電車や飲食店など、公共の場に子連れで出かける時はひやひやする、という親は多いのではないでしょうか。筆者もその一人です。

特に最近、そういった場所で子どもの行儀や親の対応について、いろいろと言われてしまうことが増えてきました。我が子の4歳という年齢のためか、そういう世の中になってきたからなのか……もちろん、こちらに非があることは大前提なのですが、「ありがたく、申し訳なく思う」言われ方と、「悲しくなる」言われ方に、明確な違いがあることに気づきました。

チクリとした独り言は、子どもには届かない

まず「悲しくなる」言われ方は、子どもや親に直接言わずに、独り言のようにつぶやかれたり、周りの人に聞こえよがしに話されたり、吐き捨てるように言って立ち去られたりする場合です。

ある日、電車で我が子が「座りたい」とぐずりはじめました。座席は埋まっていたので、どうにかなだめていると、近くの席が空きました。そこで座らせたのですが、座席からずり落ちるような姿勢です。「お行儀が悪いし、余計に疲れるよ。そんな座り方なら、座らなくていいんじゃない?」と言ったところ、近くにいた男性が「そうだね。座らない方がいいね」とボソリとつぶやいたのです。

こちらを見ることもなく言われたので、最初は誰に向けられた言葉なのかもわからず、我が子にも聞こえておらず……。すでに我が子は座り直していたので、その場にはモヤモヤする空気だけが流れ、結局、男性に同行していた女性が気まずいと思われたのか、2人は別の車両に移っていきました。男性は、自分が座りたかったからああいうことを言ったのかな?とも思うのですが、真相は謎です

他にも、電車では冷たい視線を浴びたり、チクリと言われたことが何度かあります。もちろん、筆者のしつけがなっていないから、我が子がぐずりがちだから、といったところは大いに反省しなければなりません。

ただ、ひとつ親になってわかったことを述べるならば、3、4歳児ぐらいになると、電車で立っていても平気そうに見えるかもしれませんが、揺れる中ではまだまだ心もとないのです。だから、座席が空いていれば座らせたいと思ってしまいます。「子どもは座らなくてもいい」という言葉を投げかけられたこともありますが、その子どもの体格も考慮してもらえると、親としてはありがたいものです。

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子どもに向き合って叱ってもらえることのありがたみ

とはいえ、電車で席を譲っていただいたり、あたたかい言葉をかけていただいたことの方が圧倒的に多いのも事実。また、叱っていただいてありがたいと思ったこともあります。

飲食店で我が子が駆け出してしまった時のこと。筆者はトレイを持っていて手をつなげず、「走らないで!」と声をかけることしかできませんでした。すると、ある女性のお客さんが我が子の顔を見て、穏やかに「こういう場所で走っちゃいけないよ」と言ってくださったのです。我が子は納得した様子で歩いて席に向かい、筆者はその方に「すみません、ありがとうございます」と伝えました。

ここでありがたかったのは、しっかりと我が子に向かって、しかも穏やかに、4歳児にもわかる言葉で叱ってくださったこと。子どもに向き合って𠮟るのは、親でも骨が折れることです。それを見ず知らずの子どもにやっていただいたことが、申し訳なくもありがたく感じました。

こういうシチュエーションで見知らぬ人に指摘されると、親子ともに緊張してしまう場合もあるかもしれませんが、本当に子どもを思って言っていただいている言葉は響くと、筆者は実感しています。

どちらの例も、改めて書き出してみると、我ながら社会に甘えて子育てしているな……とは思うのですが、それでも子どもを温かい目で見守っていただければありがたいと願わずにはいられません。そして、(自戒も込めて)親自身も、公共の場所におけるマナーを、子どもが納得できるかたちで教え伝えていきたいですね。