「ドロー系カードは重ねられない!」「記号カードでのあがりはOK!」突然の発表で大混乱!
ドロー系カードは重ねられない!」「記号カードでのあがりはOK!」突然の発表で大混乱!

今まで従っていたのはローカルルールだった? 突然発表されたUNOの公式ルールとはどんなものか? そして、暫定日本チャンピオンに必勝法を聞いた!

■UNOは得点を競うゲームだった!

「オフィシャルルールは、ドロー系カード(ドロー2、ワイルド ドロー4)を重ねることが出来ないんです。知ってました!?」

「オフィシャルルールは、記号カード(ドロー系、スキップ、リバース、ワイルド系)でもあがることが出来るんです。知ってました!?」

UNO(ウノ)の公式ツイッターアカウントが、5月7日、8日と続けて公式ルールを発表し、UNOプレイヤーたちに混乱が起きた。

というのも、これまで多くの人たちは、「ドロー系カードは重ねられる」ことや「記号カードではあがれない」ことが、公式ルールだと思っていたからだ。

例えば元NGT48北原里英が「わたしは誰になんと言われようと、公式が発表しようと、ドロ2とドロ4は重ねて出す。これからも」とツイッターで宣言するほど、その衝撃は大きかった。

【間違えやすい公式ルール】 ドロー系カードは重ねておける× ⇒ おけない○
【間違えやすい公式ルール】 ドロー系カードは重ねておける× ⇒ おけない○
記号カードではあがれない× ⇒ あがれる○
記号カードではあがれない× ⇒ あがれる○

では、なぜこのタイミングでの発表だったのか? UNOを販売する「マテル・インターナショナル」に聞いてみると、

「今回、ルール変更されたわけではなく、ローカルルールが多数存在するなかで、このオリジナルルールをご存じでした?という形での投稿でした。タイミングを狙っての正式表明といった堅いものではなく、通常のSNS投稿と同様に発信したところ大きな反響があり驚いております」

という。しかし、日本ウノ協会会長で、UNO暫定日本チャンピオンの日昌晶(ひよし・あきら)氏の意見は少し違う。

「今回のツイートは、本社の英語ツイートから始まったものです。アメリカでもハウスルール(ローカルルール)が横行しているため、『皆さんUNOの公式ルールはこうですよ』と世界的に告知したかったのだと思います」

では、あまり知られていない"UNOの公式ルール"とはどんなものか。日本で唯一のUNO芸人、ウノ山本氏に聞いてみた。

「僕はライブでお客さまとUNOをやることが多いんですが、そのときに『実はこれが公式ルールなんですよ』と説明しています。まず、一番、ビックリされるのは、UNOは得点制のゲームだということです。しかも、一回ごとのゲームではなく、ラウンド数を決めて総合得点で競います。

ラウンドの勝者は最初にあがった人のみで、あがれなかった人たちの手札の合計点数が得点となります。逆にあがれなかった人は、その手札の合計点数がマイナスされます。点数の数え方は、数字カードはその数。記号カードのうちドロー2、リバース、スキップは20点、ワイルドワイルド ドロー4は50点

もし、ワイルドカードを4枚持っていて負けたら、マイナス200点になりますぅの」

また、「チャレンジ」もあまり知られていない公式ルールだという。

「前のプレイヤーにワイルド ドロー4を出されたとき、次の人は『チャレンジ』をすることができます。

ワイルド ドロー4は、場に出せるカードがほかにないときだけ使えるカードなんですが、出せるカードを持っていても、戦略的にワイルド ドロー4を出したいときがあるぅの。

そこで、もし前のプレイヤーがウソをついて出していると思ったら『チャレンジ』をコールして、自分だけワイルド ドロー4を出したプレイヤーの手札を見る。

そしてウソだった場合、ワイルド ドロー4を出したプレイヤーはワイルド ドロー4を手札に戻し、罰として山札から4枚引かなければいけない。逆にウソでなかった場合、コールした人はドロー4分の4枚と罰の2枚を加えた6枚を引かなくてはいけないんですぅの」

このふたつが、あまり知られていない公式ルールだが、そのほかの細かい公式ルールは、UNOを買ったときについてくる説明書に書かれているので確認してほしい。

UNO芸人・ウノ山本。中学生の頃から公式ルールでゲームをしていたというUNOマニア。今回のニュースで一躍、脚光を浴びた!?
UNO芸人・ウノ山本。中学生の頃から公式ルールでゲームをしていたというUNOマニア。今回のニュースで一躍、脚光を浴びた!?

■ワイルド ドロー4をどう使うかが鍵

では、公式ルールでプレイすると何が変わるのか? 前出の日昌氏に聞いてみた。

「一回ごとに勝者が決まり、ドロー2やドロー4の蓄積が可能なローカルルールは、その場が盛り上がるパーティゲームの要素が強いんです。しかし、得点制でドローが重ねられない公式ルールは競技性が高くなり、運だのみではなく実力が出ます」

そのため、公式ルールでのゲームにはある程度の必勝法があるという。

【必勝法1】まず、スキップやリバースから切る!

「公式ルールは得点制ですから、みんなの手札が多いときに勝つのが得です。早あがりが王道なんです。

早あがりするためには、色のバランスがよく、数字の偏りがないことが重要です。こういう手札が来た場合は勝負に出る。

逆に手札に記号カードが多く、色や数字が偏っている場合は勝てる可能性が低いので、得点の高いカードから切っていく。例えば、スキップやリバースのカードは、自分に恩恵がない割に、負けたときに勝者に与える得点が多いカードです。持っていれば20点取られてしまう。

ですから、どんな場合でもスキップやリバースから切っていくのが鉄則です」

【必勝法2】ドロー2は、スキップやリバースを切ってから、出せるときに出す!

ドロー2は公式ルールでは重ねられないので、前の人が出したときの防衛手段として持っておく必要がありません。次の人に2枚引かせる妨害ができるだけです。そして、これも20点のカードです。最後まで持っていないほうがいい。だから、ドロー2も出せるときに出しましょう」

【必勝法3】数字カードは、大きなものから切る!

「数字の場合も同じ考え方です。その数字が相手の得点になるので、1と9が出せるのなら9から切る」

【必勝法4】0のカードは、最後まで残しておく!

「0は、基本的にサービスカードと思ってください。持っていても勝者の得点にはならない。だから、できるだけ最後まで残しておきたいカードです」

【必勝法5】手札はできるだけ4色残しておく!

「色は、できるだけ4色残しておきたい。ドロー2、ドロー4を出されない限り、必ず次の番でカードを出せるわけですから」

【必勝法6】ワイルド ドロー4は、最後に使ってあがれ!

「"ワイルド ドロー4を制す者がUNOを制す"というくらい、このカードは重要なカードです。最後まで持っていれば、自分の番でどんな場合でも出せるし、あがった瞬間に隣の人に4枚引かせることができる。

そして、その得点を総取りできる。しかし、逆に手札に残して負けると50点取られてしまう。自分に手札が多く、負けそうならば早めに切っておきたい。

UNOを公式ルールでやると、一回ごとの勝負はローカルルールほど盛り上がらないかもしれませんが、ラウンドを重ねていき、得点を競い合うことで盛り上がっていきます。公式ルールは大人の遊び方。カードで行なう麻雀(マージャン)のようなゲームなんです」

この機会に公式ルールを覚えて、今回紹介した必勝法で大勝利を収めてほしい。

取材・文/村上隆保 撮影/鈴木大喜

「ドロー系カードは重ねられない!」「記号カードでのあがりはOK!」突然の発表で大混乱!