芥川賞作家の平野啓一郎が2016年に発表し、累計発行部数30万部を突破した同名小説を、『容疑者Xの献身』(08)や『昼顔』(17)の西谷弘監督、福山雅治、石田ゆり子の共演で映画化した『マチネの終わりに』(11月1日公開)。このたび、本作で天才クラシックギタリスト役を演じる福山が人生初めてとなるクラシックギター演奏に挑戦し、本編中に使用される映画のメインテーマ楽曲「幸福の硬貨」を自身の手で演奏することが明らかになった。

【画像を見る】福山雅治の演奏を、日本を代表するクラシックギター奏者も賞賛!

物語はクラシックギタリストの蒔野聡史(福山)と、海外の通信社に勤務する小峰洋子(石田)の出会いから始まる。ともに40代を迎えていた2人は、初めて出会った時から強く惹かれ合っていた。しかし、洋子には婚約者がおり、世界を飛び回る仕事柄、蒔野と洋子の間にはすれ違いや思わぬ障害が生じ、ついに2人の関係は途絶えてしまう。互いへの想いを心の底にしまったまま、別々の道を歩む2人の運命が再び交わる日はくるのか…。

福山は本番までの約3か月間、日本を代表するクラシックギター奏者であり、本作の監修を努めた福田進一からのアドバイスを受け、練習に励んだそう。普段使っているアコースティックギターエレクトリックギターとはまったく違う演奏方法に、福山は「とても苦戦した」と言う。西谷監督も「本番までの数か月で習得するのは絶望的」と演奏の代役を用意するようスタッフに頼んだほどだ。

しかし福山は諦めず、爪や関節を痛めながらも格闘の日々を続けた。その努力の甲斐あって「心配には及ばず福山さんは、クラシックギタリストと化しました」と西谷監督も絶賛するほど。福山も「自分の音楽にフィードバックするものがたくさんありました。これからの音楽人生でクラシックギターを演奏する時、蒔野聡史というギタリストは競うべきライバルになってゆくのだと思います」と感無量のコメント。

不屈の精神でクラシックギターを習得した福山自身が奏でる映画のメインテーマ「幸福の硬貨」。この曲は蒔野と洋子、2人の運命を強く結びつける重要な劇中曲となる。物語では蒔野がギターを好きになるきっかけの曲であり、自身のデビューコンサートで演奏する曲でもある。洋子はそのデビューコンサートを偶然鑑賞しており、まさに2人の運命の曲だ。福田は「哀しさと切なさのなかにも、凛とした清々しさを感じさせる旋律を見事に演奏されています」と称賛を惜しまない。

美しいクラシックギターの旋律、そして東京、パリ、ニューヨークと彩り豊かな町を舞台に紡がれる大人の愛の物語。劇場で『マチネの終わりに』の音楽と映像を、全身で体感する時が待ちきれない!

<キャスト・スタッフ コメント>

福山雅治(蒔野聡史役)

「僕が今まで自分なりにやってきたアコースティックギターエレキギターとは、全然違うもので、大変勉強になりました。福田さんのアドバイスの元、クラシックギターの弾き方、押え方を学べたことで、自分の音楽にフィードバックするものがたくさんありました。『クラシックギターでの弾き語り』という演奏スタイルも、さっそくライブに取り入れさせていただいております。これからの音楽人生でクラシックギターを演奏する時、蒔野聡史というギタリストはずっと自分と共にいて、同時に、競うべきライバルになってゆくのだと思います」

●西谷弘(監督)

「福山さんがミュージシャンとして普段、手にするギターと、クラシックギターは似て非なるもの。その演奏方法の全てが別物でした。それを本番までのたった数ヶ月で習得するのは絶望的。それでも挑む福山さんを横目に、僕はギタリストの吹替を用意するよう、スタッフに頼みました。福山さんは爪を何度も割り、関節を痛めながらもクラシックギターとの格闘の日々が続きました。結果、心配には及ばず福山さんは100%クラシックギタリスト蒔野聡史と化しました。是非、映画館で皆さんの目と耳で確かめて頂けたらと思います」

●福田進一(クラシックギター監修)

「同じギターとは言え、ロックとは全く異なるクラシックギターの奏法を限られた時間の中で習得するのは、大変な根気と努力のいる作業だったと思いますが、福山雅治という、天性の音楽家としての勘の良さ、学ばれる時の集中力の高さには目を見張らせるものがありました。その結果として、理想の天才クラシックギタリスト蒔野聡史が誕生したと思います。この映画で最も重要な音楽は菅野祐悟さん作曲の『幸福の硬貨』です。この哀しさと切なさの中にも、凛とした清々しさを感じさせる旋律を福山さんは見事に演奏されています。その音色は実に暖かく人間味に溢れており、やはり福山さんは根っからの音楽家なのだな…と感心させられました」(Movie Walker・文/編集部)

福山雅治がクラシックギター初挑戦!