中国のユニクロがこのほど、現代アーティスト「KAWS(カウズ)」とコラボレーションしたTシャツを販売したところ、大勢の客が殺到して騒動となった。その騒動の様子を撮影した動画や写真が簡易投稿サイト「微博(ウェイボー)」などに掲載されて拡散した。

 ネット上に拡散した動画や写真を見てみると、コラボTシャツを求めた中国人消費者たちは開店前から店先に集まり、オープンの時間になってシャッターがわずかに開いた瞬間、這いつくばりながらシャッターをくぐり抜け、我先に店内に駆け込んでいく様子が映っている。

 そして、店内に入った消費者たちは目当ての商品が陳列してある棚に一目散に駆け寄ると、商品の奪い合いをはじめ、両手いっぱいにTシャツを抱えたり、商品を引っ張りあって奪い合ったりしている。せっかく手に入れたTシャツを他人に奪われないよう、Tシャツを抱えて床にしゃがみ込む人や、他人のTシャツを狙う男性の姿も動画には映し出されていて、まるで略奪が行われているかのようだ。今回の騒動によって、一部の店舗ではシャッターが壊されたり、店内のマネキンから服を脱がそうとしてマネキンが壊されるといった損害も出たようだ。

 一部の中国人消費者が見せた理性的とは言えない行動に対して、中国の各メディアは「信じがたい行動」であるなどと批判しているが、その一方では「転売目的の中国人が転売の利益を目的に争奪戦を繰り広げたのではないか」という見方もあるようだ。コラボTシャツを求めて繰り広げられた消費者の蛮行について、一部では「恥ずかしい」、「メンツが立たない」と感じた中国人もいたようで、中国メディアの今日頭条は5日、今回の騒動が日本や欧米でどのように報じられ、どのような反応があったかを紹介する記事を掲載した。

 記事は、今回の騒動がYouTube(ユーチューブ)やInstagram(インスタグラム)といったソーシャルメディアで拡散したことを紹介し、日本や欧米では「恥ずべき行為だ」、「世の中にはこのような行為に値するものなど存在しないはずなのに、中国人はなぜここまで必死なのか」といった声があがったと紹介。また、理性的とは言えない一連の行為に対し、「まるでゾンビの群れ」といったコメントも見られたことを伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

まるで略奪! 中国のユニクロで起きたコラボTシャツ争奪戦は「ゾンビのようだ」=中国メディア