池袋には、かつてロボットに憧れた大人たちの“聖地”があるらしい―……。

【大きい画像を見る】“ガンダムオタク”上司と“ギャル男”部下がロボット好きの聖地「ROBOT KICHI」に行ってみた【レポート】

その“聖地”である『ROBOT KICHI(ロボキチ)-Robot Animation SAKABA-』(※以下:ロボキチ)に急きょ呼び出された筆者。そこに、何やら言い争っているような2人がいた。

筆者「あの……どうしたんですか?」

?「『ガンダム』を見てないなんて、アニメ編集者としてありえなくないですか? 何を見て人生を歩んできたんですか?」

?「『ガンダム』見てなきゃありえないって、そういうのどうかと思います! “ガンハラ”(※ガンダムハラスメント)ですよ!」

あまり関わりたくはないが、仕事だからしかたない……と話しかけた2人こそ、筆者をここに呼び出した張本人たち。



アニメから人生を学び、こじらせながらも生粋のオタクとして生きてきた「アニメアニメ!」副編集長の沖本氏。
そして、『涼宮ハルヒの憂鬱』でアニメに目覚めた元ギャル男という経歴を持つ異端児・小野瀬氏だ。

彼らはこの「ロボキチ」のレポート企画を立てたものの、先ほどの通り、ロボットアニメの趣味が合わないため、すぐに言い争いになってしまう。なので筆者が“緩衝材”として呼び出された。
果たして私は、こんなしょうもない2人に挟まれ、無事にレポートできるのか!?

■そもそも『ロボキチ』とは?


この『ロボキチ』、なんとあの数々のロボット商品を生み出すバンプレストと、「養老乃瀧」や「だんまや水産」など多くの居酒屋を運営する養老乃瀧が共同して、2017年11月1日オープンさせた店。これまでは「映像居酒屋 ロボ基地」という店名だったが、2019年2月7日に「ROBOT KICHI -Robot Animation SAKABA-」として店内もガラリとリニューアルしたのだ。

ロボットアニメの映像を店内にて配信し、それを肴に飲み食いを楽しめるというコンセプトはそのままに、BANDAI SPIRITSが発売するロボットフィギュアプラモデルの展示、そして1人でも気軽に立ち寄れるカウンター席を設けるなど、スタイリッシュな「SAKABA(酒場)」へと生まれ変わった。

居酒屋スタイルから酒場へと変化を遂げたというが、店内はまるでホワイトベースの中のような“SF感”が堪能できる。



そして、ショーケースカウンターに飾られ、ズラリと並んだガンプラ超合金魂、ROBOT魂は、「圧巻」の一言に尽きる

ロボットを楽しみながら食べる料理が美味しい!のに安い!


数々のロボットを目の前に大興奮する2人を、なんとか席に着かせることに成功。料理を注文しようとするのだが、しかし……ここでも沖本氏の“ガンダムハラスメント”が炸裂。



本「“坊やだからさ……”のシーンシャアが飲んでいたのはラム酒なんですよ。せっかくのカウンター席だから、ロックを頼もうかな」

小野瀬「俺は~……ビールにしようかな」

本「はぁ……。ビールだなんて、坊やですね(ため息交じり)」

小野瀬「(イラッ)」

筆者「(やばい、話の流れを変えなくては)沖本さんのロボットアニメ好きは、何がきっかけだったんですか?」



本「ロボットアニメは幅広く見てきましたが、きっかけとなったのは『機動戦士ガンダム』です」

筆者「でも、たしか沖本さんは90年生まれですよね? 世代から外れているのでは?」

本「きっかけはアニメではなく、小学校5年生の時にプレイした『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』というPS2のゲームでした。
シャア シャア シャア”というフレーズがひたすら連呼される変な曲(「シャアが来る」)が流れてきて、そこに颯爽と現れる真っ赤な機体。しかもパイロットは謎の仮面をかぶっている。“なんだコイツは!”と電撃が走りました。

それで気になってレンタルビデオを借りて見てみたら、ロボットカッコ良いし、キャラクターも魅力的で一気にハマってしまいましたね。
そこから『Zガンダム』、『ZZガンダム』、『逆襲のシャア』と追っていきつつ、『装甲騎兵ボトムズ』や『宇宙戦艦ナデシコ』などガンダム以外のロボットアニメも追っていきました」

筆者「なるほど。平成のロボットアニメでは何か思い入れのある作品はあるのですか?」

本「『新世紀エヴァンゲリオン』です。子どもの頃、転勤族だったのでいろんな地域に引っ越したのですが、やっぱり馴染めないところもありました。そんな自分とシンジ(※『エヴァンゲリオン』の主人公)がシンクロしてしまって、“なんで誰もわかってくれないんだ!?”とATフィールド全開で生きていた時期がありました……」

話を楽しい方向に持っていこうとしたはずが、沖本氏の幼き頃のトラウマに触れてしまった。また話を変えなければ……!

