女性の社会進出が進んでいるとは言われているものの、女性が活躍でき、男性と同等に評価してもらえる企業はまだまだ日本では多くないですよね。就活や転職のときには、そうした女性に不利な面がある企業を見極めて避けたいもの。そこで今回は、「女性が活躍できない会社」の特徴についてご紹介します。

説明会で「家事も育児も仕事もこなす女性」をアピール

就職を希望する学生や転職希望者向けの会社説明会で、女性の活躍をアピールするために「家事も育児も仕事も頑張る女性」とか「がむしゃらに働いて結果を出している女性」のエピソードをやたらとアピールする企業があります。そういう企業はちょっと怪しんで見てみてください。

なぜなら、実際に家事も育児も仕事も頑張れる女性なんてほんの一握りです。家事も完璧にこなし、育児もフル稼働で、仕事でも立派な成果を出せる女性は、会社の協力がどうこうというよりもその女性個人の能力であることが多いものです。

確かに、「企業側が時短勤務で16時退社を認めている」とか「本来は9時出社の18時退社が定時だが、8時出社17時退社を認めている」といった一定の協力はあるかもしれません。しかし、そこまで器用にこなせるのはその人の能力や努力によるものである場合が多いでしょう。

そういう会社側が提示するエピソードではなく、「数字」を見ましょう。実際に産休や育休から復帰する人は毎年どれくらいいるのか、毎年1つの部署もしくは営業所で何人くらいが産休や育休を取得しているのか、女性社員の何割くらいが産休や育休を取得し、さらに職場復帰しているのか。

また、職場の雰囲気はどうなのか、時短勤務や時差出勤をフォローするのにどういう体制が整っているのかなど。こうした具体的な数字などを見ながら話ができる企業を選んでくださいね。

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30代~40代の女性が少ない

会社資料の中で、社員の性別の割合、年齢の割合などを公表している場合がありますよね。「うちは女性社員が多いです」と言いながら、20代の女性社員が多く、30~40代の女性社員が少ない会社は要注意。なぜなら、20代の女性社員は新卒で入社し数年目の社員であり、結婚や出産などのライフイベントを迎えていないケースが多いためです。

しかし、現実的な問題はそこではないですよね。30代~40代になって、出産や育児などのライフイベントを経ながらも職場復帰して働き続けている人がどのくらいいるかということがポイントです。30代~40代の女性が職場復帰してイキイキと働ける会社でないと、仕事を続けるのは難しいことでしょう。

実際に筆者も就職活動をしているとき、そういう企業にいくつも出会いました。

「うちの会社は女性比率が高い」「だから男女平等に評価しています」という会社で実際に働く女性先輩社員に話を聞いたところ、「20代の女性社員が多いから女性比率が高くなっているだけ。最近は新卒採用で女性の比率を増やしている。でも実際、『こんな会社で子どもを育てながら仕事をするのは無理』と言って出産を機にやめていく人が多い」と内緒で教えてくれたことがあります。

そういう会社は、数字を上手に見せる方法を知っています。目を眩まされないように、先輩社員に話を聞いたり、OB・OGがいれば訪問をして話を聞いたほうがいいでしょう。

女性管理職が少ない

よく言われることではありますが、女性管理職が少なかったり、役員の女性比率が少ない会社は気をつけたほうがいいでしょう。そもそもそういう会社では、「女性が男性と同じようにキャリアを築いていくことが難しい」ケースが多いからです。

筆者がかつて勤めていた会社では、全国に何十店舗と支店があったにも関わらず女性の支店長がほとんどおらず、ある女性が支店長になったのをいいことに、たびたび会社説明会で講演をさせていました。会社説明会で話を聞いた人は、その人のように支店長になれる女性がたくさんいるかのように聞こえたことでしょう。

しかし、実際は古い体質の会社で、多くの女性は管理職になる前に出産を機にやめていました。男性社会のその会社で、産休や育休の理解を得るのはひと苦労だからです。また、時短勤務も制度こそあったものの、取得している人は少数でした。

当時の職種は営業で、金融業界でしたが新入社員は女性のほうが多くいました。ただ、女性のほうが真面目で営業成績がよくても、皆が皆、出産を機にやめるので、自動的に管理職まで上がれる人には男性が多くなるんですよね。

さらに女性には、育休という1年半のブランク以上に、管理職に上がれないという謎のペナルティのようなものもありました。同じかそれ以上に成果を出しているのに、同期の男性が管理職になってから2年経っても3年経っても、同じ管理職になれないのです。そういう職場では女性はキャリアを築けませんよね。

先輩社員と話せても安心しないほうがいい

就活の中で、リクルーターと呼ばれる現場の社員が就活生の話を聞いたり、会社のことを紹介したりするという制度があります。確かに、現場で実際に働く先輩に話を聞くということはとても大事ですよね。しかし、リクルーターとされる先輩社員の話を聞いただけで安心してはいけません。

リクルーターに任命される社員のほとんどは、それこそ会社に何の不満もなさそうな社員です。そこそこの成績で、上司にかわいがられ、成績以上の評価をしてもらっているような社員も多いのです。そういう社員から話を聞けば、それは素敵な会社に聞こえることでしょう。

しかし、実際にそういう社員はごく一部ですし、特に女性のリクルーターは限られており、現場の生々しい話を聞くことは難しいもの。可能であれば、大学のOB・OGや知人のツテで紹介してもらったりして、信頼できる人から話を聞きましょう。

まとめ

いかがでしたか。独身であれ結婚・出産経験者であれ、女性が活躍できる会社というのは、まだ日本では本当にごくわずかです。しかし、そんな中でも頑張ってキャリアを築きたいという人や育児も家事も仕事も頑張りたいという人もいますよね。そういう人にはぜひ、女性が活躍できる土壌のある会社を選んでほしいものです。