「わけあってこちら側で止まっています」と記されたマークが、Twitterで話題を呼んでいます。これはエスカレーターで、身に着けた人が「けがや病気が理由で左右いずれかに寄って立ち止まっている」と意思表示するためのもの。マタニティマークヘルプマークとあわせて、さまざまな事情を抱える人に配慮できるよう覚えておきたいところです。

【その他の画像】マナーアップ推進委員会の活動

 エスカレーターは本来歩いたり走ったりせず、乗ったら立ち止まったまま進むもの。しかし、急いで進みたい人のために、左側か右側のどちらかを空ける習慣が根付いている地域も多いものです。

 けがや病気を抱えていると、習慣通りどちらかに寄って立つのは難しいケースもあるでしょう。そんなとき、後ろの人が急ごうとしていると、プレッシャーになるかもしれません。そんな人も、このマークを身に着けていれば、周囲に理解を求められるわけです。

 マークを紹介したツイートは広く拡散され、「初めて知った」「そもそもエスカレーターで歩いてはダメという前提を広めよう」「こんなマークが必要となる世の中にモヤモヤする」など、さまざまな反響を呼びました。

 このマークを考案した、東京都理学療法士協会エスカレーターマナーアップ推進委員会に話を聞きました。その活動は障害者を支援する活動のなかで派生し、2016年秋ごろから始動。大勢が訪れる東京オリンピックまでに「エスカレーターで歩く人ゼロ」を目指しているそうです。

 活動の過程で、「困っている当事者が着用するだけではなく、健常者が思いやりを持って活動に参加できるようなツールはないか」との考えから作られたのがこのマーク。「正しいルールを守りたい、困っている人を支援したい、でも右側で止まったら後ろの人に舌打ちされたり距離を詰められたりするプレッシャーが怖い」――そういった方の気持ちを後押しし勇気づけられるツールとなってほしいと、同団体の担当者は語りました。

 2018年の6月にシンポジウムで配布して以来、マークは無料で提供中。Googleフォーム経由で配布を申し込めます。

 脳卒中や指定難病の人、視覚障害者や骨折などを抱える人、その家族や友人、支援団体など、全国から希望があり、2000個以上を配布したとのこと。利用者からは「着用することで、勇気を持ってエスカレーターに乗ることができました」「正しいルールとして広げていきたい」など、前向きな意見が多数寄せられているそうです。

エスカレーターで見かけたら気配りを(画像提供:エスカレーターマナーアップ推進委員会)