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全国各地でいじめによる被害が多発している。文部科学省によると、2017年度の全国の学校におけるいじめ認知件数は約40万件。それに対していじめ防止対策推進法の第26条にある「出席停止」が行われたのは、わずか8件だった。

そんな、罰則規定がない「いじめ防止対策推進法」が充分に機能していない実態も浮かび上がって来る中、岐阜県の高校で悪質ないじめが発生。しらべぇ取材班がこの件を追った。

 

■高校が警察に相談中

今回のいじめの内容は、被害生徒が複数の生徒からパンツを脱がされ、裸にされるというもの。なお、その様子が撮影された動画も拡散している状態だ。

この件を岐阜県教育委員会学校安全課の担当者に聞いたところ「動画が拡散している事実は、16日の夜に確認した。高校側がこの件を警察に相談しており、事実関係の調査を始めている。学校、警察、教育委員会が連携して対応を進める」と回答。

また、高校の教頭はしらべぇ編集部の取材に対して「動画の拡散している事実は認識しており、関係機関と連携を取って対応している」と答えた。

 

■2月には別の問題も

そして、この高校では2月に教諭が答案を不正に書き換える事案が発生していた。2月に行われた1年生の英語テストで、30代の男性教諭が担当しているクラスの生徒12人分の答案を書き換えていたのだ。

空欄に正解答を記入したり、誤解答を正解答に書き直したりして、最大24点を加点。男性教諭は「自分の指導力のなさを表面化されたくなかった」などと話したという。

岐阜県教育委員会の教育管理課は取材に対して、「この教諭は常勤講師で3月20日から10日間の停職処分のあと、任期切れとなった。仮にこの教諭が今後教員採用試験を受験したとしても、賞罰としてこの事実を記載してもらうことになり、選考に影響することになる」と話す。

 

■いじめ経験者が約7割の世代も…

いじめで苦しむ人が後を絶たない状況。しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,381名に「いじめ」について調査したところ、47.0%とおよそ2人に1人が「いじめられたことがある」と回答している。

複雑化したいじめを学校単独で解決するのは難しく、教育委員会が積極的に援助し、専門の心理士やカウンセラー、そして法律のプロも援助していかないと解決できない事態に陥っている。一刻の猶予も許されない現状だろう。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2015年10月23日~2015年10月26日
対象:全国20代~60代の男女1,381

高校生が下着を脱がされる「いじめ動画」が拡散中 教育委員会と学校を直撃