筆者「小野瀬さんは?」

小野瀬「俺は沖本さんと違って、アニメを見始めた時期が遅いんです。実は昔、“ギャル男”だったんですけど、20歳の時にたまたまやってた『涼宮ハルヒの憂鬱』第1話を見て衝撃を受けました。“小さい頃見てた『ドラゴンボール』とかと違う!”って。それからギャル男オタクの二足のわらじで、“自分なんてまだアニメにハマったばかりのペーペーですよ”とか言ってたんですけど、いつの間にかアニメ業界の人間になってました」

筆者「ロボットアニメでは?」

小野瀬「『天元突破グレンラガン』ですね。実は、アニメにハマった当初はロボット作品に苦手意識があって。2クールとかで長いじゃないですか。あと、バトルものってそんなに好んで見ようとはしていなかったんです。そんな時、友達から『グレンラガン』を勧められて半強制的に見させられたんですが、結果的に大ハマりして今ではもう何周も見ています! ちなみに今日着ている服は、キングキタンをイメージしてきました!(ドヤァ)」

筆者「(こっちもこじらせている)」

本「さっき“長い”と言ってましたけど、そこがいいんですよ。4クール続くからこそ熱い人間ドラマも描けるし、メインキャラだけではなくサブキャラまで掘り下げることができる。大河ドラマだってそうじゃないですか。これがわからないのか~残念だな~(ため息交じり)」

筆者「(めんどくせぇ)」



ここで、料理が到着。すべて美味しいのはもちろんなのだが、炙り低温ミート2種盛り(990円)、うずら玉子醤油漬(350円)など、価格帯が安いことに驚きだ。こういったコンセプトカフェは価格設定が高くなりがちなのだが、ボリュームもあって味も美味しい、そして1人あたり平均2,500円前後でお腹いっぱい飲み食いできるのが『ロボキチ』の大きな魅力の1つとなっている。
2人の言い争いも、この美味しい料理に舌鼓を打つことによって、一時休戦状態に!

■好きなシーンが大画面ですぐ見られる!リクエスト機能がスゴイ
店内には展示だけでなく、プロジェクターからの映像を映し出す大型スクリーンと、モニターが設置。バンダイナムコライツマーケティングが開発したスマホタブレット向けの配信サービスBANDAI CHANNEL TOUCH」を介して、『機動戦士ガンダム』をはじめとする全18タイトルを見ることができる。

魅力の2つ目としては、店内のWi-Fi回線アクセス中の端末から各作品のダイジェスト映像をリクエストすることで、その映像が店内のスクリーンに流れるという演出。店内にディスプレイされたガンプラたちもこの映像とリンクしているポーズを取っており、その場にあるQRコードを読み取ると、そのシーンが見られるようになっている。この映像は自分のスマフ・タブレットでも視聴可能だ。



ということで、我々もリクエストしてみることに。

本「『機動戦士ガンダム』第29話“ジャブローに散る”という回で有名なシーンがありまして、量産型ジムをシャア専用ズゴックが貫通させる場面。そこは是非小野瀬さんに見てほしいですね」

~観賞中~

本「はぁ……やっぱり素晴らしかった」

小野瀬「へ~こんなシーンがあったんですね」

本「え!? 反応それだけですか!? 感動薄いですよ! もっと僕の勧めるアニメを観て、感性を磨いて欲しいものですね! 僕のように!」

小野瀬「沖本さんだって俺が勧めたアニメ全然見てないじゃないですか! 『月がきれい』とか『徒然チルドレン』とか『Just Because!』とか!」

筆者「(まずい、また険悪なムードに。話を変えなくては)私は『マクロスF』が好きなんですが、お2人はランカ派ですか? シェリル派ですか?」

本「僕はシェリル派です。僕のオタクとしての“心の穴”が、やっぱり自分にないものを求めてしまう。この人に認められたら、僕の何かが変わると思わせてくれるのは、“銀河の妖精”で圧倒的に上にいるシェリル。たしかにランカは素朴な魅力があるけれど、彼女に認められても自分の"心の穴"は埋まらないがするんですよね」

筆者「(何言ってんだ……)」

小野瀬「気持ち悪っ!」

筆者「(言っちゃったよ!)そういう小野瀬さんはどっち派なんですか?」

小野瀬「クラン・クランですね」

筆者「ランカシェリルって言ってんだろ!(あ、耐えられずに心の声が漏れてしまった)」

小野瀬「ランカシェリルもどっちも魅力的ですけどね~。クラン・クランは、幼なじみミシェルとの距離感が良い! ゼントラーディ(※『マクロスF』に登場する架空の異星人の名称)の時と小さくなった時の声のトーンが変わるギャップもかわいいし、やっぱりミシェルの前で見せる表情がかわいい!」

本「理由が“かわいい”しかないじゃないですか!」

小野瀬「悪い!? クラン・クランかわいいんだからしょうがないですよね!?」

筆者「(もうダメだ。私にはこの戦いを終わらせることはできない……! 誰か助けてくれ!)」

??「俺が消えることで……この憎しみの連鎖を断ち切るだけだ……」

筆者「この声は……!」

この時、ちょうど筆者がリクエストした映像『コードギアス 反逆のルルーシュR2最終話「Re;」の“ゼロレクイエムシーンが流れ出したのだ!



