 トットナムは準優勝に終わる

 トットナムは現地時間1日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝でリバプールと対戦し、0-2で敗戦。クラブ初の決勝進出を果たしたものの、欧州制覇にはあと一歩及ばず、準優勝に終わった。韓国代表FWソン・フンミンは堅守リバプールの脅威となり続ける存在感を発揮していたが、その孤軍奮闘ぶりを象徴するかのような“4人包囲網”をクラブ公式ツイッターのインドネシア版が写真で公開している。

 クラブ創設以来、ベスト8が最高成績だったトットナムだが、準決勝のアヤックス戦では、ホームで迎えた第1戦は0-1の敗戦。しかし、敵地での第2戦では2点のビハインドから3連続得点を奪って2戦合計スコアで3-3に並び、アウェーゴール差で劇的な決勝進出を掴み取っていた。

 ファイナルリバプールとの同国対決となったが、試合開始早々の前半2分にPKを献上してしまい、エジプト代表FWモハメド・サラーに先制点を与えてしまう。その後はトットナムが反撃を仕掛けるも、リバプールの強固な守備網を崩し切ることができない。すると、後半42分にベルギー代表FWディボック・オリギに追加点を許してしまい、最終的には無得点で敗れ去ることになった。

 トットナムが攻めあぐねた理由の一つには、この決勝が負傷明けの復帰戦となったイングランド代表FWハリー・ケインのコンディションが万全ではなく、試合勘も乏しかったことから、ほとんどの時間で存在感を発揮できなかったことが挙げられる。それでも、前線で孤軍奮闘していたのがソン・フンミンだ。リバプール守備陣の裏を突く抜け出しで、幾度となくチャンスになりかける場面を作り出していた。

 リバプール守備陣もキレのあるソン・フンミンに警戒心を強めていたことが窺えるワンシーンを、トットナム公式ツイッターのインドネシア版が公開。ボールホルダーのソン・フンミンに対し、イングランド代表DFトレントアレクサンダーアーノルド、オランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥム、ブラジル代表MFファビーニョ、元カメルーン代表DFジョエル・マティプによる“4人包囲網”で対応していた。

海外メディアはソン・フンミンの出来に高評価 「最大の脅威となっていた」

 また、アイルランドメディア「Pundit Arena」は「韓国人にとってイライラする試合となった」とソン・フンミンリバプールの守備網に苦戦を強いられたことを指摘しつつ、「最大の脅威となっていた」とパフォーマンスに高評価を与えていた。また、英サッカーサイト「90min」インドネシア版はソン・フンミンについて「最高のパフォーマーだった」と称賛を送るも、「ソンのスピリットにチームメートが同調できなかった」と孤軍奮闘ぶりを伝えている。

 今季は公式戦20ゴールを奪い、トットナムの攻撃陣をけん引する飛躍を見せたソン・フンミンだが、リーグ戦を含めたリバプールとの3戦では、いずれも不発に終わった。クラブの絶対的なエースとしての立場を確固たるものにするためには、大一番で堅守リバプールを相手にゴールを奪う決定力が必要となってくるだろう。(Football ZONE web編集部)

トットナムFWソン・フンミン【写真:Getty Images】