快進撃を見せたU-22日本代表を途中離脱してA代表に合流 「切り替えてやるだけ」

 日本代表MF伊藤達哉(ハンブルガーSV)は、U-22日本代表の一員として出場したトゥーロン国際大会を途中で離脱し、コパ・アメリカ南米選手権)に挑むA代表に合流した。2018年9月の初招集時にはロシアワールドカップ(W杯)の主力組は不在。初めてGK川島永嗣(ストラスブール)、MF柴崎岳(ヘタフェ)らと時をともにし、五輪世代のチームから「雰囲気がガラっと変わる」と変化を語った。

 トゥーロン国際大会コパ・アメリカにダブル選出されていた伊藤は、U-22日本代表の一員としてフランストゥーロン国際大会グループリーグ全3試合に出場後、ブラジル・サンパウロに向かい、森保ジャパンに合流した。

 U-22日本代表は初優勝こそ逃したが、決勝で王国ブラジル相手にPK戦にまで持ち込むなど、堂々たる戦いぶりを披露。途中離脱には「もちろん最後まで戦いたかったのはある」と複雑な胸中を覗かせつつも、「切り替えてこっちでやれることをやるだけ」と前を向く。

「準決勝(メキシコ戦)の前まで(U-22日本代表に)いた身としては、チームとして優勝するという目標でやっていて、それに限りなく近いところまで行ったので、言ったらみんなライバルでもあるなかで、将来的な東京五輪に向けて刺激を受けました。向こうを離脱してこっちに来た分、その価値を取り返すじゃないですけど、向こうで最後に得られなかったものを得たいです」

「年上だからといって意見を言いづらい雰囲気ではなく、オープンな感じ」

 伊藤は2018年9月、森保ジャパン初陣でA代表に初選出された。コスタリカ戦(3-0)では出番がなくデビューはお預けとなり、当時のメンバーにはロシアW杯の主力組もいなかった。それだけに今回、東京五輪世代18人との融合が期待されるGK川島、MF柴崎、ベテランのFW岡崎慎司レスター)の存在は刺激になっているという。

「やっぱり川島さん、柴崎さん、岡崎さんがいるだけ雰囲気がガラっと変わる。言ったら引き締まる感じ。その3人も積極的にコミュニケーションをとってくれて、年上だからといって意見を言いづらい雰囲気ではなく、オープンな感じを作ってくれているので、やりやすいし、楽しいです」

 東京五輪世代のDF冨安健洋シント=トロイデン)は、14日の練習後に同世代について「淡々と黙々とやる選手が多い」とし、「声の量とかはA代表に比べると(少ない)。そういうところは声を出しながらやって、もっと練習のところで盛り上げてもいい」と語っていた。

 川島、柴崎、岡崎が架け橋となり、さらなる強い日本代表へ――。そのなかで、Jリーグクラブを経由せずに海を渡り、“兄貴分”の元日本代表DF酒井高徳とともにドイツで研鑽を積む伊藤に懸かる期待も大きい。ブラジルの地で、どのようなプレーを見せるのか注目が集まる。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

日本代表MF伊藤達哉【写真:Football ZONE web】