デビュー戦でTKO負けのニエベスが回顧「自分は6ラウンドまで持ったんだ」

 ボクシングワールドボクシングスーパーシリーズWBSS)バンタム級決勝進出を決めたIBF&WBA王者・井上尚弥(大橋)。スーパーフライ級時代の米デビュー戦でモンスターに敗れた選手は「イノウエは元王者たちをボコボコにしているが、自分は6ラウンドまで戦ったんだ」と回顧。その上で、家族を襲った悲劇を振り返っている。米地元メディアクリーブランド.com」が報じている。

「誰もがイノウエが元王者たちをボコボコにしているのを見ているが、彼らは自分が6ラウンドまで戦ったということも目撃しているんだ」

 こう語ったのは、IBFスーパーフライ級世界15位のアントニオ・ニエベス(米国)だった。現地時間8日に行われたホセ・アルフレド・ロドリゲスメキシコ)とのバンタム級での一戦でTKO勝利を飾った男は、2017年9月9日に行われた“あの日の衝撃”を振り返ったという。

 米カリフォルニアで行われたスーパーフライ級の祭典「Superfly」で対戦し、強烈なボディで膝を突き、終始圧倒された。6回TKO負けに終わったが、バンタム級転向後の井上がジェイミー・マクドネル(英国)、フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)、エマヌエル・ロドリゲスプエルトリコ)という世界王者を2回以内でKOした事実を踏まえ、自分の戦いに胸を張っている。

「自分はキャンバスに背中をつけられたわけじゃない。彼の最高のショットを受けた。他の選手のようにね。でも、それも忘れた方がいい。自分が戦っていたのは彼ではないんだ」

記事は「イノウエとの新たな激突を求めている」と再戦に言及

 井上との戦いを振り返る一方で、家族を襲った悲劇についても思いを明かしている。ニエベスは姉のエルリン・リベラ・シントロンさんが2016年10月4日に元交際相手の男性に殺害されたと報じられている。最高の応援団だったというエルリンさんとの突然の別れは今も心の傷になっているという。

ゴングが鳴る前にはいつも彼女のことを思って(天国を)見上げるんだ。自分のファイトで一番大きな声援を送ってくれたのは彼女だった。個性があってね。それがもっとも恋しいことだよ」

 記事によると、ニエベスは普段、銀行の貸付担当を務め、姉は銀行からほど近いハンバーガー屋に勤務。事件当日、ニエベスと同僚はバーガーキングに停まった警察車両と救急車に気付いたという。毎年10月4日を迎えると悪夢に苛まれるといい、「自分の中で何かが壊れる。気分が悪くなるんだ」と語ったという。

 スーパーフライではバンタム級から1階級減量して臨んだモンスター戦。完敗に終わったが、「この敗北はニエベスを思いとどまらせるものではない。彼はモンスターの異名で知られるイノウエとの新たな激突を求めている」と記事では報じている。井上戦の完敗から2連勝。再起の道を進んでいるニエベスは悲願の再戦の日を迎えることができるのだろうか。(THE ANSWER編集部)

「Superfly」で井上と対戦した際は6ラウンドTKO負けを喫したニエベス(手前)【写真:Getty Images】