柴崎とボランチのコンビを組むも、ビダルらチリの中盤に苦しめられて失点にも絡む
森保一監督率いる日本代表は、現地時間17日に行われたコパ・アメリカ(南米選手権)のグループリーグ初戦でFIFAランキング16位のチリ代表に0-4と大敗を喫した。ボランチで先発出場したMF中山雄太(PECズヴォレ)は、MFアルトゥーロ・ビダル(バルセロナ)らチリの中盤に苦しめられて持ち味の展開力を発揮できず、「評価する材料もない」と自身のA代表デビュー戦に悔しさを滲ませた。
東京五輪世代の若手を中心に臨んだ日本は、4-2-3-1システムでスタート。1トップにFW上田綺世(法政大)、左サイドハーフにMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)、トップ下にMF久保建英(FC東京→レアル・マドリード)、右サイドハーフにFW前田大然(松本山雅FC)が入り、中山はキャプテンのMF柴崎岳(ヘタフェ)とボランチのコンビを組んだ。
序盤は日本が攻め込む場面も見られたが、前半41分にセットプレーから中山とDF植田直通(セルクル・ブルージュ)が重なる形になり、MFエリック・プルガル(ボローニャ)に打点の高いヘディングシュートを被弾。後半に入ると地力の差が如実に現れ、中山がペナルティーエリア内でクロスを上げられたところから、FWアレクシス・サンチェスにダイビングヘッドを決められるなど3失点を喫した。
ビダルと対峙する機会も多かった中山は、スペインの名門でプレーするダイナモについて、「何か特筆すべきプレーはなかったですけど、止める蹴るの技術、ゴール前に入っていくタイミングと迫力はハイレベル」と言及。「チリの選手は、組織として攻撃も守備もクオリティーは高いなと感じました」とボランチとして苦しめられた印象を語った。
6月のキリンチャレンジカップでは、A代表初選出されるも出番はなく、チリ戦が待望の初出場。しかし、中山にとってはホロ苦いデビューとなってしまった。
「評価する材料もないくらい相手にやられていたので、こうとは一言で言い難いですけど……、一つだけ言えるのは良かったとは言えなかった」
「攻撃の選手にいい形でボールをと思っていたなかで、低い位置からのスタートに…」
それでも、前半にはロングフィードを対角線上に飛ばすシーンもあり、日本自体もチャンスがまったくなかったわけではない。中山は悔しさを滲ませつつ、20日に行われるグループリーグ第2戦のウルグアイ戦に向けて課題を挙げる。
「良い状態で(ボールを)受けられればやれるというのはありますけど、それができなかった時にどうするか。チャンスで言えば相手の方が多かったし、そこを決め切る技術も相手が勝っていた。まずは攻撃の選手にいい形でボールを渡せるようにと思っていたなかで、それ以前に低い位置からのスタートになってしまったので、より高い位置でボールを奪取して、前線を生かせるように次戦につなげたいです」
中山がチリ戦で払った悔しさという“レッスン代”をどのように生かすのか、次戦以降のパフォーマンスで真価が問われる。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)
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