子どものしつけのしかたは家庭によって違います。とはいえ、外出先で「間違ったしつけのしかたではないか」と感じる親子に出会うことも少なくありません。

ブロガーのただっちさんは、夫婦で一緒に出かけたスーパーマーケット(以下、スーパー)で、ある親子の悲しくなるやり取りを目にします。

キツイ場面を見てしまった

会計のため、レジの順番を待っていた、ただっちさん夫婦。

しばらくすると、2つほど前に並んでいた幼稚園生くらいの女の子が、「トイレへ行きたい」といい出しました。

レジ待ちの列が長いことにイラついていたのか、父親は女の子を責め始め…。

自分たちの番が来ると、父親は荷物をレジの台に置いて列を離脱。女の子をスーパーの入り口まで連れて行きました。

「叩かれたりしないか」と女の子のことを心配したただっちさんは、ソッと親子の後について行きます。

女の子を1人残し、レジに戻ってしまった父親。

「車が通るし、変な人もいるかもしれない」と思ったただっちさんは、念のため父親が戻ってくるまでそばで見守ることにします。

父親を待ちながら、ただっちさんは女の子の気持ちを想像しました。

「小さいころは親がすべてだから、きっとひとりぼっちで…」

いたたまれなくなった、ただっちさんは、ちょっとした行動を起こしました。

いまの自分にできること


「いい感じのおばちゃん感を出したかった」というただっちさん。以前、事故に遭った時に見知らぬ人から声をかけられ、不安が和らいだ経験から、通りすがりの人を装って女の子に声をかけたのです。

誰だって失敗する、バカなんかじゃないんだよ」と伝えたかったのですが、うまく伝えられませんでした。

悔やみながらまた離れて見守っていると、会計を終えた夫が合流。その後、女の子の父親が戻ってきます。

怒りながら帰って行った父親を見て、将来の子育てについて不安を覚えた夫。

一方、ただっちさんは「親が子どもの何でムカついたり、疲れてしまうのかはいまは分からない」と思いながらも、女の子の気持ちを考え続けました。

しかし、後悔はつのるばかりです。

あの子の年齢に応じた
言葉だったかも分からないし、
いい感じのオバちゃん感が出せてなくて
逆に怖がらせたかもしれない

あれはあの子にとって
プラスの行動になったのだろうか
...色々考えてしまう

ただの主婦が東大目指してみた ーより引用

「あの女の子がお父さんかお母さんと一緒にいて、笑ってる姿をひと目見たい」というただっちさん。ブログの最後で、次のように表現しています。

「あのスーパーに行ってこのことを思い出すたび、あの子がいないか…」

「私はあのシーンしか見ていないから、ただただあの子が…」

スーパーで女の子の姿を見かけたとしても、特に何かするわけではないそうです。

ただ、脳裏に焼き付いてしまった女の子の悲しい顔をどうにかしてあげたいのでした。

ただっちさんの投稿には、さまざまな意見が寄せられています。

・自分だったらどう行動するかを考えさせられました。

・見て見ぬフリをせず、女の子を見守ったただっちさんは偉いと思います。

・どれほど怒っていても、子どもを危険にさらすのはやっぱり違いますよ。

・子どもにとっては虐待に近い行為だと思います。でも、親の気持ちもとてもよく分かります…子育ては難しいですね。

・お父さんは女の子ときちんと話し合って、「尿意がなくても便器に座る」とか前向きな対策を取ってほしいです。

第三者が親子の間に割って入り、問題を解決するのは困難。ですが、一見ささいなことでも私たちにできることはたくさんあるはずです。

子どもが危険な目に遭わないよう見守ったり、不安を消そうと声をかけたりすることも大切。

例え劇的な変化は起こせなくとも、誰かの優しさはきっと相手の心に残ることでしょう。


[文・構成/grape編集部]

出典
ただの主婦が東大目指してみた