年収2000万円と聞くと、どういう人なのか気になりますよね。特にそれが女性だと、どういうイメージを思い浮かべるでしょうか。今回は2000万円以上稼ぐ高収入女性に、仕事に対する考え方や資産形成に対する思いを聞いてみました。すると彼女たちは何もスーパーウーマンというわけではなく、私たちと同じように悩みやコンプレックスを抱えて生きている女性でした。

自分に自信はないが働くことにプライドはある

ある外資系金融機関で働く女性Aさんは、「本当は自分自身、とても根暗で引っ込み思案、ネガティブ思考で常に自信がない」と語ります。彼女の見た目や仕事ぶり、話し方や普段の振る舞いを見ていると、とてもそうとは思えませんでした。しかしそれは、彼女が就職のことを意識した大学時代の大きな葛藤とそれを乗り越えた経験から来るものだったのです。

彼女は大学時代の就職活動の一環で、自己分析というものを初めて体験しました。本に書かれた質問に答えつつ、自分の過去を深堀りし、性格や強み、弱み、将来に対する考え方や働くモチベーションなどを探す、いわば自分の研究です。

「自己分析を通じて自分のことを知っていくたびに、何もできない自分に驚きとショックを感じた」と言います。とはいえ彼女は学歴としては申し分ない大学に入っていますし、留学経験があるので語学も堪能です。

しかし、「就活で皆と話していると、スポーツで賞を取った話とか、すでに学生のときから起業している人とか、帰国子女外国語が3か国語話せる人とか、海外の大学に行っていた人など、さまざまな人に出会う。そのたびに、自分には何があるだろうと思って泣きたくなった」と語るAさん。

「そんな自分でも評価してくれる会社にいきたいという気持ちと、何かここで人より秀でたものを見つけないと一生コンプレックスを抱えて生きることになると思った」と言います。

そこで彼女が選んだのは外資系金融。30代になる前に年収2000万円を超えることもある、と友人から聞いたことがきっかけ。「年収2000万円稼ぐ女っていうだけで、誇りが持てるような気がした」とのこと。確かにそこまで稼げる人はかなり少なく、その中でも悲しいことに今の日本では女性の割合は非常に低いでしょう。

「今でも自信があるわけではないし、コンプレックスが完全に消えたわけではない。けれど、自分の仕事とそれに対する報酬に対してプライドを持って働くことができる。だから働くモチベーションはコンプレックスなのかも」と語ってくれました。

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自分の労働への対価だからできるだけ高くあってほしい

とある証券会社で働く女性Bさんは、自分より上級職の人を抜いて年収2000万円超え。会社の体質もあって、女性だということで同期の男性たちより成績がよくても昇格は後回しになっていました。しかし、営業成績は同期の中でもトップクラスだったため、同期で部長などの管理職をしている男性よりもはるかにお給料はもらえていました。

彼女はもうその道で20年以上働いていますが、やめたいと思ったことはあまりないと言います。

「昇格できなかったことも、今では『おかしい』と思えるかもしれないけれど、当時はあまりそういう空気ではなかった。私は結婚こそしたけれど、子どもがいないから産休や育休でのブランクはない。でも、男性と同じタイミングで昇格はできず、ブランクがある女性たちには追い付かれてしまった」と、穏やかに話してくれました。

そのときの彼女の気持ちは何とも言い表せぬほど悔しい気持ちだったことでしょう。しかし、それでもBさんは腐らずに、営業活動を続けたのです。

「営業を頑張れば頑張るだけ評価されてお給料に跳ね返ってくる。証券会社で働いていてよかったと思った。お給料は自分の労働、ひいては自分の時間を仕事に費やしたことへの対価なので、できるだけ高いほうがいいと思って働いていた。これがお給料に成績が反映されない会社だったら自分は続けられなかったと思う」と話してくれました。

報酬は自分の労働に対する対価です。「自分の時間」というものは人生を細切れにしたものなので、極端な話、人生をかけて働いているわけですよね。そんなに大事なものを差し出して労働に充てているのですから、報酬は高いに越したことはありません。彼女はそんなことを考えて日々仕事をしているのだと言います。

お金を貯めるのは将来の自分のため

Aさんにお金を貯める目的を聞くと、「自分のためにお金を貯めている」ときっぱり。「結婚できる気がしない。結婚に縛られたくない。自由が欲しいからお金を貯めている」と話します。

彼女の中では生涯独身も十分ありえる話で、いまも分譲マンションを買おうか悩んでいるところなのだそう。「人と暮らすのはとても難しい」と語る彼女には、かつて結婚を考え同棲した恋人がいたのだと言います。「でも、やっぱり仕事が忙しいし、仕事も楽しいし大事にしたい。その姿勢が彼から時間や愛情などいろんなものを奪った」とAさん。

Aさんの当時の恋人は、忙しいAさんに代わり家事をこなしていました。しかし、Aさんの帰りが遅かったり、土日の出勤もあったりしたためになかなか2人の時間が取れずにいたのです。そうしているうちに愛情が冷め、もうついていけないと言われたのだそう。その経験があったからこそ、いまは「自分のためにお金を貯めたい」と思っているのだそうです。

お金を貯めて資産をつくり、選択肢を増やしたい

Bさんも「自由が欲しい」ということを話してくれました。「お金があればとりあえず色々な選択肢ができる。お金がないと何もできない。今は夫と2人暮らしだけれど、この先どうなるかわからない。もし夫が重い病気にかかったとしたら、お金を十分に出して治療してあげられる環境がいい」とのこと。

確かに、病気になったときのことを思うと、蓄えが多ければ選択肢が広がるとBさんが語る理由がわかりますよね。お金があってもどうしようもないこともありますが、お金があればどうにかなることもあります。彼女たちのように、人並み以上にお金を稼ぎ、資産を作っていく人たちは将来の自分をシビアに見据えているのでしょう。

まとめ

いかがでしたか。高収入な女性は働くことを自分の評価だと捉えていたり、コンプレックスを克服する機会だと捉えていることがわかりました。資産づくりの動機も非常に示唆に富んだ話でした。今すぐに彼女たちのように稼ぐのは難しくても、今後の参考にしてみてくださいね。