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 イギリスには、素晴らしい公園や森林、農園がたくさんある。しかし、どこの国でもそうであるように、自然に満ちた森林地域は、時に恐怖の都市伝説の舞台となる。

 心霊現象にまつわる話が出てくる森に足を踏み入れることは、恐らく誰もが躊躇してしまうことだろう。イギリスにはそんなミステリアスな森がたくさん存在する。

 今回は、特に夜訪れるのを絶対に避けた方がいい、イギリスにあるいわくつきの10の森を見ていこう。

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10.エッピング・フォレスト(エセックス州)


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 エッピング・フォレストは、ロンドンエセックスの境にある広大な森林地帯だ。

 1730年代に地元の盗賊だったディック・ターピン率いる一味は、この森を隠れ家としており、少なくとも1人が森で彼らに殺害されたという説がある。

 また、1950年代~60年代にイギリスのギャングだった双子のクレイ兄弟が、この森で多くの殺人を行い、被害者たちを埋めた場所としても有名だ。

 その結果からか、この森には数多くの心霊現象が起こると言われている。森の中で幽霊を目撃した人たちの中には、触られたり押されたり、追いかけられたりした人もいるようだ。また、ある人は森の中にある池から幽霊が現れたのを見たと報告している。その馬に乗った幽霊は街の方向へと姿を消したのだとか。

 このような多くの都市伝説があることから、この森は今でも人々を謎めいて恐れさせ続けているようだ。


9. ブリックリングのグレート・ウッド(ノーフォーク州)



"Blickling Hall". Family home of Anne Boleyn, wife of Henry VIII. Norfolk. England

 グレート・ウッドは、ブリックリング・ホールの広大な私有地として知られている。

 ブリックリング・ホールは、1530年代にイングランドヘンリー8世の2番目の王妃だったアン・ブーリンという女性の誕生地と言われており、その土地はアンの父親トーマス・ブーリンにより所有されていたという。

 アン王妃は、後に反逆やかんつう、魔術などの罪により処刑されたが、処刑日だった5月19日には、アンの幽霊がグレート・ウッドやブリックリング・ホールに現れるそうだ。

 斬首されたアン王妃は首から上がない4人の騎手に馬に乗せられ森から現れると、自分の頭を手に持ちながらブリックリング・ホールの廊下を歩き回る。

 また、アン同様後に斬首された父トーマスも、娘アンの斬首を許可したことに対する後悔からか、橋を渡る姿が度々目撃されている。

 この敷地は1年中公開されており、多くの人がいわくつきの森を訪れるようだが、できれば5月19日は避けた方がよさそうだ。

8. ニュー・フォレスト国立公園(ハンプシャー州)


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 ニュー・フォレストは、イギリスで最も呪われた場所と呼ばれるほど、毎年幽霊を見たという目撃情報がかなり多く、それを肯定するかのように多くのポルターガイストや心理現象が発生している。

 最も有名なのは、森の中で自身の兄弟に殺されたという説があるイングランドウィリアム2世だ。また、ニュー・フォレストの郊外にある教会の墓地を歩く僧侶の幽霊も目撃されている。僧侶たちは霧がかかった木々に消える前に、石棺の近くに現れるという。

 更に、魔女がいたという説やうめき声や嘆き声が聞こえるという話など、この森には様々な幽霊話が語り継がれている。

7. ファウンテンズ修道院(ノース・ヨークシャー州)


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Dave-Carroll/iStock

 1132年の設立以降、イギリスで最も保存状態のいい修道院として知られるファウンテンズ修道院では、亡くなった僧侶たちの声が9つの祭壇から聞こえてくると言われている。

 この不気味な心霊説は、恐らく2,000人もの僧侶が修道院の下に埋葬されているからだとも伝えられている。これ以外にも、地面からは聖歌隊の詠唱も聞こえるという報告もあるようだ。

 広大な庭園と森林に囲まれているこの敷地の近くには、シカがいる公園もあり、より一層全体を神秘的な雰囲気にしているとも言われている。

6. 魔女の森(デヴォン州)


Lydford Gorge

 デヴォン州南西部のリドフォード峡谷にある「魔女の森」と呼ばれるこの森は、古代の樹木が生い茂り、多くの幽霊の住処となっているようだ。

 鬱蒼とした森は日中でも薄暗い。峡谷を通り抜けるとWhite Lady Waterfall(白い婦人の滝)と名付けられている30メートルほどの滝が見える。地元の人によると、白いガウンを着た女性の幽霊が滝の下に現れるという。

 峡谷には、「悪魔の大釜」と呼ばれている自殺の名所とされる不気味な場所もある。

5. ブラッドリー・ウッズ(リンカンシャー州)


Black Lady Of Bradley Woods | Wandering Lincolnshire Spirit

 リンカンシャー州にあるブラッドリー村には、ブラック・レディという幽霊が住む場所として有名だ。

 この女の霊は村の森に住みついており、何年にもわたり複数の目撃情報が寄せられている。黒く長いマントを着た女性は、霧の中から現れ、美しい顔から涙を流しているのだそうだ。

