令和元年の今、The昭和なOPTION誌を懐かしむってのもオツだと思わない?

ってことで、超久しぶりにお届けしているPlay Back The OPTION。今回のその4では、1985年の耐久レース第2戦「富士500マイルレース」の結果をOPT・Z、トラスト・セリカ、雨宮・RX-7レース模様をお届けです。完走、ブロー、クラッシュ、リタイヤ…。個々それぞれ、いろいろでした~。

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OPT300ZX富士耐久レース挑戦第2戦目
<富士500マイル・レース> 1985年7月27~28日

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【OPT300ZX 最終記録】

(1コーナークラッシュ・リタイヤ)
周回数:116周/所要時間:4時間23分8秒8/平均車速:116.65km/h/平均ラップタイム:2分16秒10/総走行距離:511.56km

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■クラッシュ初体験にドキッ!

第1戦での完走。そして今回は10秒もラップタイムが上がり上位への期待は膨らんだ。前回使用したOPTのタレ幕を忘れてしまったため、ピット前にOPTステッカーを付けたり、スタンドからの目印としてTシャツをぶらさげるなど、ルンルン気分のピットクルー

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レース中はタイヤトラブルブレーキトラブルなどが発生したが、終盤まで何とか走行が続いた。しかし、レースは最後まで分からない。終盤トップの周回数の70%をクリアするためラップタイムを上げようとしたときに事件が起きた。第1コーナーでのクラッシュだ。結果はリタイヤとなり、ピットは無念さでいっぱいだった。

しかし、悔しがってばかりではない。最終戦に向けてのファイトはいやが応にも盛り上がったのだ。

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■OPT・Z、かく戦えり

ただひたすら残念だった、悔しかった。あと20分、あと12周走っていれば完走だったのに…。

「第1戦はストリートチューンで完走した。今回は本格的なマシンでやる!」というDaiの意気込みで、OPT・ZはエンジンはVG3.4Lターボ、足まわり強化、そしてタイヤもついにスリックを採った。戦闘力は飛躍的にアップしているハズだ。

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しかし、はっきり言って3.4Lユニットには不安がつきまとった。シェイクダウンラッピングもそこそこに本番なのだから、エンジンは1基のみ。トラブればすべてがそこで終わってしまう。レブリミットはマージンを見て6000rpmに設定されている。が、もちろん壊れる限界まで回したことはない。このリミットもあくまで「これくらいなら大丈夫だろう」との見込みにすぎないのだ。足まわり、タイヤも心配だ。トラスト・セリカみたいに十二分に煮詰まってバッチリなんて夢のまた夢なんだから。

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が、それなりに大事に持たせて走ればけっこういけるハズとの経験的楽観も決して小さいわけじゃない。不安と期待の入り混じった予選。

ポールポジションは#25アドバンアルファ962、1分19秒69の驚異的タイム! OPT・Zは1分42秒68、ホッ…壊れなかった。しかも決して遅くない。デビュー戦より10秒近くタイムアップしているのだ。が、さすがにトラスト・セリカ、雨宮RX-7は速い。この両車がプライベートの1,2を占めた。ライバルに不足はない!

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そして決勝当日。

たった4周余りで周回遅れが出てしまうこのレース、ほとんどの観客の目はテール・ツー・ノーズでトップを争うアドバンポルシェランチアをはじめとするCカー群に注がれる。

しかし、抜かれるだけに見えるプライベート・エントリー車も各自のパフォーマンスをギリギリまで引き出した戦いを繰り広げているのだ。

LD-2のワークスロータリー勢にわずかに遅れてトラスト・セリカ、雨宮RX-7、そしてOPT・Z! 本格的マシンに変身しつつあるZが彼らに互角の戦いを挑んでいる。「もう動くシケインなんて呼ばせない!」耳をつんざくロータリー勢の高周波エキゾーストに混じって、Zのやや控えめな、しかし安定した排気音が響く。「プキュルルル」というウエイストゲートの開く音も快調だ。

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三強のうち、最初に戦線から脱落したのは意外にもトラスト・セリカ。わずかに38周だ。これだからレースは分からない。

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1時間、2時間…。35台でスタートしたマシンが、次々に姿を消していく。39周、ヰセキポルシェがこれまた予期せぬ炎上リタイヤ。そしてランチア、日産気体のVGツインターボが…。クラッシュするもの、ピットに入ったまま息を止めるもの、文字通りの耐久レースなのだ。

