米ウォールストリートジャーナルは5月31日、米司法省が反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)違反の疑いで、米グーグルを調査する準備を進めていると報じた

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検索などのグーグル事業を精査

 これに先立ち、米司法省は米連邦取引委員会(FTC)と協議し、米国のテクノロジー大手に対する互いの監督領域について調整していた。その結果、司法省がグーグルを担当することになった。また、米アマゾンドットコムについては、FTCが担当することになったと、米ワシントンポストは伝えている。

 こうして規制当局の担当分野が決まった今、司法省は検索をはじめとするグーグルのさまざまな事業について、精査する準備を進めていると、事情に詳しい関係者は話している。

 グーグルの商慣行を巡っては、FTC2011年からほぼ2年にわたり、モバイル市場とネット検索広告市場の競争を阻害している疑いがあるとして、調査を行った経緯がある。ただ、2013年グーグルが自主的な是正措置を講じると約束し、FTCグーグルは和解。グーグルに制裁措置は科されなかった。

欧州競争法違反で巨額制裁金

 しかし、規制当局はその後も監視の目を光らせている。とりわけ消費者保護の観点から世界で最も企業に厳しいと言われている欧州当局は、グーグルに対し、3度も巨額制裁金の支払いを命じている。

 1度目は、2017年6月。グーグルが商品の検索結果画面で、自社ショッピングサイトを他社サイトよりも有利な位置に表示したとして、EUの執行機関であるEC(欧州委員会)は、同社に24億2000ユーロ(約2900億円)の支払いを命じた。

 2度目は2018年7月。グーグルAndroidライセンス制度を利用して、自社の検索アプリウェブブラウザーを併せてプリインストールするよう義務付けたことが、ネット広告市場で他社の参入を妨げたと、ECが主張するもので、43億4000万ユーロ(約5200億円)の支払いを命じた。

 これは、EU競争法を巡る単独企業への制裁金として過去最高額となった(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

 そして、3度目は今年3月。ウェブサイト運営者向けの広告配信サービスAdSense」で、グーグルが支配的な立場を利用し、他社の広告事業を妨げたというもので、14億9000万ユーロ(約1800億円)の制裁金を科した。

米国ではテクノロジー大手の分割案も

 グーグルは米国で、政治的圧力も受けていると、米CNBCは伝えている。トランプ大統領は、グーグルなどのテクノロジー大手が利用者に提供している検索機能に、政治的バイアスがかかっていると非難している。

 また、来年の米大統領選への出馬を表明している民主党エリザベス・ウォーレン上院議員は、グーグルなどの巨大テクノロジー企業を分割するという提案を行っている。

 同氏は、グーグルが過去に行った、ウェイズ(ナビゲーションアプリ)、ネスト(スマートホーム)、ダブルクリックネット広告)の買収、そして、アマゾンホールフーズ・マーケット(スーパーマーケットチェーン)、フェイスブックのワッツアップ(フォトメッセージアプリ)、インスタグラム(写真共有アプリ)といった買収を、「反競争的合併」と非難している。

 同氏は、すでに完了したこれらの買収を取り消すなどして、市場に健全な競争を取り戻そうと訴えている(エリザベス・ウォーレン上院議員のブログ記事)。

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