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 「友人とは何か?」ちょっと哲学的な質問だが、一般的には対等な関係にあり、お互いに心を打ち明けられる親しい存在と言ったところだろう。

 では「理想の友人像は?」となると人それぞれだ。相性はもちろんあるだろうが、誠実さや思いやり、面白さや共通の趣味など、様々な理想像があるはずだ。

 最近ではインターネットの普及により実際に会って行動を共にするリアルな友人とは別に、ネット上だけで親しくするネット友人も存在する。

 新たなる研究によると、実際の友人とネット上の友人の選び方には違いがあるという。

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ネットでの理想の友人選びを調査

 カリフォルニア州のスタンフォード大学とカリフォルニア大学デービス校の研究グループは、ネット上の友人に関する調査を、デービス校に在籍する140人の学生を対象に行った。

 最初の段階では、例えば「野心的」「寛大」「運動好き」など19の性格特性リストを含むアンケートが配られ、被験者らはこのリストから友達になる人に求める最も望ましい特性、また最も望ましくない特性それぞれ3つを選ぶよう指示された。

 その3週間後、同じ被験者らは友達候補となる新しい人との出会いを設定され、実際にその人物に対面する前に、1枚のプロフィールを与えられた。

 このプロフィールには、これから会う人物の特性が書かれてあるのだが、これは被験者らが最初に選択した「友達に最も望む・最も望まない特性」のうち、どちらかの特性が記されてあるという。

 実験では、被験者は潜在的な友人となる人物と対話をするにおいて、直接顔を合わせ向き合って座り合うか、ライブチャットを介して対話をするかという2つの方法のうち1つを選択した。

 対話中には、被験者と友人候補の人物ができる限り客観的に、一連の写真をそれぞれ説明するよう求められた。ちなみにこの友人候補の人物は、全ての質問に同じ答えで対応した俳優である。

 そしてその対面後、被験者らは再びこの人物と友情を築くことに興味があるかどうかを評価した。

 今回の実験で、研究者らは被験者の予想される友人の嗜好を、次の3つの情報条件下で調査することができた。

1. プロフィールに記載されてある情報のみを使用

2. プロフィールを読み、ライブインタラクション(実際の対面)で友人候補となる人物を観察

3. プロフィールを読み、オンラインチャット環境で友人候補となる人物を観察


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ネットの場合プロフィールから理想の友人を選び出す


 その結果、興味深いことに、私たちがネット上で友達を選ぶ方法は、実生活の中で友達を選ぶ方法とは根本的に違うということがわかった。

 被験者らは、もし相手のプロフィール上に自分が最も望ましいと思われる特性が含まれていた場合は、対面していないにも関わらず、その人物と友人になることにかなり高い関心を示した。

だが実際に対面するとプロフィールの特性を気にしなくなる

 しかし、実際にその人物と対面すると、理想の友人像に対する関心が薄れることもわかった。プロフィール上にあった特性をあまり気にしなくなったのである。

 この結果のパターンは、オンラインのボイスチャットにも当てはまったそうだ。

 写真を客観的に説明するなど互いにとって無害な質問をし合う行為は、「この人は理想的な友人なのか否か」を見極める自分の見解を完全に消失させてしまったようだ。

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Pixabay

ネット友人はプロフィール特性で判断、リアル友人は本能で判断


 つまりは、私たちがオンラインプロフィールから理想の友人を追究することを選んだ場合、自分の「こうあるべき」という友達に対する理想的な基準にマッチする可能性が高いということを研究者らは示唆している。

 一方、直接対面して会話をした場合やネット上でチャットをした場合など、実生活上で友達を選ぶとなると、私たちは理想を放り投げて本能で判断する傾向にあるようだ。

 この研究は情報誌『Social Psychology and Personality Science』で発表された。
References:How Do We Choose Our Online Friends? | Psychology Today Australia/ written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52275119.html
 

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