すき家の豚丼は2003年のBSE問題で牛丼のピンチヒッターとして登場。一度終売したが、2015年に復活していた
すき家の豚丼は2003年のBSE問題で牛丼のピンチヒッターとして登場。一度終売したが、2015年に復活していた

牛丼チェーンすき家が6月上旬で「豚丼」の販売を終了した。理由は「メニューの改廃の一環」とのことだが、このニュースに涙を流したファンが多数。復活の日を願って、その思い出を語ってもらった!

まずは、すき家に行くと自然と豚丼を選んでいたという定食評論家・今柊二(こん・とうじ)氏から。

「2003年のBSE問題で牛丼がなくなり、当時は"代替品"の印象が強かったすき家の豚丼ですが、いったん終売した後、2015年に復活を遂げています。私を含め、コアなファンはいました。

豚肉にはビタミンB1が含まれていて、疲労回復に役立つ。その"ブタミンパワー"を手軽に注入できた豚丼がなくなったのは実に寂しいです」

B級グルメに詳しいライターの中川哲司氏からも悲しみの声が。

吉野家や松屋が『ぶたどん』『ぶためし』とオーソドックスな読み方だったのに対し、すき家のメニュー名は『とんどん』。何か強いこだわりを感じました。味も独特で、さりげなく入っている刻みショウガがいい仕事をしていましたし、タマネギの味染み感もちょうどいい。肉もぶ厚く、脂のバランスも取れていてかなり洗練された一品でした」

アルバイト店員にもファンがいた!

「実は、牛丼の並盛が350円なのに対して、豚丼の並盛は380円と30円高かったんです。牛丼は店舗で鍋で煮るのですが、豚丼は工場から送られてきた個装パックを温めて提供するスタイル。コストがかかっていたからだと思いますが、その分いつも安定したウマさでした」

これだけ強い思いを持った人たちがいただけに残念!

■オレは豚丼をこう食っていた!

では、その豚丼の最強だった食べ方を回顧してもらった。まずは前出の今氏から。

「牛丼の最強タッグおしんこだと思うのですが、豚丼にピッタリなのはキャベツ。サラダを注文して、それを乗せ、その上から七味をたっぷりかけるのが最高でした」

前出の中川氏からはこんな食べ方の思い出が。

「テーブルに置いてあるゴマドレッシングをかけて、ゴマだれ豚丼にしてよく食べていました。あとは、牛皿を注文して、豚・牛の合いがけにして食べるのも味の違いがわかって面白かったですね」

思い出は尽きないが、他チェーンでも"豚丼"はもう食べられないのか?

調べてみたところ、吉野家では「新味豚丼」というメニューで存在。松屋では店舗メニューはないが、通販や一部店舗で個食レトルトの「豚めしの具」の販売はあった。というわけで、同じくすき家の豚丼を愛していた本誌記者が食べ比べてみた。

吉野家は肉が薄切りで、味も甘辛の照り焼き風ですき家とはまったく違いますね。松屋はショウガが効いて味は近いのですが、やはり肉が薄切り。つくづく、すき家の豚丼は唯一無二だったんですね」

もう二度と食べられないのだろうか。すき家を運営するゼンショーホールディングスの広報室に聞いてみた。

「現段階で復活は未定です」

では、6月10日以降食べられる可能性は残っている?

「店舗によりますが、ほとんど在庫はないと思われます」

と、希望の声は現時点では聞けなかったが、不死鳥のごとく再びの復活を待ちたい!!

すき家の豚丼は2003年のBSE問題で牛丼のピンチヒッターとして登場。一度終売したが、2015年に復活していた