女優の早見あかりが主演する映画『女の機嫌の直し方』が6月15日に公開される。AI研究者・黒川伊保子による同名書籍を原案にした本作は、結婚式場で巻き起こる男女のトラブルを解決していくハートフルコメディ。男女の話題だけに和気あいあいだったという撮影現場の雰囲気から、本作を「もっと早く知りたかった」と思ったという自身の結婚、仕事観について語ってもらった。

【写真】笑顔はじける! 早見あかりインタビューカット集

 「まず思ったのは、『面白い』と、『勉強になるなあ』でした」。最初にこの作品の脚本を読んだときの感想を聞くと、早見は笑いながらそう答えた。演じるのは大学でAI(人工知能)を研究し、データ収集のため結婚式場でアルバイトを始める理系女子・真島愛。松井玲奈と佐伯大地が演じるカップルの結婚式を担当するものの、さまざまなトラブルが勃発。愛がそれを「男女脳の違い」をもとに解決していくという物語だ。

 作中には男女の考え方の違いや、なぜそこから男女間のトラブルが起こってしまうのか…という知識がぎっしり。そのため、撮影中は出演者もスタッフも、作品について常に和気あいあいと話し合っていたのだとか。

 「男性も女性もみんな、『これはこうだよね』とか、『分かる』『いや、分からない』って話をしていて。こんなにみんなが共通して話せるテーマってなかなかないし、人によっては過去の恋愛事情だったりとか、『こんなこと、初対面の人には話さないよね』みたいなことも話していたり。だから撮影期間は短かかったんですけど、すごく深いところまでみんなのことを知ることができた気がします」。

 劇中では結婚式のために奔走する役柄だが、早見自身は昨年末に結婚したばかり。この映画に出てくるような“男女のぶつかり合い”について「最近はそういうのもなくなった」というが、「(本作を)もっと早く…一番ケンカが多くてイライラしてる時期に知りたかったです(笑)」とも。「4年間お付き合いしてから入籍したんですけど、最初の2~3年はケンカすることもやっぱり多かったです。本当にぶつかることがありすぎて、『違う人間同士が同じ価値観にすり合わせることは無理』だと分かった上で結婚したので…」と明かす。

 こう聞くと、物事をはっきり言うタイプに見えるかもしれない。しかし意外と、“内”と“外”があるようだ。「恋愛でも日常生活でも、家族や身近な人だけに自分の気持ちをぶちまけるタイプです。そういう相手にはすごくわがままになるし、逆にそれ以外の人とはぶつかったり、揉めることはほとんどないんですよ。『面倒くさいからいいや』って飲み込んじゃう。恋愛も、とにかく相手に尽くすタイプだったんです」と自己分析する。

 ただ一方で「でも今の夫に対しては、最初からわがままになれて、これまでの恋愛とは全然違ったんですよね」と夫との関係性を明かす。

 その表情から、公私ともに充実している雰囲気が伝わってくる。こうなってくると気になるのは、家庭と女優業のバランス。ただ、彼女自身は「自分で働きたいタイプです。家にずっとこもっているのは本当に無理」ときっぱり。「お芝居がすごく大好きで、女優という仕事がとにかく楽しい。この仕事は出会った人と3ヵ月ぐらいでお別れが来て、また新しい人と出会って、ずっと新しいことに挑戦し続けないといけない。それがまた私にとっては楽しいんです。飽きないですよ!」。

 女優として飛躍していく彼女の姿が、今後も観られそうで一安心。まずは今作で生き生きと走り回る、彼女の魅力を確認しようではないか。(取材・文:川口有紀 写真:高野広美)

 映画『女の機嫌の直し方』は6月15日より全国順次公開。

早見あかり、映画『女の機嫌の直し方』インタビュー クランクイン!