「AI(人工知能)推進社会」が進むにつれ、それに関わるIT技術者はもっと必要になるはず。ところが、AI・IT関連の職種を「志望しない」大学生が全体の75.4%にものぼることが、マイナビの調査でわかった。2019年6月12日の発表。来春卒業見込みの大学生を対象に聞いた。

職種との関連性が高い理系男子で67.1%、理系女子は81.0%が「志望しない」という。

求められるスキルが「わからない」

調査によると、大学生に「志望するAI・IT関連の職種があるか」聞いたところ、「志望しない」と答えた学生が全体の75.4%にのぼった。文理男女別にみると、文系男子は72.7%、文系女子の82.4%に対し、得意分野であるはずの理系でも男子67.1%、女子で81.0%が「志望しない」と答えた。

そこで、「AI・IT関連職種を志望するうえで困難に感じること」を聞いてみると、「どの程度プログラミングスキルを求められるのか、基準がわからない」と答えた学生が61.1%で最も高かった。

次いで「選考でみられるポイントがわからない」の25.5%、「必要とされる能力がわからない」の24.4%と続いた。採用する企業側は、学生のこうした疑問に答えられるよう、具体的な業務内容や必要とされるスキルなどを明確に示す必要がある。

一方、「志望する」とした学生の中で、最も高かった職種は、システムエンジニアの12.9%。次にプログラマーの7.8%、ITコンサルタントが6.5%、ネットワークエンジニアの4.7%と続いた。

昨今注目を集める「データサイエンティスト」はわずか3.3%で、企業側のニーズと学生の志望度に大きな違いがあることが明らかになった。

不安な文系、理系は「適応力あるので心配していない」

AI推進社会の中で働いていくことについて、学生の33.3%が「業務効率が上がるだろうと期待している」と答え、全体の3分の1という高い結果になった。2位は「スキル・知識がないから不安」で27.4%。3位は「自分の就きたい仕事へAIがどう影響するかわからない」の22.3%だった。文理別にみると、スキルや知識、適性がないなど、文系は理系に比べて、不安を感じるという割合が高い。

一方、理系は「環境への適応力があるので特に心配はしていない」など、AI推進社会で働くイメージができている、とする割合が高かった。また、専門分野の知識・技術が身についている大学院生のほうが、理系学部生よりもAI・ITを活用した仕事のイメージができている様子がうかがえた。

「AIとどのように働いていきたいか」の問いには、全体として「AIを活用して仕事の効率化を図りたい」と考えている学生が、43.6%と最も高かった。男女別で比較すると、女子は「AIに代替されない仕事につきたい」や「AIを使えなくても新しい環境に順応したい」という割合が高く、男子は「AIを活用して新しい仕事をつくりたい」と考える傾向が高かった。

さらに、AI・IT関連職種で志望する「業種」について聞いたところ、全体で「ソフトウェア・情報処理・ネット関連」が48.9%で最高。次いで「通信」の11.4%、「電子、電気機器」の9.9%となった。

マイナビは「AI・IT関連の職種が必要とされている場面は少なくないが、学生にとって志望先としてイメージしやすいのが、この3業種といえるだろう」とみている。いずれにしても、採用する企業側は具体的な情報を学生に提示して、仕事への理解を促す必要がありそうとしている。

なお、調査は2019年4月24~30日にインターネットで実施。2020年卒業見込みの全国の大学4年生、大学院2年生7342人を対象とした。

AI推進社会なのに、学生には不人気!?