6月14日(日本時間、15日昼前)にニューヨーク(NY)のマディソン・スクエア・ガーデンで行われるベラトールバンタム級タイトルマッチ(Bellator 222)で、同王者のダリオン・コールドウェルと対戦する総合格闘家の堀口恭司選手。2018年末の「RIZIN.14」でコールドウェル相手に劇的逆転勝利を果たして以来のリターンマッチとなる。

マンハッタンのど真ん中の屋外、エンパイアステートビルを背景に公開スパー


 この日は、試合会場となるマディソンスクエアガーデン(MSG)の目の前に設けられた特設練習場で、メディアやファン、NYの街を通りすがる人々の前で公開練習を行った。

 堀口が所属するフロリダ「アメリカン・トップ・チーム」のコーチで、UFC等、数々の格闘技団体で活躍したマイクブラウン氏を相手に打撃やフットワークを披露。「仮想コールドウェル」として、堀口がRIZIN.14にも連れてきた同僚のジョシュア・スミス選手を相手に立ち技、寝技、レスリング等を行い、順調な仕上がりを見せた。

 公開練習が終わると、見物していたアメリカ人のファン数十人から「UFCの時から見てました!」と声を掛けられ、サインに応じる等、アメリカでの堀口人気は健在だった。

「金網の方が得意」

 また、公開練習の後に行われた「メディア・デイ」(試合前会見)のフェイスオフでは、対戦相手のダリオン・コールドウェルと昨年末の「RIZIN.14」以来の対面。

 堀口が壇上に上がるなり、コールドウェルがベラトールチャンピオンベルトを差し出す仕草を見せると、堀口もそのベルトをつかみ取ろうと応戦。両者笑い合う、お互いを認め合うからこその和やかな雰囲気のフェイスオフだった。

 日本の記者会見とは違い、各選手がブースごとに分かれて、そこに各メディアが個別にインタビューをしに来る形式のメディアセッション。来場していたほとんどのアメリカメディアが堀口のブースを訪問し、インタビューを行った。アメリカでの堀口の注目度の高さが際立っていた。

 以下、各メディアとの一問一答。

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UFC時代以来のアメリカでの試合、金網での試合について

記者: UFC時代以来のアメリカでの試合です。おかえりなさい!アメリカでの試合はいかがですか?
堀口: そうですね、懐かしいですね。アメリカが好きですし、とても興奮しています。

記者: 久しぶりにアメリカでの試合となります。
堀口: ベラトールで、アメリカで戦える事が凄く嬉しくて、そしてタイトルマッチにすぐ抜擢して頂いて光栄です。

記者: 日本のRIZINで素晴らしい戦いをしていて、チャンピオンなのに、なぜリスクをおかしてまで、今回の戦いに挑む事を決めたのでしょうか?
堀口: MMA自体をもっともっと大きく、格闘技自体をもっともっと有名にしたい。(RIZINとベラトール)両方のベルトを自分が獲る事によって、両方の意味で、日本も盛り上がるし、世界でも盛り上がるかな、と思って決意しました。

記者: もし勝つと史上初の2団体でのチャンピオンとなる偉業を成し遂げる事になりますが、それはあなたにとってどのような意味を持ちますか?
堀口: 自分にとってではなく、MMA全体にとって良い影響になるのではないかと思っています。

 自分が初めて2つの団体のベルトを獲る事によって、格闘技界に新しい流れができてくるのではないかと思います。例えば、UFCチャンピオンと戦うとか、色々な事が可能になってくるのかな、と思っています。

記者: リングと金網の違いに関しては?
堀口: 何も変わらないです。関係ないです、試合するだけです。

 自分はもともとケージ(金網)の方が得意なので、全然問題ないです。練習環境として、自分が所属しているアメリカン・トップ・チームはケージが多くて、むしろリングが無いので、やりやすいですね。

 リングに比べて広いので、やりやすいです。

記者: UFC時代の堀口選手と今の堀口選手、何が違うのでしょうか??
堀口: トータルで全てスキルアップしています。寝技も、立ち技もアップしていて、コンプリートファイターになっていると思います。

記者: この試合に勝つと世界のバンタム級のランキングが群雄割拠となります。セフード選手もこの前良い試合をしました。
堀口: この試合に勝つと、トップと並ぶくらいになるのではないかと思います。

記者: あなたはとても謙虚ですね。
堀口: (英語で)オフコース、アイアム日本人、ハハハ!

