開幕から2日間で示した欧州勢の強さ ドイツも中国を1-0で破る

 フランスで開催されている女子ワールドカップ(W杯)は現地時間8日に3試合が行われ、A組とB組の初戦を終えた。その結果、欧州勢が4戦全勝という強さを見せつけている。

 現地時間7日の開幕戦では、開催国フランスが4-0で韓国を圧倒した。そして大会2日目に行われた3試合では、いずれも欧州勢がアジアとアフリカのチームを打ち破る結果になった。

 女子W杯で2回の優勝を誇るドイツは中国と対戦。前半からボールを支配したドイツは時に中国の鋭いカウンターに手を焼いたものの、後半21分にMFジュリアグウィンの強烈なミドルシュートで決勝点を奪い、1-0の勝利を収めた。国際サッカー連盟FIFA)の公式スタッツでは、シュート数はドイツから見て18対4で、ボール保持率も62パーセントと、スコア以上に試合を支配しての勝利だったことが表れた。

 アンダー世代での躍進が目立つスペイン南アフリカと対戦。試合は前半に先制した南アフリカスペインの猛攻に耐えて1点リードを守り切るかという展開になったが、後半24分に相手のハンドでPKを得たスペインが同点に追いつくと、同37分にもビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の助言で映像確認の末に再びPKを得たスペインが勝ち越し。さらに試合終盤に1点を追加したスペインが3-1で勝利した。

 そして、この日の最終戦は女子サッカーの伝統国でもあるノルウェーナイジェリアの一戦。ノルウェーは昨年のバロンドール獲得のFWアーダ・ヘーゲルベルグが協会との対立で不出場とエースを欠いた状態で出場となったものの、前半だけで3点を奪って3-0の完勝。結局、大会初日と2日目の4試合ではすべて欧州勢が勝利を収める結果になった。

来年の東京五輪に向けても注目ポイントに

 近年、欧州では男子のビッグクラブが女子チームにも投資を行う傾向が顕著で、イングランドプレミアリーグには巨額スポンサーが表れるなど、環境は急速に整っている。大会3日目以降にも、前述のイングランドや女子欧州選手権の優勝国であるオランダ、男子の世界的名門ユベントスACミランが女子チームを立ち上げ、その所属選手が大半を占めるイタリアも登場する。

 フランスでの開催で“地の利”もある欧州勢は、これまでアメリカが中心にあった女子サッカーの勢力図を大きく塗り替える可能性を秘めている。2大会ぶりの優勝を目指すなでしこジャパンの前にも、グループリーグではイングランドスコットランドが立ちはだかる。来年の東京五輪を展望するうえでも、今大会の注目ポイントの一つになりそうだ。(Football ZONE web編集部)

欧州勢が開幕4試合で全勝という強さを見せつけている【写真:Getty Images】