国を挙げて女性活躍が推進されている昨今、積極的に女性管理職の登用を図ろうとする企業がたくさんあります。ところが、昇進を打診されても喜ばなかったり、中には「私には無理です」と辞退してしまったりする人もいるようです。

キャリアに対する考え方は人それぞれ。どんどん出世して管理職になりたい人もいれば、リーダーというよりは縁の下の力持ち的な役割に徹したい人もいるでしょう。また、仕事ではなく家庭を大切にするため出世したくないという人もいます。

でも、出世したくない理由が単なる思い込みで、今後の自分の可能性を狭めているとしたら、もったいないですよね。今回は、出世したくない人に向けて、そう感じてしまう理由と克服ヒントをご紹介します。

インポスター症候群とは?

「私なんかが管理職なんて無理」と思う人は、もしかしたらインポスター症候群かもしれません。

インポスター症候群とは、周りから高い評価をされても、「たまたま運が良かっただけ」「周りの協力があったから」と自分のことを過小評価してしまうこと。インポスター(impostor)は詐欺師ペテン師を意味しており、「実力のない自分が高い評価をもらうなんて、なんだか周りを騙しているみたいだ」という状態に陥るのです。

どちらかというと女性に多いといわれ、ミシェルオバマ米国大統領夫人やFacebook COOのシェリル・サンドバーグ、女優のエマ・ワトソンといった有名人もインポスター症候群に悩んだことがあると告白しています。

症候群というと、限られた人だけが苦しむものと思うかもしれませんが、女性活躍が推進される状況では、働く女性で同じように悩む人が多いのです。

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もしかして私も?インポスター症候群で見られる特徴

では、具体的にどのような特徴や傾向があれば、インポスター症候群の可能性があるのでしょうか。主なものをいくつか挙げてみます。

・他人からの嫉妬や妬みが怖い
・変化に対して抵抗がある
・何か失敗すると、「やっぱり私なんか」と思ってしまう
・他人に認めてもらいたい気持ちが強い
・悩みを自分で抱え込んでしまう

自信をつけるためのヒント

インポスター症候群から解放されるために大切なことは、自己肯定感を高めること。自分に自信をつけるためのヒントをご紹介します。

評価ポイント、期待されていることを確認

「なぜだか自分は高く評価されすぎている」と感じるなら、あなたを評価している人に、具体的にどの部分を評価しているかを聞いてみましょう。そうすると、昇進に納得できますし、自信にもつながります。今後期待されていることも分かれば、モチベーションもアップするでしょう。

「すみません」ではなくて、「ありがとうございます」

迷惑をかけたときだけでなく、褒められたときにも「すみません」と返していませんか?中には「すみません」が口癖になっている人もいるようです。謙虚さは大切ですが、あまりにも「すみません」を連発すると卑屈に見られることがあります。ときには、自分を褒めてくれている人に対して失礼にあたる場合も。

褒められたら素直に「ありがとうございます」と言いましょう。

結果は後から付いてくる

「結果を出せなかったらどうしよう......」新しいチャレンジには不安がつきもの。でも、始める前からあれこれ悩んでいても仕方ありません。正当な努力の結果は、後からついてくるものです。

8割できれば十分

昇進したら、全てを完璧にしなければいけないと思っていませんか。完璧主義なのは、真面目で責任感がある証。でも、いつでも全てを完璧にできる人は、なかなかいません。完璧にできなかった度に自分を責めると、長くは続きません。仕事に優先順位をつけ、「まずは8割」から始めましょう。

分からないときは、助けを求める

責任ある立場になったからといって、何でも自分で解決しなければいけないわけではありません。そのような雰囲気を壁と感じてしまう人もいるのです。大変なときは他のメンバーに頼りましょう。自分は信頼されていると喜ぶ人は多いです。

まとめ

昇進が決まれば、どんな人でも多かれ少なかれ不安は感じるもの。ここで経験した葛藤は、きっとその後のキャリア形成の糧になるはずです。昇進したくないのが「自信がない」という理由だけならば、怖がらずにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。