映画『引っ越し大名!』に野村萬斎、立川志らくが参加していることがわかった。

土橋章宏による時代小説を犬童一心監督が映画化する同作は、生涯に7度もの国替えを命じられた実在の大名・松平直矩のエピソードをもとに、参勤交代を上回る莫大な費用がかかる引っ越しを、知恵と工夫で乗り切ろうとする姫路藩の藩士たちを描く作品。星野源高橋一生高畑充希らが出演している。公開日は8月30日

野村萬斎は劇中に登場するオリジナル楽曲“引っ越し唄”の振付を担当。同曲は劇中で星野源高橋一生高畑充希らが歌っている。振付について萬斎は、「振付を担当するに当たって、犬童監督から最初に頂いたお題は、素振りの練習、引っ越し、歌の3つ。これらをミックスしたものを作ってほしいというものでした」と明かしている。

立川志らくは本編でナレーションを担当。同作について志らくは「現代において時代劇は思いっきりふざけた所から真実を探すのが一番正しいのかも知れない。その答えが『引っ越し大名!』である」とコメントしている。

野村萬斎のコメント
振付を担当するに当たって、犬童監督から最初に頂いたお題は、素振りの練習、引っ越し、歌の3つ。これらをミックスしたものを作ってほしいというものでした。
素振りは本来、一人でするものですが、あれこれと思案していく中で下ネタも頭の中をよぎりつつ、最終的に素振りしながら2人で荷物を運ぶということになりました(笑)。
出来上がった映画には、ところどころに“引っ越し唄”と共に挿入されていて、ミュージカルのような楽しさがありました。全編ライトでコミカルな流れの中にも悲喜こもごもの引っ越しの大変さ、悲哀が見て取れ、笑いながらもホロリとできる楽しい時代劇です。

■立川志らくのコメント
「ふざけた中に真実が時折転がっている」。これは私の持論。落語という江戸の世から300年ふざけ続けてきた娯楽の中に身を置いているからこそわかる事だ。時代劇はその昔のチャンバラから始まり黒澤明でエンタメとして昇華した。現代において時代劇は思いっきりふざけた所から真実を探すのが一番正しいのかも知れない。その答えが「引っ越し大名!」である。チャップリンの言葉に悲劇は身近な人生、喜劇は距離を置いた人生というのがあるが、本作の大名達の引っ越しはまさに悲劇。それを傍観する我々にとっては喜劇。この作品の中に大名の、いや、人間の生活する事の真実、つまり答えが入っているに違いない。

左から野村萬斎、立川志らく