西島秀俊内野聖陽(せいよう)がダブル主演を務め、何気ない日常に訪れる幸せを描く「きのう何食べた?」(毎週金曜夜0:12-0:52ほか、テレビ東京系)。6月14日に放送された第10話ではそんな同作の真骨頂ともいえる名ゼリフが登場し、視聴者の心をふるわせた。(以下、ネタバレがあります)

【写真を見る】カウンター越しに笑顔のシロさんとケンジ。“何気ない日常”に涙…

■ 「ごめん…ホントにごめん」謝るケンジ

同作の人気の理由は、料理上手で倹約家の弁護士・筧史朗(通称:シロさん/西島)と、その恋人で人当たりのいい美容師・矢吹賢二(通称:ケンジ/内野)のお互いを思い合う気持ちのあたたかさだ。

10話では、シロさんを失いたくないあまり嫉妬心を抑えきれなくなってしまったケンジが涙を流すシーンが注目を集めた。

同性愛者で共通の知人・小日向(山本耕史)と2人で飲みにいくというシロさんに「絶対2人きりで会わないで」と言いつのり、シロさんを束縛してしまったケンジ。シロさんはそんなケンジを静かに受け入れ、その場で小日向に約束キャンセルの電話を入れた。

「これでいいか?」と穏やかに問いかけたシロさんに、ケンジは「ごめん…ホントにごめん…」とうなだれた。

■ 「ありがとうの方がずっと嬉しいよ」

大切な人との関係がこじれそうなとき、ケンジはいつも、つい謝ってしまう。この回に限らず、たとえば第8話(6月14日放送)では、つい謝ってしまうケンジにシロさんが「なんでそこで謝るんだよ、お前は!」と声を荒げる場面や、ケンジが「謝るくらいなら、最初からもっと考えて行動すべきだよね」「いつも言われてるのに学習しないの、ほんとダメだよね」とさらに自分を責める場面も描かれた。

そんなふうにケンジにいら立ってしまうこともないわけではないシロさんだが、10話では思いやりと愛情でケンジを大きく包み込んだ。

小日向の一件があった翌朝。思いがけず休日が重なった2人は、シロさんお手製のクレープで穏やかなブランチを楽しんでいた。「2人でこんなご飯が食べられるなんて、最高の休日。ありがとね、シロさん」と笑顔を取り戻したケンジに、シロさんは「なぁ、ケンジ」と語りかけた。

「あのさ、俺もお前に『ごめん、ごめん』って謝り倒されるより、『ありがとう』って言ってもらえる方がずっと嬉しいよ。だからさ、もう謝んなくていいって」

シロさんの包容力に「涙止まらない」「ジーンときた」

「ごめん」より「ありがとう」が嬉しい――。このメッセージに、視聴者の間で共感が広がった。SNSでは「シロさんの抱擁力に涙がとまらない」「じーんときた。ごめんなさいよりありがとう。きっとその方が幸せになれる」「本当の意味で贅沢な休日。幸せってこういうことなんだよなぁ」といった書き込みが続いている。

目の前の相手に、今ある日常に「ありがとう」と感謝して、ささやかなおうちごはんを楽しむ。ごく普通の日常にもそんな幸せがあることに気づかされる、「きのう何食べた?」らしいエピソードに「こういうのを神回っていうんじゃないかな」といった声も上がっている。

■ 今度はクリスマス!第11話あらすじ

きのう何食べた?」、次回は6月21日に第11話を放送する。

師走のある土曜日。実家に帰ったシロさんは、母・久栄(梶芽衣子)がやけに穏やかなのが気になる。なにかあるのでは…その予感は的中。正月にケンジをうちに連れてくれば、と言い出したのだ。しかしシロさんにはまだ迷いがあり、その言葉に即答できなかった。

帰宅したシロさんは、クリスマスを前にソワソワするケンジに、今年のディナーは小日向大策(山本耕史)、井上航(磯村勇斗)を招いて4人で過ごそうと提案する。(ザテレビジョン

「きのう何食べた?」第10話シーンより