たくさんの人の相談に乗っていると、「ストレスを溜めやすいタイプの性格」というものが2種類の型(タイプ)あることに気付きます。今回は2つのタイプの傾向と、ストレスを溜めない方法を紹介します。

○短気な猛烈仕事人間型

1つ目は、「短気な猛烈仕事人間型」と私が呼んでいるタイプ。上昇志向・完璧思考が強く、過度に競争心があり、他人に対して攻撃的でせっかちであることが特徴です。

心理学では、こういった性格傾向を「タイプA」と呼び、具体的には、以下のような傾向を持っています。

□目標達成意欲が強烈に強い
□何事も人と競争したがる
□野心が強い
□常に時間に追われている
□結論を急ぎ、すぐにいらいらする
□話し方が早口
□落ち着きがない
□食事のスピードが速い
□様々なことを同時並行でやろうとする
イライラが態度として出やすい
□相手に対して挑戦的な言動をしがち

この「タイプA」を提唱したフリードマン医師は、このタイプの人は、「心臓疾患」にかかりやすいという研究結果を報告しています。

常に他者や自分と競争し続け、闘争的に生きるわけですから、ストレス反応を強く起こしやすく、結果として、血管や心臓に負担をかけることにつながることが要因だそうです。

私の経験値の中で見ると、このタイプは、特にイケイケなカルチャーがある営業部などでは、とても評価の高いタイプで、高い成果をあげている場合が多いように思います。

ただ、突然バタっと体調を崩したり、急にガクッとメンタル不調を起こして出社できなくなったりする方も多いのが実際です。
○生真面目すぎな顔色伺い型

2つ目は、「生真面目すぎな顔色伺い型」と私が呼んでいるタイプ

生真面目で几帳面。周囲を気遣うが故に、怒り・不安などを感じたとしても自分の中に抑え込んでしまい、我慢してしまう傾向をもっています。

心理学では、こういった性格傾向を「タイプC」と呼びます。具体的には、以下のような傾向を持った人です。

□「いい子」だねと周囲から言われるタイプ
□極端に自己犠牲をする傾向が強い
□自分の要求は後回し、または、放置をしがち
□忍耐強い
□怒りなど、ネガティブな感情を抱きづらい
□怒りなどネガティブな感情があっても、それを自分の中で押し殺し、表現しない
□周囲に常に気を遣っている
□何事も我慢が大切だと考える
□真面目すぎると周囲に言われるほど生真面目
□几帳面すぎる

私の経験値の中で見ると、このタイプは、ともかく真面目。良くも悪くも「いい人」で、組織の潤滑油のような存在であったり、縁の下の力持ち的な存在としてチームに貢献していたりする場合が多いように思います。

ただ、何かを頼まれたら断ることができず、周囲のために自分を犠牲し続けることにより、ストレスを自分の中にどんどん溜め込みがちです。結果、自分のキャパシティを超えたとき、つまり我慢できる範囲を超えると、メンタル不調、体調不良を引き起こしてしまうのです。

いかがでしょう? もし、あなたが、常に、ストレスフルだとしたら、上記の「短気な猛烈仕事人間型(タイプA)」もしくは「真面目すぎ顔色伺い型(タイプC)」に当てはまるところはありませんか?

この2つのタイプの問題点は「慢性的にストレスフルな状態」を作り出してしまう点です。これらのタイプの人は、常に余計なストレスまで抱え込んでしまうのです。
ストレスを溜めないようにするには

では、この性格傾向のある人が、慢性的にストレスを溜めないようにするには、どんな「打ち手」を取ったら良いのでしょうか? 前提として、これは性格傾向ですので、変えることがとても難しいものです。だからこそ、できることは次の3つです。
○自分の性格傾向を自覚する

まずは、自分には、「タイプA」、もしくは、「タイプC」の傾向があるということを「自覚」することから始めましょう。
○セルフモニタリングをするクセをつける

「セルフモニタリング」とは、「自分自身の表情や考え方、態度や行動などを俯瞰すること」、つまり「自分のことを客観視すること」をいいます。

例えば、タイプAの方であれば、「無駄に少しイライラしているな。少し落ち着こう」、タイプCの方であれば、「ちょっと我慢しすぎてるな。もう少し自分の意見を伝えてみようかな」といった形で、自分を客観視し、自分にアドバイスを送ってみることも効果的です。
○息抜きの時間を確保する

とはいえ、とてもストレスを溜めやすい傾向があることは事実です。意図的にストレスを解消する趣味を持ったり、リラックスタイムを確保したりすることも必要です。

いかがでしょう? 何はともあれ、最も大切なことは、心身の健康です。自分や周囲も、お互いが気持ちよく過ごせるようセルフコントロールできる力が高まると良いですね。

○執筆者プロフィール : 阿部淳一郎氏
ラーニングエンタテイメント 
代表取締役

若手の採用・育成・定着に強い人材開発コンサルタント早稲田大学教育学部卒。筑波大学大学院(ストレスマネジメント領域)修了。保健学修士。社会人教育を行う東証一部上場企業等を経て2004年に起業。「メンタル不調者を減らし、若者の能力を引き出す」をコンセプトに人材開発業務に従事。大企業から中小・ベンチャー企業、学校、行政まで研修登壇実績は約1500本、コンサルティング実績30社。サンフランシスコシリコンバレーへも事業展開中。大学での就職活動領域における講師歴も長い。『これからの教え方の教科書(明日香出版社)』など著書3冊。『NHK』『日経新聞』『読売新聞』『日経アソシエ』『週刊SPA!』など取材実績も多数。
(阿部淳一郎)

画像提供:マイナビニュース