韓国のイメージがスポーツ界でも悪化の一途を辿っている。きっかけは先月28日に中国・成都で行われたサッカーの国際ユース大会「2019パンダカップ」。優勝したU-18韓国代表の選手たちが表彰式で愚行を働いた一件だ。

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 1人の選手がトロフィーを足で踏みつけ、他の選手もカップに向かって用を足すマネを見せるなど非礼極まりない様子が世界中に伝えられ、SNSでもあっと言う間に拡散。大騒動に発展した。事態を重く見た大韓サッカー協会(KFA)と韓国チームが謝罪したものの、中国側の怒りは収まらず大会優勝の権利とトロフィーのはく奪を決定。さらに中国側は今後、韓国チームを「パンダカップ」へ招へいしないことも示唆した。

「中国側は必要以上に批判的なムードを煽っている」

 どんどん「悪」のイメージが強まり、沈静化しない韓国バッシングにしびれを切らしたからなのだろうか。あろうことか一部の韓国メディアが「中国側は必要以上に批判的なムードを煽っている」などと〝逆ギレ〟し、ついには大会優勝の取り消しとトロフィーはく奪について「行き過ぎた決定である」とまで指摘し始めた。母国のメディアとはいえ、いくら何でもこの主張はメチャクチャだ。この韓国メディアの開き直りぶりには当然ながら中国側もかなりおかんむりの様子で騒動が収束する気配は一向に見えてこない。ヘタをすれば中韓関係の間にもミゾが深まりそうな気配だ。

 その余波を兄貴分たちもモロに受けてしまった。ポーランドで行われているサッカーU-20ワールドカップに参加中のU―20韓国代表だ。4日に行われたばかりの決勝トーナメント1回戦ではU―20日本代表を下して8強入りを果たしたものの、アジアの宿敵を下しながらイレブンたちの喜びは控えめで表情もどこか冴えないようにも見えた。

 それもそのはずでチームの面々は〝トロフィー騒動〟が発生した直後、宿舎に急遽集められると大韓サッカー協会のキム・パンゴン副会長から異例の形で直々に「韓国を代表するチームとして品格と礼儀を厳守し、あらゆる行動に細心の注意を払うように」と言い渡されていたのである。

 日韓戦もとい韓日戦に勝てば、いつもの韓国代表チームなら得意げに狂喜乱舞するはず。しかしながら、ここでバカ騒ぎすると世界中から「やっぱり韓国という国は・・・」と揚げ足を取られかねない。喜びを出来る限り押し殺していたのもうなずけるが、この先もU-20韓国代表は大会で駒を進めるごとに一挙一動が必要以上に衆人監視のもとにさらされる。そして仮に大会優勝を果たせば、いくら慎ましくしていようとも同じ表彰式の場において自分たちの態度と比較される形でU-18韓国代表の犯した〝トロフィー騒動〟の一件が嫌でも再びクローズアップされることになるだろう。

 ちょっとでもはしゃごうものなら、「韓国は反省の色がない」とブッ叩かれるのは必至。兄貴分たちは愚弟たちの過ちによって何とも重い十字架を背負わされるハメになってしまったようだ。

繰り返される韓国選手の「暴走行為」

 とはいえ、これは韓国側が招いた「自業自得」とも言える。韓国のスポーツマンシップの欠如は今に始まったことではないからだ。それが証拠に韓国のスポーツ選手たちは過去に何度か暴走行為を犯し、問題視されている。そして、その多くが「対日」がらみである点も見過ごしてはいけない。

 2011年1月にはサッカー韓国代表MF・奇誠庸キ・ソンヨン=現ニューカッスル・ユナイテッドFC)がアジアカップ準決勝の日本戦で前半にPKを決めた際、テレビカメラの前でサルの顔真似を行い、大きな物議を醸した。この猿真似は近年の韓国社会で日本人を軽蔑する際に行われる行為とされていたことから、奇が「対日」で日本を侮辱するために人種差別的な挑発に及んだのは間違いない。実際に奇は当日の試合会場でスタンドの旭日旗を見たことで「涙が出た」といい、それで猿真似をしたとツイッターで釈明している。ただその後、関係者の間では「旭日旗はどこにもなかった」とする証言しか得られず、奇の釈明の信憑性には疑問符が投げかけられた。