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午後4時トップアドバンポルシェは憎らしいほど速く、正確に最終コーナーに現れ、スタンド前を走り抜ける。OPT・Zも生き残っている。ド派手なボディカラーノーマルカーシルエットで目立ち度は抜群、新たに装着したフェンダートリムを輝かせて走る。あと20分ほどだ。ピットクルーの頭の中に「完走」の2文字が浮かぶ。

しかし、そこまでだった。

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レースで「意外」とか「予期せぬ」という表現はあまりに通俗的だが、文字通り「予期せぬ」「信じられない事態」に見舞われたのだ。第1コーナーのクリッピングポイントでホイールが外れ、クラッシュ……パワーアップに足がついてこれなかったのか。

優勝、アドバンポルシェ、周回数182OPT・Z、周回数116、リタイヤ。トラックの上に無残な姿で乗せられたZの前で、それでもチームOPTい面々の顔には満足の色が見えた。

「でも頑張ったじゃないか。これでブレーキタイヤをもっとやればイケるぜ! スポンサーはオレが探す!」自らをも鼓舞するかのように、キッパリとDaiが言い切った。

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【RE雨宮RX-7 最終記録】
総合14位(LD-2クラス5位)

(完走)
周回数:132周/所要時間:4時間39分44秒80/平均車速:124.85km/h/平均ラップタイム:2分7秒16/総走行距離:582.12km

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■三強の中じゃ1番、けどねぇ~

「アッ! 予定外のピットインだ」70周を超えて最高速テストドライバーの井上選手(アニキ)にバトンタッチして5周目。リヤ部をクラッシュしたRX-7が戻ってきた。が、このくらいのことでくじけるRE雨宮じゃない。電光石火の速さで良一、コーゾー、堀の3人が修理を始める。雨さんは興奮気味に話すアニキから冷静に状況を理解しようとしている。

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100Rでやっちまった。Cカーに抜かれた時だったんだ。リヤカウルはいっちまったけど足のほうは大丈夫かな?」この時、3人のメカはすでに割れてしまったリヤカウルを外し、フェンダー後部の応急処置を終えていた。しかし、テールランプユニットが無くなってしまったため、ゲート前のウエキガレージに置いてあるプロダクション仕様のRX-7からテールランプユニットを移植して完成。ピットロードを飛び出していった。

この間、約30分ほどのロス。これがなければもっと上位に入っていたと思うと残念!

【トラスト・セリカ 最終記録】

エンジンブロー・リタイヤ)
周回数:38周(ノーピットストップ)/所要時間:1時間3分7秒46/平均車速:159.29km/h/平均ラップタイム:1分39秒67/総走行距離:167.5km

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■これがレースです。無念!!

セリカピットを守るのは、トラストの若手である平田、アツシ、谷村、阿部の4人。ピット内にはレース特有の緊張感はあるものの、彼らの自信が明るさを生んでいる。これは旧SAセリカから完成度をどんどん上げてきたことによるものだろう。

が、チーフ役の平田クンは大川さん譲りの動物的感によるものか、一抹の不安を感じているようだった。ラップを重ねるセリカを厳しい目で見つめ、ちょっとしたエンジンの音の変化やハンドリングまで、まるで自分がドライバーになったように全神経を配っている。

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スタート後の混乱から、各マシンペースをつかみ周回を重ね始めたころ、トラストに不幸が重なってやってきた。まずトップグループをいくヰセキポルシェ956がニューコーナーで火災のためにリタイヤ。そして38周目。セリカまでエンジントラブルのためリタイヤしてしまった。平田クンがスタート後に感じたのは、このエンジントラブルの予感だったのかもしれない。

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残念なことに、トラストのふたつのピットレース前半にして無人になってしまったのだ。

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雨さん=完走、トラスト&OPT=リタイヤ…。これが、レースです。トラストのレポートのところで「チーフ役の平田クンは大川さん譲りの動物的感によるものか…」は思わず笑ってしまった! その光景が目に見えるようで!!

OPTION 1985年10月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

85年の富士500マイルレース、OPT・トラスト・RE雨宮…3車3様それぞれのレース模様【OPTION 1985年10月号よりその4】(http://clicccar.com/2019/06/15/848343/)