 この女性の幽霊については、様々な説がある。しかしそのどれもが現時点では決定的ではない。この幽霊が目撃者に害を及ぼしたという話は一度も報告されておらず、今でもひっそりとこの森に住み続けている。

4. キャノック・チェイス(スタッフォードシャー州)


We Explored A Haunted Forest That Holds A Black Eyed Girl.. (Found A Creepy Notebook)

 キャノック・チェイスの広大な田園地帯には、密集した森と空き地が広がっており、1960代の終わりに、この森で3人の小学生の女児が殺害されたことから、悪名高い地域として知られるようになった。

 しかし、この地域はそれ以前にも呪われていると伝えられている。キャノック・チェイスにある古いパブ「Four Crosses」では、かなり頻繁にポルタガイスト現象が起こっているという。子供たちが泣いている音や物が動く音、奇妙な足跡の音などはほんの一部と言われている。

 また、この森には「黒い目の子供」がいるという説もある。1980年代にこの子供を見たという母親の言葉を抜粋したものが、こちらだ。

振り向くと、背後にひとりの少女が立っているのを見ました。まだ10歳にはなっていないように見えたその少女は、両手で自分の目を隠していました。

(中略)私は、少女に大丈夫かと尋ねました。もしかして、叫び声をあげていたのはあなたなのかとも。すると、少女は目を覆っていた両手をだらりと下げました。…少女の目は完全に真っ黒でした。白目も、虹彩も、何もなかったのです。

(中略)私がもう一度見た時には、少女の姿は消えていました。とても奇妙でした。

3. デリング・ウッズ(ケント州)



Britain's Most Haunted Village (Screaming Woods Forest!)

 ケント州のプラックリーという村は、ギネスブックに「イギリスで最も呪われた村」として認定登録されている。その村から3kmほどの距離にあるデリング・ウッズも、多くの超常現象が起こっている場所だという。

 鬱蒼とした森の中からは、昼夜問わず絶え間ない悲鳴が聞こえてくるのというのだ。そのため、地元の人たちからは「スクリ―ミング・ウッズ(叫ぶ森)」という別名で呼ばれている。

 原因追究のために超常現象ハンターたちがこの森を頻繁に訪れるようだが、悲鳴が森のどこから聞こえるのか、また原因は何なのかということは依然として不明だ。

 「その昔、この森で自殺した大佐が歩き回っている」「ハイカーたちの目の前に突然幽霊が飛び出てくる」など、不気味な説がいくつも囁かれており、SNSには森の叫び声が録音された動画やそれを検証する動画なども多く出回っている。


2. ビシャム・ウッズ(バークシャー州)


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 ビシャム修道院の近くにある森林地帯は、かつてイングランド女王エリザベス1世の友人として知られたホビー婦人と呼ばれる女性が住んでいた広大な不動産の一部だった。

 一説によると、ホビー婦人は非常に誇り高く野心家で、厳しい母親だったそうだ。彼女は、末息子のウィリアムが自分のように高貴で、他のきょうだいたち同様高い教育を受けることを強く望んでいた。

 しかし躾の厳しさが災いし、ある日誤って息子を死なせてしまう悲劇が起こった。息子に体罰を加えた後、罰として部屋に閉じ込めたまま、女王エリザベス1世に呼ばれて出かけていた間のことだった。

 それ以降、ホビー婦人の幽霊がビシャム修道院と周辺の森に現れるようになった。目撃者によると、婦人は後悔に満ちた様子で涙を流しながら、血のついた手を洗っていたそうだ。

 息子を放置して女王のもとへ行ったことの後悔の念からか、地元の話では特に国内で戴冠式が行われる時には、悲しみをたたえたような黒い顔で白い服を着た婦人がよく姿を現すという。


1. ダートムーアのウィストマンズ・ウッド(デヴォン州)



Wistman's Wood, Devon. National Nature Reserve
 イギリス内で最も高地にある樫の木の森として挙げられる3つのうちの1つが、このウィストマンズ・ウッドだ。

 広大な湿原には無数の樫の木が生え茂っており、カントリーファイル雑誌には「この森の木々は、武装した無数の腕が通り過ぎようとする魔女の髪の毛を引っ掴むかのように見える」と記述されている。

 野生動物でさえ踏み込めないような荒れた森林地帯は、誰にも邪魔されることなく、より一層、鬱蒼とした外観になっている。

 地元では、木の精霊が猟犬の幽霊を使って、夜に侵入してくる者を排除するという説が伝えられている。森から猟犬の吠える声が聞こえると言う者もいれば、森には手が毛むくじゃらの移民がいて、捕えられて呪われると言う者もいる。

References:10 Forests In Britain That You Wouldn't Enter At Night - Listverse/ written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52275064.html
 

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