本「……」

小野瀬「……」

2人とも争いをやめ、食い入るように画面を見つめている……。

本「やっぱり、『コードギアス』は最高ですね」

小野瀬「え! 沖本さん、『コードギアス』好きなんですか!? 意外です! 俺も好きです!」

さっきまでの険悪なムードはどこへ行ったのか、『コードギアス』の話で盛り上がる2人。共通して好きな作品を見るだけで、こんなにも人は仲良くなれるものなんだなぁ。
アニメって素晴らしい


みなさんも、『ロボキチ』で上司や友人と熱いトークを繰り広げてみてはいかがでしょうか?


■『ロボキチ』広報さんにインタビューリニューアルの狙いとは?



2人のオタクトークが炸裂しただけで『ロボキチ』の魅力が伝わらなかったと思うので、株式会社BANDAI SPIRITSの辻英一郎さんと、養老乃瀧株式会社の長島一誉さんにインタビュー。今回のリニューアルの狙いや、好きなロボット作品についてまで、たっぷり語っていただいた。

――そもそも、この『ロボキチ』をオープンさせた理由を聞かせてください。


ロボットの映像を見ながら飲食を楽しめる場所って日本全国どこにあるのかと考えた結果、ほとんどないに等しかったんです。幼い頃にロボットを好きだった人が、大人になってお酒も飲めるようになった時に、そういった場所を提供してあげたい。そこで、バンプレストと養老乃瀧様がタッグを組んでやってみようとなったのが、最初のきっかけでした。

――リニューアルで特にこだわった、力を入れた部分は?


映像と展示ですね。ただ映像を流すだけではなくて、バンダイナムコライツマーケティング様のご協力をいただいて、「BANDAI CHANNEL TOUCH」を導入し、見たいシーンキャラクターロボットを選んでリクエストできるようにしました。
さらにBANDAI SPIRITSが手掛ける超合金プラモデルをはじめとするロボットフィギアの展示なども楽しめる特別な空間を演出しております。


――リニューアルでここまで店内デザインを一新した理由は?


まず、「かっこよくしたい」というのが一番にありました。

長島
BARと言うと少し敷居が高くなってしまう気がして、“酒場”としました。ロボットが好きじゃなくても、一杯飲みに来やすいというか。オシャレ過ぎず、気軽に飲んでいける雰囲気作りを目指しましたね。

――メニューについて、何かこだわりは?

長島
普段使いもできるお店を目指しているので、全体的に、お求めやすい価格で設定しているつもりです。お肉のメニューに関しては、肉本来の香りや味を楽しんでいけるように炙りにもできますし、パスタに関してはすべて生麺を使ってモチモチした食感で好評いただいております。オススメは「大根のコンソメ煮~クリームソース掛け~」。いわゆる洋風のおでんなのですが、美味しいのでぜひ食べてみてほしい一品です。

――メインターゲットは、やはり男性でしょうか?


その通りで、40代~50代の方をメインターゲットとしています。また、大人になってロボットから離れてしまった方にも、この店をきっかけにロボットに改めて興味をもって頂きたいと考えています。子どもの頃にガンプラを作ったことがある人が今の技術を知ると、感動すると思うんです。「今は色を塗らなくていい」とか、「今は間接が動く」「接着剤もいらない」ということは、離れてしまっていた方は知らないのではないでしょうか。

――そういうお2人は、ロボットはお好きなんですか?


もちろんです! 『機動戦士ガンダム』がきっかけですね。でも、それと『超時空要塞マクロス』も好きです。特にバルキリー。変形にやられました。現用航空機そのものが
ロボットになるというのは、本当に驚きだったので。

長島
リアルタイムで見ていましたね。その時初めて買ったのが、ガンダムの1/100でした。その時は足の付け根が動かなかったので、今自由自在に動くのを見て感動しています。

――では、お好きなロボットアニメは?


いっぱいあるから困りますねぇ。やっぱり『機動戦士ガンダム』です。メカがすべて魅力的で、話も面白い。

長島
ファースト世代ではあるのですが、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
』の方が好きです。


長島さん、僕の前だと全然ロボット好きだって出さないのに、こんなに語れたんですね……(笑)

――(笑)お2人も『ロボキチ』パワーで饒舌になってらっしゃいますね。貴重なお話まで、ありがとうございました

■誰もが語りなくなってしまう“聖地”

アニメアニメ!」編集部の2人だけでなく、辻さん、長島さんまでも饒舌にさせてしまうパワーを持った『ロボキチ』は、池袋駅メトロポリタン口を出てすぐ!
ロボットが好きな方だけでなく、ロボットに興味がない・知らないという方でも楽しめる場所なので、是非足を運んでいただきたい。【ほかの画像を見る】“ガンダムオタク”上司と“ギャル男”部下がロボット好きの聖地「ROBOT KICHI」に行ってみた【レポート】

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