NYで試合をする事について

記者: NYへ入って調子はいかがでしょうか??
堀口: (英語で)とても良いですね。でも、デカいビルばかりで戸惑っています。僕は自然の中が好きです(笑)。

 (拠点としている)フロリダと時差が無いので、バッチリです。

記者: NYは初めてですか?
堀口: 2回目ですが、試合をするのは初めてです。

記者: マディソンスクエアガーデンでやると言う事に関して、何か特別な思い入れはありますでしょうか?
堀口: う~ん、みんなそれを聞くんですけど、自分にとってはどこでやろうと、普通ですね…(笑)。どこでやろうと、自分の良いパフォーマンスを見せる事ができれば、と。

日本を代表すると言う事

記者: 先ほどの外での公開練習ではRIZINのグローブを付けていましたが、RIZINを代表すると言うプライドがありますか?
堀口: あります。それと同時に、MMA自体を盛り上げていきたい気持ちがあります。

記者: 前回コールドウェルと対戦した時と、今回の違いはなんでしょうか?
堀口: (英語で)え?リングでやるか、金網かの違いだけだと思います(笑)。そんなに変わらないと思います。

記者: なぜ1戦目、あのような一本勝ちができたのでしょうか?
堀口: コールドウェル対策で色々と分析をしていた中で、あのようなギロチンで負けているところを見ていたので、それを自分もやろうと思って練習して来ました。

記者: 一度やっている相手と再びやると言う事は、前回とは気持ちは違うのでしょうか??
堀口: 気持ちは変わらないですけど、前回戦った時に比べると自分の技も見ていますし、体験していますし、強くなっていると思います。自分もそれに負けない練習をしてきたので、また違った戦いになるかと思います。

 練習内容は変わらないですけど、前回戦ってこちらの戦い方、動き方も分かっていると思うので、その上での対策、準備もしています。

記者: 今回、コールドウェルは前回より良い状態で来ると思いますか?
堀口: 日本のリングとかに慣れていなかったと思うし、顔見ても調子良くなさそうだったので、今回、彼を違う選手だと思って戦おうと思っています。

記者: コールドウェル選手が、この試合に勝ったらヘンリー・セフード、スタリーンとかUFCのトップ選手達とやりたいと言っていましたが、あなたであれば、彼らと対戦するとしたらどのような試合ができると思いますか?
堀口: 自分自身、渡り合えると思っているので、まずはこの試合にしっかり勝って、その後にそう言う事を考えようかな、と思っています。

記者: 今回、コールドウェルが勝ったとしたら1勝1敗だけど、3戦目はあるんでしょうか?
堀口: う~ん、今回倒す事しか考えていないんで…。

記者: 今回、タイトルマッチなのですが、メインカードの最初の試合ですが。
堀口: いやー、自分は相手を倒すだけなので。

模範生・堀口恭司、寮の名前が「Horiguchi Hall」と看板が掲げられる

記者: マイクブラウンコーチから学んだ事は?
堀口: 自分に足りなかった事を付け加えてくれて、自分が分からない事を指摘してくれて、それで成長できたと思います。

記者: コーチマイクブラウンから、堀口選手はアメリカントップチームの寮に住んでいて、みんなの模範だから、寮の名前が「Horiguchi Hall」と名付けられたと聞きました。
堀口: ははは!ジムが1階、寮が2階だから、楽ですね(笑)。そんな名前を付けてもらって恐縮です(笑)。

記者: 驚きましたか?
堀口: 年末のRIZINを終えて、年明けに戻って来たら、そんな看板ができていたのでビックリしました(笑)。

記者: アメリカントップチームは家族のような感じですか?
堀口: そうですね、移籍してからはそこの一員と言う自覚がありますし、「ホリグチホール」と寮に名前が付いてからは、より一層、自分が頑張らなくてはと思いました。

記者: お父さんが腕相撲が強いと聞きました。今はどちらが強いですか?
堀口: (英語)父ですね(笑)。なぜか分からないですね(笑)。自分は毎日トレーニングしているのに(笑)。

記者: トレーニング以外は何をしているのですか?
堀口: 釣りです。あと、最近車を買ったので、それで出かけています。

その他、一問一答

記者: 同僚のキング・モーが引退しましたが、一言お願いします。
堀口: 一緒に練習してきたので寂しいですけど、コーチをやるみたいなので、また顔を合わせると思います。選手お疲れ様でした、これからコーチとしてよろしくお願い致します。

記者: RIZINの7月ではバンタム級の好カードが組まれていますが、誰が次、堀口選手の相手になると思います。
堀口: 分からないです。

記者: ファンへメッセージを。
堀口: Enjoy my fight!

6.14(日本時間6/15(土)昼前) 堀口恭司vsダリオン・コールドウェル「Bellator 222」の中継はコチラ!!
2018年末、堀口恭司の劇的勝利のリターンマッチ@NYマディソンスクエアガーデン!!

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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