Point
■寝ているときにみる「夢」を思い出すことで、感情が処理される脳領域が刺激されることが分かった
■刺激される領域には扁桃体、海馬、海馬傍回といったものが含まれていた
「夢の力」をあなどるなかれ。
新たな研究により、眠っているときにみる「夢」を思い出すことによって感情を処理する脳の領域が刺激されることが明らかとなった。
「Dreaming」に掲載されたこの研究によって、あなたは自らの感情を刺激するためのより簡単な方法を手に入れることができるかもしれない。
Neural correlate of the impact of dream recall on emotional processing.
「夢」の不思議なチカラ
ローマ・ラ・サピエンツァ大学の研究者らがおこなったこの研究。実験では、18~35歳の女性37名に対して感情を刺激するような画像を連続で見せ続け、その際の脳内の電流を調査した。
このタスクの途中で、女性たちは「夢を思い出すこと」か「自らの職業体験についての話をすること」のどちらかを求められた。
両者の脳の活動を比較した結果、夢を思い出した女性たちのほうが、実験の後半で大脳辺縁系におけるいくつかの領域の活動量が増加していることが分かった。領域には扁桃体、海馬、海馬傍回といったものも含まれていた。
夢を思い出せる人は、実践してみよう
研究をおこなったカルロ・レイ氏は、「たいていの人は、夢を思い出すことによって得られる効果を再現できるでしょう。実験では、夢について詳細に述べることで深い感情とつながることが示されています」と述べている。
他の最近の研究では、夢が未来の活動における感情の状態を予測するための予備的な機能を持っていると主張するものもあり、これについても興味深い仮説であるといえよう。
「夢をみない人」や「夢を思い出すことができない人」にとってはどうすることもできないが、もしあなたが夢を覚えておけるタイプの人であれば、ふとしたときに思い出してみよう。自分でも思ってもみなかった感情があぶり出されるかもしれない。
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