 2012年のロンドン五輪男子サッカーの3位決定戦では日本代表を相手に勝利した後、韓国代表MF・朴鍾佑(パク・チョンウ=現水原三星ブルーウィングス)が上半身裸になってハングルで「独島(竹島の韓国側呼称)は我が領土」と書かれた紙を掲げ、大きな波紋を広げた。FIFAから政治的パフォーマンスが禁じられているにもかかわらず強行したことで朴には国際Aマッチ2試合の出場停止処分と罰金が科せられている。それでも朴は公然と「日本が嫌い」と言い切り、自らの行為についても「間違っていない」としたのだから勢いでやってしまったのではなく、完全な反日主義者で確信犯だったということなのだろう。

 サッカーだけではない。2006年に行われた第1回ワールド・ベースボール・クラシックWBC)では野球韓国代表が第1次ラウンドに続き、第2次ラウンドでも日本代表に連勝。日本代表・イチロー(当時シアトル・マリナーズ)の発言が韓国メディアの報道によって「韓国は30年間日本に勝てない」と曲解され、それを真に受けていた韓国代表は喜びの余りにエンゼル・スタジアムのマウンドに自国の太極旗を突き立てるというパフォーマンスを強行し、ひんしゅくを買った。

 それでいながら2009年の第2回WBCでも韓国代表は同じ愚行を平然と繰り返している。2次ラウンドで日本代表に勝利すると懲りずにペトコ・パークのマウンドへ再び太極旗を刺し、悪びれる様子もなく全員で喜びを分かち合っていたのだ。

 第1、2回WBCともに筆者は韓国代表チームの〝太極旗パフォーマンス〟を現地で取材しながら嫌な気分を味わったが、同じ現場にいた米国人記者たちも「どの競技においても自分の国の国旗を突き刺すという行為は許されない」「韓国は相手国へのリスペクトが欠けている」などと口々に批判を向けていたことを鮮明に覚えている。

一部の愚行で霞む、真面目な韓国人選手の頑張り

 韓国から海外に飛び立ち、活躍中の選手は今も数多くいる。これまで筆者はサッカー孫興慜ソン・フンミントッテナム・ホットスパーFC)、野球の秋信守(チェ・シンス=テキサス・レンジャーズ)を取材する機会に恵まれ、2選手とも非常に向上心が高く人間的にも素晴らしいと感じた。真面目に努力している韓国の選手も大勢いるのだ。ところが、韓国代表を巡ってコンスタントに噴出する反スポーツマン的行為が彼らの頑張りに水を刺すかのごとく「嫌韓ムード」にどんどん拍車をかけていく。いくら頑張っている選手が中にはいても、吹き荒れる逆風によって韓国人選手の評判を落とすことにつながってしまうのである。

 日本人の抱く韓国への感情も従軍慰安婦をめぐる財団解散、徴用工訴訟、レーダー照射などの難題によって最悪の状況だ。まずはスポーツの世界からでもいい。韓国側が「今の自分たちのスタンスではまずい」と現状に危機感を覚えることが先決ではないか。個々に常識とマナーの徹底を図り、意識改革を履行させていかなければ、日本を含め世界中からソッポを向かれることになる。もちろん自分のような立場の人間が偉そうに提言したところで、韓国が変わるはずもないだろうが・・・。ただ、今の姿勢のままでは韓国がスポーツ界でも凋落の一途を辿っていくことは目に見えている。

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中国・成都で開かれた2019パンダカップの表彰式でトロフィーを踏みつける韓国選手(写真:Osports Photos/アフロ)